発酵と腐敗の違い分かりますか?【ゆっくり解説】
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発酵と腐敗の違い分かりますか?【ゆっくり解説】
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冷蔵庫を開けて、中身を思い浮かべてください。
納豆、ヨーグルト、チーズ、ぬか漬け。全部、微生物に食われた食べ物です。
では、納豆と腐った豆の違いは何でしょうか。
使っている菌が違うから? いいえ。菌の側には、発酵も腐敗も存在しません。
どちらもただの分解です。分けているのは、人間の都合だけです。
しかも日本人は、腐り具合を測る数値が完全に振り切れた液体を、
300年以上にわたって家宝として受け継いできました。
今日は、発酵と腐敗の境界線はどこにあるのか、という話です。
最後まで見れば、冷蔵庫の中身が全部違って見えます。
■ 主な参考文献
レファレンス協同データベース「『発酵』と『腐敗』の違いについて知りたい」(管理番号 1000330775)国立国会図書館
https://crd.ndl.go.jp/reference/entry...
Machida, M. et al. (2005) Genome sequencing and analysis of Aspergillus oryzae. Nature 438: 1157-1161.
Gibbons, J. G. et al. (2012) The Evolutionary Imprint of Domestication on Genome Variation and Function of the Filamentous Fungus Aspergillus oryzae. Current Biology 22(15): 1403-1409.
Watarai, N. et al. (2019) Evolution of Aspergillus oryzae before and after domestication inferred by large-scale comparative genomic analysis. DNA Research 26(6): 465-472.
阪口玄二 (1997) いずしとE型ボツリヌス中毒. 日本食品微生物学会雑誌 14(1): 1-6.
「種麹,麹菌について」日本食生活学会誌 31(4): 217-220 (2021)
「伝統産業の方途 種麹について」日本醸造協会雑誌 74(9): 570- (1979)
鈴木敏弘ら「伝統水産発酵食品『くさや』から抗生物質生産放線菌の分離」東京農業大学(2022)
Kruuk, H. ほか標準的な食品微生物学の水分活性の生育下限値については、
ICMSF (1980) Microbial Ecology of Foods Vol.1: Factors Affecting Life and Death of Microorganisms. Academic Press.
厚生労働省・食品安全委員会「ボツリヌス菌」ファクトシート
一般財団法人東京顕微鏡院「毒性が強いボツリヌス菌食中毒について」
■ 補足(数字の出どころと、議論が続いている点)
・揮発性塩基窒素(VBN)の目安は、新鮮が可食部100グラムあたり5〜10ミリグラム、30を超えると初期腐敗、50を超えると腐敗とされます。ただしこれはタンパク質の分解がどこまで進んだかを測る指標であり、発酵か腐敗かを判定するものではありません。サメやエイなど、もともと尿素を多く含む魚では基準が異なります。
・食品1グラムあたり菌数1億個という初期腐敗の目安も、あくまで一般的な指標です。発酵食品はこの値を平常時から大きく超えます。
・くさや液がpH8前後の弱アルカリ性であり、含まれる窒素分の大半が揮発性塩基であることは複数の分析で確認されていますが、あの独特の匂いを生む微生物叢の全体像は、まだ解明の途上です。近年、抗菌物質を作る放線菌が分離され、保存性の高さの説明が進みつつあります。
・麹菌が毒を作る祖先から家畜化されたという説は、2005年のゲノム解読以降のゲノム比較研究で支持されています。ただし「人間が長い時間をかけて無毒の株を選び続けた結果」なのか、「もともと毒を作らない野生株を選んだだけ」なのかは決着していません。動画では両論を紹介しています。
・室町時代に木灰を用いて胞子の耐久性を高める技術が確立し、種麹の製造が始まったとされています。ただし当時の人々が菌の存在を認識していたわけではありません。
・1951年5月、北海道岩内郡島野村でニシンのいずしを原因とするE型ボツリヌス中毒が発生し、14名が発病、4名が死亡しました。これが日本で最初に確認されたボツリヌス食中毒です。以降も同種の事例は続いており、一度きりの事故ではありません。現在は仕組みが解明されているため、発生件数は大きく減っています。
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※この動画は東方Projectの二次創作です。