「命の重さに見合わない」苦しみ続ける家族【知床観光船事故】桂田精一被告に禁錮5年の判決 釧路地裁は「謝罪は表面的」と断罪した一方で、被告は即日控訴 26人が死亡または行方不明
HBCニュース 北海道放送
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「命の重さに見合わない」苦しみ続ける家族【知床観光船事故】桂田精一被告に禁錮5年の判決 釧路地裁は「謝罪は表面的」と断罪した一方で、被告は即日控訴 26人が死亡または行方不明
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知床沖で起きた観光船の沈没事故。
発生時の目撃者がいないこの事故で、ようやく裁判所の判断が示されました。
水越壮夫裁判長
「被告人を禁錮5年に処する」
法廷でまっすぐ前を向き、裁判長の言葉に耳を傾ける桂田精一被告(62)です。
水越壮夫裁判長
「反省の弁や謝罪をしているが、いずれも表面的で真摯に受け止められなく、禁錮刑の上限が適正と言える」
求刑通りの実刑判決を聞いた、傍聴席の被害者家族らは、深く息を吐き出しました。
■世界自然遺産『知床』 26人の犠牲者
「『KAZU1』が水面から出てきました!」
2022年4月、知床半島沖で観光船「KAZU1」が沈没。
乗客乗員26人が死亡・行方不明になりました。
桂田被告は法律に基づき、天候や海の状況などの情報を収集し、船の安全な航行を統括・管理する責任者=「運航管理者」を務めていました。
事故の4日後、出航判断について問われると…
桂田精一被告(2022年4月)
「午後に天気が悪くなる場合は、船長判断で戻っていていただくことを長年やっています。どの会社も最終的には船長判断でございます」
記者(2022年4月)
「船長に責任を押し付けているのではないか」
桂田精一被告(2022年4月)
「押し付けているということじゃなくて、ちょっと頼りすぎていた」
「出航は船長判断」と繰り返した桂田被告。
第1管区海上保安本部は、桂田被告が事故を未然に防ぐ義務を怠り、船を沈没させたとして、業務上過失致死の容疑で逮捕。
船長が死亡したなか、直接、船を操縦していない社長の刑事責任を問う異例の裁判が始まりました。
■釧路地方裁判所の判断
最大の争点は、桂田被告が事故の発生を予測できたか、「予見可能性の有無」でした。
17日の判決で、釧路地裁の水越壮夫裁判長は…
水越壮夫裁判長
「船長の経験の乏しさや気象の悪化など、死亡事故が発生することは容易に予見できたと言える」
「本件注意義務の前提となる予見可能性があったと認められる」
検察側の主張を全面的に認め、桂田被告に禁錮5年の実刑判決を言い渡しました。
■被害者家族 それぞれの思い
北海道北見市の鈴木智也さんは、観光船で交際相手の女性にサプライズでプロポーズを計画していました。
鈴木智也さんの父親
「息子の思いを考えると、(求刑通りの判決で)結果は良かったですが、気持ち的に許すことはできません。本当に苦しい4年間でした、今は2人仲良く幸せにいてくれることを願います」
十勝地方の男性は、元妻と、当時7歳の息子がいまも行方不明のままです。
深い喪失と向き合いながら、息子の死亡認定を申請しました。
十勝地方の男性(元妻と当時7歳の息子が行方不明)
「法定刑の範囲で最大の判決だったことは理解していますが、26人もの方が犠牲になったことを考えると、その命の重さに見合うものとは私には受け止めることができません。安全を著しく軽視した事業者に対する新たな処罰規定が必要ではないかと思います」
事故から4年あまりでようやく示された裁判所の判決。
弁護側は即日控訴し、今後、札幌高裁で審理されることになります。