沢田研二「安井かずみさん作詞集」No. 3 ◆追憶(他)
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沢田研二「安井かずみさん作詞集」No. 3 ◆追憶(他)
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いよいよシリーズは最終、No.3 は「魅せられた夜」「恋は邪魔者」「追憶」の登場です。
ロックやバラード、アイドル色の強い楽曲のほかに、ドラマチックなボーカル曲が入りました。
ラストソング「旅立つ朝」はシングル「時の過ぎ行くままに」のB面。
少年~青年期までのジュリーを描いた安井かずみさんは、いよいよ登場する “阿久悠+大野克夫”の描く男の世界へとジュリーを送り出します。
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◾ジュリーの歌と魅力◾
安井かずみ
ポップスの業界では、歌唱の魅力というのは、その歌手の魅力とも置きかえられるのが普通だと思う。
その意味でもジュリーが“いる”ということですでに魅力的であり、ジュリーが“歌う”ということでその魅力は倍になり、ジュリーが、“歌っている”ということで魅力な無限大になると思う。
ジュリーの歌ぐらい、信に比較や相違点をみつけることが出来ない人は珍しい。
アダモとも違う、ミック・ジャガーとも違う、郷クンとも違う、ジョニー・アリディーとも、平尾昌晃さんとも違うというように、何風でも何流でもない「ジュリー風」だから……。
この事は単に、彼のファンがききわけられる「彼の声と歌い方」っていうのではなくて、私が仕事上又は好みで聞く、ボーカリスト、世界中の何千人という歌手の分類からいって、“そう”だと思うのだ。
この事は一流の歌手、国外、国内を問わず、過去、現在を問わず、その歌手しか持っていないオリジナルな「歌の世界」があるということが、素晴らしいアーティスト、人気を得ることの必須条件、それを満たしていることだと思う。
ジュリーの歌の世界は、どんなものかと分析するには、私はその方の専門家(分析屋さん)じゃないし、又ジュリーだって分類されてしまう程年取ってないから、今ここで彼の持ち味の断言は出来ないけれど…
…それより何より、“変化していくこと”に私は期待と魅力を感じる。ジュリーでなくなることではなく、あくまでもジュリーの変化、それが素晴らしい人生の価値だし、歌手の価値だと思う。
変化の期待できない人間や歌手ほど魅力も興味も湧かないものはない。
例えばジョン・レノンだって、ボブ・ディランだって、専ら、それぞれの変化が私達の心をより強くとらえているのだと思う。
ポップスの歌手も、一人の現代人であり、この社会に生きているのであれば、年もとるだろう。自分の考え方も変わるだろう。
好みも、思想も、生活感も。そして周囲の状況も世界状況も……そして、それらの変化が人生をしている人間として、まして表現ということに大部分を負っている歌手が変わっていくのが当然だと思う。
何も社会派の歌を歌おうってのじゃなくて、歌は世につれ、世は歌につれ……みたいなことでも充分いいんだけど。
そしてその点に関して、ジュリーは、実に魅力的に変化していってる歌手の第一人者だと私は思っている。
彼はいわゆる美声、美唱の類の人じゃない。もっともそんなものに価値も魅力もないけど、ミックやロッド・スチュアートだって美声(オペラティックな)ということからしたら、まるではずれてる。
それより彼独特のフレージングは一度聞いた人を離さない何かを持っている。
一番初めに聞くと耳障りなくらいにユニークなのだ。三回、十回、百回きいてゆく程にそれは一生涯とりつかれるまでの不思議な魅力を持ってくる。
それに“あの声”……甘いような、冷たいようなだけど清潔なかんじがする。ジュリーの声は例えできるだけきたなくグリーズしても、決して下品になれない声質だから。
ジュリーの歌は、華麗さをよく人から指摘されるけど、やはりその声とフレージングの抱合せは泥っぽいとか不透明とかではなくイメージ通りカット・グラスの美しさに、ほんとは実に人間っぽいジュリーがうまく混ざりあって、歌に出てきてると思う。
わたしも彼を知ってから、もう六、七年にもなるけれど、その間彼の何百曲という歌を聞いてきたし、彼が歌い継いできた道程や、素晴らしい変化、進歩もみてきた。それは時にはロックのヘヴィなものであったり、又シャンソン風であったり、アメリカ的なもの又、歌謡曲的だったり、様々だけれど、彼ほど歌に対して真剣で、よい意味で勉強家、研究熱心な人も少ないだろう。外国のアーティスト、流行、それも軽薄に追うのではなく、じっくり自分に消化して、取り入れるもの、はぶくものを、正確に、彼に似合って選んでゆくのは、彼のセンスの良さだと思う。
また、彼のように長い間スターの座を守り、歌を何百と歌い続けてくると必ず陥る、「歌が観念的」になってしまうこと。つまりどの歌だって同んなじテクニックで処理してしまうこわさがある。だけどジュリーに限ってはそれがない。それはどんなに素晴らしいことか!レコーディング・スタッフにしてみれば何にも変えられない魅力であり誇りとまで言える。観念でない、テクニックでないとすれば「心」なのだから……。ジュリーはいつも気持ちで歌う。それが多くの人を魅きつける結果にもつながっていることは間違いない。
私が好きな歌手を世界で五人言えといわれたら、ミック・ジャガー、ボブ・ディラン、ジョン・レノン、ジュリー、ロッド・スチュアート……。ジュリーは私達日本のファンだけの魅力に停まらず世界の魅力に一日も早くなってほしい。
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タイムスタンプ
〈安井かずみさん作詞集③〉
00:00 船はインドへ
05:01 夜の翼
07:37 魅せられた夜
10:34 恋は邪魔者
14:03 遠い旅
17:56 追憶
22:41 甘いたわむれ
25:52 悪い予感
31:17 風吹く頃
34:41 明日では遅すぎる
38:58 旅立つ朝
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※後に再結成したザ・タイガースにはジュリーの作曲に歌詞を提供しています。
「ライラ」
• ザ・タイガース THE TIGERS 1982 B3「ライラ」
※テレビドラマの主題歌「風のなかのあいつ」の作詞も安井かずみさんによるものです。
• 風の中のあいつ OP 1973 歌:沢田研二
#沢田研二#ジュリー#安井かずみ#作詞#歌詞