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その「嫌われたかも」、自己肯定感で決まるのか【好意のギャップ×アダム・スミス】

人間のからくり【ゆっくり解説】

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その「嫌われたかも」、自己肯定感で決まるのか【好意のギャップ×アダム・スミス】

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人間のからくり【ゆっくり解説】
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飲み会の帰り道、あの一瞬の間を思い出して三十分ぐらい反省してしまう——それを「自己肯定感が低いから」で説明したことはありませんか。同じ会話を、二人に別々で採点させた実験があります。初対面の36人が5分だけ話し、別々の部屋で「自分は相手をどれくらい好きになったか」と「相手は自分をどれくらい好きになったと思うか」を答える。7段階で、前者の平均は5.82、後者は5.17でした。参加者たちが揃って同じ向きにずれているので、これは気のせいではなく間違いだと言い切れます。研究者は性格も測っていて、ズレの大きさを左右したのは自尊心ではなく内気さでした。しかも、いちばん内気な10人は、三つの組でいちばん相手を好きになっていた人たちでした。そして会話の映像を見た二人の助手は、その人が自分で答えた好意を読み取れたのに、本人が「好かれたと思った度合い」とは揃いませんでした。好意は出ていて、外からは読めて、本人の採点にだけ届いていなかった——ただし「誰にでも起きる」という研究ではありません。 ■ この動画で確かめる3つのこと ① そのズレは、そもそも測れたのか(5分の会話・二つの質問・7段階の目盛り) ② ズレの大きさは、自己肯定感で変わったのか(四つ測って、効いたのは一つだけ) ③ 相手がサインを出していなかったのか、それとも本人の採点に入っていなかったのか(映像を見た二人の助手) ■ 目次 00:00 帰り道で三十分、反省会をしていた 01:28 第1章 5分の会話と、二つの質問 04:02 第2章 四つの性格を測っていた 06:53 第3章 サインは、出ていたのか 09:28 第4章 もう一度、ひとつめの問いへ 10:23 判決 残ったのは、ズレそのもの 11:53 鏡は、どこに置かれていたか ■ この動画の作り方 この動画は、紹介する論文・一次資料を実際に読んで作っています。 引用は出典つき、確かめられなかったことは「分からなかった」と動画内で言います。 疑問に思ったことがあれば、コメントで聞いてください。出典ごとお答えします。 自然科学と哲学が好きな人間が、一人で作っています。本業のかたわら、論文や文献を読み漁るのが趣味で、 人の心のからくりを一つずつ種明かししていく番組です。 高評価とチャンネル登録は、無理にしなくて大丈夫です。本当に面白かったときだけ押してください。 面白くなかったら、どこがダメだったかコメントで教えてもらえるほうが助かります。次はそこを直します。 ■ 主な出典 *Boothby, E. J., Cooney, G., Sandstrom, G. M., & Clark, M. S. (2018). The Liking Gap in Conversations: Do People Like Us More Than We Think? *Psychological Science*, 29(11), 1742-1756. DOI: 10.1177/0956797618783714* この動画の主役です。**5つの研究で構成**されています。データは公開されています(https://osf.io/dw5fm/)。 Study 1a(本編第1章・第2章): 36人。Yaleキャンパス周辺でチラシ募集した、年齢幅のある成人。同性2人組が約5分会話し、別室で7段階4項目に回答。実際に相手を好いた度合い M=5.82 vs 相手が自分を好いたと思った度合い M=5.17(p<.001)。**参加者全体が相手より多く相手を好いていたことは論理的にありえないため、この差は参加者側の誤りだと確定できます** Study 1a の性格の分析: 自尊心(Rosenberg 1965)は p=.42、拒絶感受性 p=.64、ナルシシズム p=.12 でいずれも非有意。**内気さ**(McCroskey 1981)だけが有意(p=.003)。三分位(各10人)では 高群 実際6.16 vs 推定5.02(差1.14)/ 中群 5.67 vs 5.12(差0.55)/ *低群 5.57 vs 5.32 で有意ではありませんでした(p=.21)* Study 1b(本編第3章=山場): 会話の映像15本を、仮説を知らない訓練済みの助手2名が独立に評定(評定者間一致 ICC=.71)。観察者の判定は**実際の好意を有意に予測**(b=0.71, p<.001)。しかし**本人が予測した好意とは無関係**(b=0.38, p=.51)。著者はこれを「サインが出ていない」説を棄却し「サインは出ているが気づかれない・使われない」説を支持する結果としています Study 2(本編第3章): 84人。ズレが再現(p<.001)。会話後に「印象を作った瞬間トップ3」を自分側・相手側それぞれ書かせると、**自分についての思考のほうが否定的**で、その否定性がズレを媒介していました(間接効果 95% CI [-0.22, -0.07])。⚠️ 媒介は因果の証明ではありません Study 3(本編第1章末): 102人。会話の長さを2分〜45分(平均約23分)まで変えても、**長く話すほどズレが縮まるという関係は見られませんでした**(交互作用 p=.37)。⚠️ ただし長さ別に検定すると有意だったのは中程度の長さだけで、**短い会話(p=.12)と長い会話(p=.056)ではズレ自体が確認されていません** Study 5(本編第4章): 102人の大学1年生。同じ寮に割り当てられた相手について、秋から春まで5時点で回答。追跡全体でズレが確認されました(p<.001)。最終時点で**半数にだけ「最も正確に推定した人に100ドル」**という文を提示しても、推定は有意に変わりませんでした(p=.81)。著者はこれを「参加者が自分の報告を信じていた証拠」としています アダム・スミス『道徳感情論』(1759) 第3部第1章(本編の「鏡は一緒にいる人の顔つきと振る舞いの中にある」「人は自分を二人に分ける」は、**英語原文で確認した趣旨の紹介**で、邦訳の逐語引用ではありません) ■ この動画の限界(先に言っておきます) この論文は**データは公開されていますが、実験計画と解析計画の事前登録は行われていません**(論文の Open Practices 欄に明記)。5つの研究で一貫した結果が出ていることは強い材料ですが、「証明された」とは言えません **「内気さ」が低いグループでは、ズレが統計的に確認されませんでした**(各群10人)。この動画は「**誰にでも起きる**」ことを示した研究の紹介ではありません。逆に「内気でない人には起きない」とも言えません(10人では検出力が足りないためです) **自尊心の高低は、ズレの大きさを左右しませんでした**。ただしこれは「自己肯定感を高めることに意味がない」という主張ではありません。研究が測ったのは Rosenberg (1965) の自尊心尺度で、日本語の「自己肯定感」はより広い言葉です。この動画では研究の話を「自尊心」、視聴者側の言葉を「自己肯定感」と呼び分けています 測ったのは**推定のズレ**であって、好かれ度の絶対値ではありません。「実はみんなあなたを好き」という研究ではありません **日本語圏・東アジアでこの現象を検証した研究は、調べた範囲では見つかりませんでした**。サンプルは米国と英国のものです 個別の会話について「相手が本当は好意的だった」と判定できる研究ではありません。集団の平均の話です ■ この動画で扱わなかったこと 同じ論文の Study 4(イギリスで開かれた「見知らぬ人との話し方」ワークショップの参加者100人)は使いませんでした。この研究が測ったのは「好意」ではなく「**どれだけ興味深いと思ったか**」で、尺度も5点(他は7点)です。別の測定対象を同じ話として運ぶと不正確になるため外しました。なお結果は、会話**前**からズレがあり、会話**後**にむしろ拡大しています(差0.37 → 0.68) Study 5 で**最終時点(春)だけはズレが確認されなかった**件も本編では扱いませんでした。著者自身が理由を「よく知り合ったから」「翌年一緒に住むかを決める時期だったから」「その両方」の推測として3つ挙げているだけで、特定されていません。加えて調査フローのエラーで一部データが欠けています 「スマホが机の上にあるだけで認知能力が落ちる」という有名な研究(Ward et al. 2017)は、この動画の題材候補でしたが外しました。**事前登録された直接追試(Ruiz Pardo & Minda 2022)で再現せず**、メタ分析(Böttger et al. 2023、22研究)でも注意領域では効果が確認されていません 「自尊心を高める介入は効かない・逆効果になる」という研究群(Baumeister et al. 2003 / Forsyth et al. 2007 / Wood et al. 2009)も本編では扱いませんでした。Wood et al. の知見は2020年の追試で再現しておらず、Forsyth et al. は n=86 の単発研究です ※ 心の状態は個人差が大きく、実験結果は集団の傾向を示すものです。この動画は診断や治療の助言ではありません。 ※ つらい気持ちが続くときは、一人で抱えず専門の相談窓口へ。よりそいホットライン 0120-279-338(24時間) / こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 ■ クレジット 音声:AquesTalk(株式会社アクエスト) BGM:「静寂の星空」/ 甘茶の音楽工房(https://amachamusic.chagasi.com/) 効果音:「ロゴアニメーション1」「金属タイトル表示3」/ 効果音ラボ(https://soundeffect-lab.info/) 立ち絵:たぬき式ゆっくり(https://tanukiyukkuri.github.io/tanuk...) この動画は東方Projectの二次創作です。 #心理学 #自己肯定感 #ゆっくり解説