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古墳時代の前期は首長の半数は女性だった、しかしその後男性首長だけになった

日本及び東アジアの古代史を科学する

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古墳時代の前期は首長の半数は女性だった、しかしその後男性首長だけになった

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本報告書は、古墳の埋葬施設および副葬品の分析に基づき、古墳時代における首長位継承の構造的変化とジェンダー(性別役割分担)の動態を再現・整理したものである。清家章氏の研究論文「古墳時代の首長位継承――女性首長論を中心に」を根拠とし、双系的社会から父系的社会への変化の具相を提示する。 主要な論点は以下の4点に要約される。 前期における女性首長の普遍性:古墳時代前期(および弥生時代後期〜終末期)において、女性首長は「臨時」や「中継ぎ」ではなく、一般的な存在であった。近畿地方の前期前方後円墳における主要埋葬の分析では、推計3割から5割に女性首長が存在した可能性が示される。また、彼女らは妊娠痕(出産経験)を有し、継承権を持つ実質的子孫を産む権利を持っていた。 軍事権における性差:男性首長と女性首長は祭祀や生産等の面でほぼ同等の権能を有していたが、「軍事権」のみが決定的な性差であった。女性被葬者に伴う刀剣は棺外への配置(僻邪・呪的役割)に限られ、実戦的武器・武具を棺内に伴うことはない。 中期における首長の「男性化」と背景:古墳時代中期初頭を境に女性首長は激減し、主要埋葬における男性比率は90%を超えた。朝鮮半島をめぐる情勢やヤマト政権の軍事化に伴い、首長層に軍事的編成への対応が強く求められるようになったことが、女性の首長位離脱と首長位の男性化(不逆的な変化)をもたらした。 父系的系譜とキョウダイ原理埋葬の動態:摂津猪名川流域(桜塚古墳群など)の分析から、中期以降は血縁的に連続する男性間での首長位継承(父系的系譜)が定着したことが確認される。ただし、その継承は直系父子相伝にとどまらず、同世代の兄弟(キョウダイ)や従兄弟間での分掌・候補者分立を伴う、選択幅の広い不規則的・競合的な継承構造を含んでいた。