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あなたは、人生の主人公である

賢者の学校

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あなたは、人生の主人公である

33 просмотра · 13 дней назад
賢者の学校
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賢者の学校の今回の授業は、「自分の人生は物語にならない」という感覚と、17段階の「英雄の旅」の話です。 SNSを開けば、誰かの挑戦や逆転や成長が流れてきます。それなのに自分の毎日は、電車に乗って、帰って寝るだけ。自分は、誰かの物語の背景を横切る通行人にすぎないのではないか。けれどこれは、物語があふれるたびに、人類が何度も通ってきた道です。 物語が手に入りやすくなるたびに、人は自分の毎日を物語として読む目を失ってきました。浴びる物語が増えるほど、人生を予告編で測るようになるからです。千年前、『源氏物語』に夢中になった少女は、物語のようにはならなかった自分の人生を、晩年に回想録に書き残しました。菅原孝標女の『更級日記』です。四百年前のスペインでは、騎士道物語を読みふけった郷士が、自分の毎日を冒険が始まる前の退屈な時間だと思い込み、錆びた鎧で旅に出ました。セルバンテスの『ドン・キホーテ』です。 英雄の旅(ヒーローズ・ジャーニー)は、アメリカの神話学者ジョーゼフ・キャンベルが、1949年の『千の顔をもつ英雄』で、世界中の神話から取り出した物語の型です。英雄は日常の世界を出て、試練をくぐり、宝を持って帰ってくる。キャンベルはこの道のりを17の段階に分けました。のちに、ディズニーで脚本の分析をしていたクリストファー・ボグラーがこの本を7ページのメモにまとめ、メモはスタジオからスタジオへ回されて、ハリウッドの脚本の手引きになりました。 けれど、よく語られるのは旅立ちと戦いの場面ばかりです。17段階のうち後ろの6つは、まるごと「帰還」の章。最後の段の名前は「生きる自由(Freedom to Live)」です。 ホメロスの『オデュッセイア』で、女神カリュプソの島に七年引き留められたオデュッセウスは、不老不死にしてやるという申し出を断り、年をとっていく妻の待つ家へ帰ることを選びます。全24巻の後ろ半分は、故郷の島に帰り着いてからの話です。英雄とは、遠くへ行った人のことではなく、何かを持って帰ってきた人のことなのかもしれません。 旅に出ない日にも、帰り道だけは毎日あります。 旅は、往復で完成する。 ご視聴ありがとうございました。 では、また放課後に。 語り:灰田さん(元・予備校講師、いまは中学校の用務員)