“DVと気づけない”被害の実態 「逃げようと考える余裕もなかった…」 外からは見えないDVの恐怖 急性硬膜下血腫で運ばれるまで気づけなかった「支配」の正体
中京テレビNEWS
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“DVと気づけない”被害の実態 「逃げようと考える余裕もなかった…」 外からは見えないDVの恐怖 急性硬膜下血腫で運ばれるまで気づけなかった「支配」の正体
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「逃げようと考える余裕もなかった」。自分がDVを受けていることにも気づけない被害。女性が語る、その実態はあまりに壮絶なものでした。
Aさん:
「地獄でしたね。生きた心地がしていなかったですし、本当によくもったなって思います」
そう語るAさん。“地獄”だったと振り返るのは、元夫から受けたDVでした。
当時、妻だったAさんに暴行を加え、ろっ骨を骨折させたなどの罪で起訴されている牧亮被告(33)。職場で出会い、交際を開始した当初は牧被告は優しかったといいます。しかし、次第に手を上げたり、金品を要求したりするようになっていきました。
Aさん:
「1日1発とかじゃないんですよ。好きなだけあいつが気が済むまで殴られて蹴られて。髪の毛をひっつかまれて振り回されたこともありますし」
暴力に加え、「死ね」「お前といると金がかかる」といった暴言も日常茶飯事。さらには、「お前は物忘れが激しいから書いておけ」と命令されて、「常時電話つなぐ」「ご機嫌取るの優先」などと書いた紙を部屋に貼らされていました。
Aさん:
「私ってだめなんだ。私の考え方がおかしいんだ。あいつに合わせなきゃいけないんだって、本当にそういうふうに思っちゃう」
激しい暴力に耐えきれず、一度は逃げ出したというAさん。しかし、牧被告から電話で優しい言葉をかけられ、再び会いに行き、言われるがまま、婚姻届を提出してしまったといいます。
Aさん:
「優しいし、きっと変わったんだろうと思って。今考えたら、あのときに振り切っておけば、電話を無視しておけばって、後悔がいっぱいあるんですけど。結婚してからは暴力もどんどんひどくなっていったので、正直逃げようとか助けてとか、そんなの考える余裕もなかったです」
“逃げよう”と考えることすらできないほど追い詰められていたAさん。DVから抜け出すきっかけとなったのは、おととし9月。急性硬膜下血腫で入院し、病院が警察へ通報したことからDVが発覚。その後、牧被告が逮捕されました。
警察と話すうちに、初めて「自分はDVを受けていたのだ」と気づくことができたといいます。
傷害や不同意性交などAさんを含む3人の女性に対する7件の罪で起訴された牧被告。いずれの起訴内容についても否認しています。
これまでの裁判で、検察側は、Aさんへの行為について「継続的に暴行を繰り返し、精神的な支配下に置いたうえで、人格を踏みにじるもの」などと述べ、牧被告に対し、懲役14年を求刑しています。一方の弁護側は、「被害者は記憶が曖昧で信用性がない」などと無罪を主張。10月8日、判決が言い渡されます。
DVによる後遺症で今もリハビリを続けているAさん。普通の生活を送ることはできていません。
Aさん:
「絶対に許さないですし、これは無理なんですけど、一生出てくるなって言いたいし。(また)普通の生活をできると思っているなら、そんなことできないようにしてやろうかってぐらい恨みが強いです。やらないですけどね、あいつじゃないので私は」
外からは見えにくいDV被害。自分と同じようにDVに苦しんでいる人に伝えたいことは…。
Aさん:
「本当に一瞬の隙でもいいから、ヘルプを周りにしてほしいと思っていて。少しでも1人で過ごせる時間があるなら、そのときに通報してほしいです」
■警察相談ダイヤル#9110
愛知県警に入った「DV事案の相談・通報件数」のグラフ。ここ10年でみると、増加傾向にあります。
元埼玉県警捜査一課の佐々木成三さんによると、「増加傾向の背景には、社会においてDVに対する認識が広まっていて、周りからの通報も多くなった。そして、警察もDVを人身安全関連事案として相談内容をデータベース化して共有し、大きな事案を防ごうと事件化していることが大きい」といいます。
周りにできることとして、被害者の小さな違和感に気づくことが重要だといいます。大きな声が連日のように聞こえる、けがを隠しているような素振りをみせるなど、違和感を見つけた場合は、警察相談ダイヤル#9110に相談してほしいと呼びかけています。
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