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亀田製菓の最高益246億円、うち約206億円は現金が入ってこない利益でした【会社の儲け方図鑑】

会社の儲け方図鑑

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亀田製菓の最高益246億円、うち約206億円は現金が入ってこない利益でした【会社の儲け方図鑑】

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今月1日から、亀田の柿の種とハッピーターンが順次値上がりします。米菓42品、店頭での想定改定率は3パーセントから17パーセント程度です。 その亀田製菓の2026年3月期は、親会社株主に帰属する当期純利益が246億4,700万円。前の期の54億1,700万円から4.5倍になりました(倍率は計算値)。 ところが、この246億円を押し上げたのは205億9,800万円の「段階取得に係る差益」です。50パーセントだけ持っていたアメリカの会社を100パーセントにしたとき、昔から持っていた分も時価で評価し直すことで出た差額で、会社は「当該特別利益はキャッシュ・フローには影響いたしません」と書いています。つまり現金は動いていません。 ではお菓子で稼いだ分はどこを見るのか。営業利益75億2,800万円、36.9パーセント増です。この回は営業利益から親会社株主に帰属する当期純利益まで、「段」の順番どおりに下りました。 ■ チャプター 00:00 今月から順次値上げ。最高益246億円の正体 00:48 亀田製菓の輪郭(売上1,380億円・報告は3つ) 01:59 WORLD 1 いちばん大きくて、伸びていない(国内米菓) 03:32 WORLD 2 増えた348億円の、9割は海外 04:46 WORLD 3 205億9,800万円の正体(段階取得に係る差益) 06:01 WORLD 4 段を順番に下りる(非支配株主まで) 07:35 CAUTION 営業は増えて、最終は8割減の計画 09:08 WORLD 5 やめた事業と、米を作る側へ 10:30 POWER-UP 真似しにくいところ(+岩塚製菓の対比) 12:08 STORY 1946年、地図にない湖から 13:41 まとめ:3分の1を握り、借りて北米を買った会社 ■ この動画で確かめた数字(開示値。比率と倍率は開示値からの計算) ・連結(2026年3月期)=売上高1,380億5,200万円(33.7パーセント増)/営業利益75億2,800万円(36.9パーセント増)/経常利益75億100万円(8.5パーセント増)/特別利益211億9,700万円/特別損失14億9,800万円/税金等調整前当期純利益272億円/法人税等合計21億6,700万円/当期純利益250億3,200万円/非支配株主に帰属する当期純利益3億8,500万円/親会社株主に帰属する当期純利益246億4,700万円(354.9パーセント増)。  ※「税引前から法人税等を引けば最終利益」ではありません。当期純利益250億3,200万円から、さらに非支配株主の3億8,500万円を引いて246億4,700万円になります。  ※営業利益は36.9パーセント増なのに経常利益は8.5パーセント増。差の正体は、営業外にあった持分法による投資利益15億2,400万円が丸ごと消えたこと(100パーセント子会社にしたのでこの枠を使わない)、支払利息が1億3,600万円から3億8,800万円に増えたこと、シンジケートローン手数料2億3,000万円です。 ・法人税等合計の対税引前比率は8.0パーセント(計算値)。段階取得に係る差益は税務上の益金に入らないため、この期の実効税率は極端に低くなっています。 ・報告セグメントは3つです。国内米菓事業・海外事業・食品事業。「その他(貨物運送等)」は報告セグメントの外で、4つではありません。セグメント資産は非開示です。 ・外部顧客への売上高/セグメント利益=国内米菓 723億900万円(3.7パーセント増)/51億3,900万円(15.7パーセント増)、海外 494億7,700万円(187.0パーセント増)/17億9,200万円、食品 88億2,000万円(2.7パーセント減)/4億5,100万円(31.0パーセント減)、その他 74億4,500万円/9,500万円。  ※セグメント利益の合計74億7,900万円は連結営業利益75億2,800万円と一致しません。差の4,800万円が調整額で、内訳はセグメント間取引の消去だけです。なお「その他」の営業利益は注記では9,500万円、短信の補足情報の表では1億4,300万円と2通りあり、上は注記側です。 ・売上1円に残るセグメント利益(計算値)=国内米菓 7.1銭/海外 3.6銭/食品 5.1銭。 ・★増収の分解(計算値)=増収額347億9,000万円のうち海外事業が322億3,800万円で92.7パーセント。国内米菓は25億6,000万円で7.4パーセント、食品は2億4,800万円のマイナス寄与でした。 ・★その海外事業の増え方は「成長」ではありません。TH FOODS, INC. の売上高は、持分法だった2025年3月期が388億9,900万円、連結にした2026年3月期が392億3,000万円で0.9パーセント増とほぼ横ばい(計算値)。増収の正体はこの会社を連結に取り込んだことです。海外事業494億7,700万円のうちTH FOODSが392億3,000万円で79.3パーセント(計算値)。 ・TH FOODS, INC. の完全子会社化=直前は議決権50.0パーセントの持分法適用関連会社(支配なし)。今回支配を獲得したため、会計上は「非支配株主持分の追加取得」ではなく「取得による企業結合」です。だからのれんが発生し、段階取得に係る差益が特別利益に立ちます。取得原価631億400万円の内わけは、企業結合直前に保有していた株式の時価315億5,200万円と追加取得の対価315億5,200万円。取得資金は259億円の借入。取得完了は2025年6月26日、みなし取得日は2025年4月1日です。  ※非支配株主が増えたわけではありません。100パーセント取得なので非支配株主に帰属する当期純利益は4億6,400万円から3億8,500万円へ、むしろ減っています。 ・買収後に残った無形資産=のれん残高163億8,000万円/顧客関係資産190億2,100万円/商標資産112億7,700万円/無形固定資産合計483億1,800万円(前の期の50億3,900万円から9.6倍)。TH FOODS分のれんの償却期間は20年、この期のグループ全体のれん償却額は9億300万円。のれんは発生額・セグメント注記の増加額・期末残高の3つが別の数字です。 ・財務=自己資本比率は61.0パーセントから54.7パーセントへ。営業CF 118億9,700万円、フリー・キャッシュ・フローは141億2,700万円のマイナス。会社はリスクに「のれん発生による償却費用負担増加」「買収後の業績低迷による減損損失の発生の可能性」を書いています。 ・★2027年3月期の会社計画=売上高1,430億円(3.6パーセント増)/営業利益83億円(10.3パーセント増)/親会社株主に帰属する当期純利益43億円(82.6パーセント減)。第1四半期の実績は営業利益20億6,100万円(43.5パーセント増)、親会社株主に帰属する当期純利益13億7,500万円(93.7パーセント減)。営業の段は伸びていて、最終の段だけが大きく減ります。前の期だけに乗った差益が今期は出ないからです。 ・1株当たり四半期純利益(会計期間ベース)=第1四半期346円91銭/第4四半期はマイナス4円39銭。差益が第1四半期に乗っている構造が数字に出ています。 ・価格改定=会社のお知らせは3年で4本、改定した月でたどると5回です。2024年10月(17品・9から22パーセント程度)、2025年7月と9月(28品・4から23パーセント程度)、2026年6月(9品・4から10パーセント程度)、2026年10月(42品・3から17パーセント程度)。10月の対象には柿の種、ハッピーターン、技のこだ割り、堅ぶつ、うす焼、ベビー向けのハイハインも入っています。 ・内容量の変更も併用。2026年3月期に効いた分では技のこだ割りが120グラムから110グラムへ(無限エビ・無限のりの73グラムから58グラムは価格改定と同時、サラダホープの90グラムから75グラムは2026年6月=翌期の分)。この期の価格改定効果は連結で14億8,600万円、規格変更効果は1億6,700万円(開示値)。 ・原料について会社の表現は一貫して「原料米」です(第69期の有価証券報告書に「うるち米」「もち米」という語はありません)。食品事業の31.0パーセント減益の理由は「尾西食品が想定を超える原料米高騰の影響を受けた」。2025年2月には調達リスクに備えて地域の農家と合同会社ナイスライスファームを設立し、アグリ事業に参入しました。 ・インド=2026年9月16日に「持分法適用関連会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」を開示。2017年3月設立の合弁会社の議決権49.0パーセント分すべてを現地企業へ譲渡します。譲渡価額は「連結純資産額の15パーセントを下回る金額であることや、当事者間の守秘義務契約に基づき」非開示のため、この動画でも金額は扱っていません。譲渡実行は2026年10月下旬の予定で影響は「軽微」。その会社は3期連続の営業赤字で、2026年3月期末には債務超過でした。同じ時期にアメリカで保有していた別のクラッカー会社の全株式も2025年4月30日(米国東部時間)に譲渡しており、北米を1社に集めた期でした。 ・国内米菓市場でのシェアは会社開示で33.0パーセント(2025年3月31日現在。インテージ『SRI+』全国小売店パネル調査より算出、算出範囲は当社および国内連結子会社)。重点6ブランドの比率は2021年度58パーセントから2024年度65パーセントへ、会社資料の平均販売単価は2021年度150円から2024年度175円です。 ・★「柿の種」は亀田製菓の発明ではありません。1925年に新潟県長岡市の浪花屋製菓が商品化したもので、商標は登録が更新されず普通名称化しているため、亀田製菓は「柿の種」の登録商標を持っていません。亀田製菓がやったのは1966年にピーナッツを入れたことです(今年で60年。ハッピーターンは1976年で50年)。創業は1946年の亀田郷農民組合委託加工所で、株式会社の設立は1957年です。 ■ 出典 亀田製菓株式会社『2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)』(2026年5月13日)/『有価証券報告書 第69期』(2026年6月19日)/『2026年3月期 決算説明会資料』『Fact Book』/『2027年3月期 第1四半期決算短信』(2026年7月31日)/各適時開示/会社ニュースリリース『米菓商品の価格改定に関するお知らせ』各回/『統合報告書2025』/岩塚製菓株式会社『有価証券報告書 第73期』/全日本菓子協会/経済産業省 経済構造実態調査/日本経済新聞(2026年10月1日)。 ■ 免責 ・この動画は公開情報にもとづく企業と構造の解説です。特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、投資判断は自己責任でお願いします。数値は断りのないかぎり2026年3月期(連結)の開示値で、比率・倍率・寄与率は開示値からの計算です。 ・一次情報で確認できなかったことは断定していません。インドの株式譲渡の譲渡価額、岩塚製菓の旺旺に対する持株比率、TH FOODS, INC. 以外の海外子会社ごとの売上規模は、いずれも開示がないため扱っていません。 ・ナレーションはAI音声合成です。台本・一次情報の確認・編集は人力で行っています。誤りのご指摘はコメントで歓迎します。 BGM:魔王魂 #亀田製菓 #柿の種 #ハッピーターン #米菓 #せんべい #新潟 #決算 #決算解説 #値上げ #ビジネスモデル #会社の儲け方図鑑 #投資 #企業分析