なぜ日本の家は冬あんなに寒いのか|断熱の義務は2025年から【ずんだもん&ゆっくり解説】
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なぜ日本の家は冬あんなに寒いのか|断熱の義務は2025年から【ずんだもん&ゆっくり解説】
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冬の家の中を測ると、居間がいちばん暖かいのは北海道でした。国の「スマートウェルネス住宅等推進調査」(2014〜2019年の冬・断熱の工事を予定している全国2,190軒)で、家にいるあいだの居間の平均は北海道19.8℃が最も高く、香川13.1℃が最も低い結果です。世界保健機関(WHO)が冬の室温として強く勧める18℃を、居間の平均で超えたのは43都道府県のうち4つ(北海道・新潟・千葉・神奈川)だけでした。
東京の1月の平均気温は5.4℃で、ロンドン(5.7℃)やパリ(4.6℃)とほとんど変わりません(気象庁 平年値 1991〜2020年)。同じ北緯35度あたりの地中海の国マルタ(12.9℃)より7℃以上寒く、夏は地中海並みに暑い街です。日本の家は「いる部屋だけ、いる時だけ暖める」暖め方が主流で、1世帯が暖房に使うエネルギーはドイツの5分の1未満です。
家の断熱に国の決まり(省エネ基準)ができたのは1980年。ただし守らなくても家は建てられました。2020年に予定されていた義務化は、2019年の審議会の答申で「基準を満たす新築が6割ほど」「断熱の計算ができる作り手は半分ほど」「小規模住宅が84%で審査が追いつかない」「追加費用を光熱費で取り戻すまで22〜44年」などの理由で見送られ、2025年4月にようやく全ての新築で義務になりました。その水準(断熱等級4)は1999年の基準と同等です。国の推計(2022年度)では、いま建っている家の約4軒に1軒は断熱材がほぼ入っておらず、今の基準を満たす家は約18%です。
冬に家から逃げる熱の約4割は窓から(日本建材・住宅設備産業協会 2025年12月)。新しい一戸建ての樹脂(プラスチック)の窓枠は、北海道99%・関東11.8%(日本サッシ協会 2021年版)。北海道は1953年の北海道防寒住宅建設等促進法から寒さに合わせた家づくりを進め、1970年代の灯油の値上がりをきっかけに、家じゅうを暖める断熱住宅が広がりました。冬に亡くなる人の増え方(12〜3月を4〜11月と比べた増加・2014年)も、北海道は10%で全国で最も小さいと分析されています(相関であり、断熱だけが原因とは言えません)。
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/ @zundamon_chiri
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▼目次
0:00 日本の家の寒さ
1:09 日本の冬は 暖かいのか
2:50 部屋でなく 人を温める
4:18 足りなかったのは 数
5:21 守らなくても 建てられた
8:05 熱の出口は 窓
9:51 寒い家と 体
11:47 北海道は なぜ暖かいのか
※時間は目安です。
▼主な出典
・Umishio W, Ikaga T, et al.「Disparities of indoor temperature in winter: A cross-sectional analysis of the Nationwide Smart Wellness Housing Survey in Japan」Indoor Air (2020)
・国土交通省 スマートウェルネス住宅等推進調査 第3回中間報告(2019-01-24)/伊香賀俊治「住宅の温熱環境と健康の関連」社会資本整備審議会 住宅宅地分科会 資料(2019-12)
・WHO Housing and health guidelines(2018)
・気象庁 平年値(1991〜2020年)/気象庁 世界の天候データツール ClimatView(ロンドン・パリ・マルタ)
・資源エネルギー庁「エネルギー動向」(2023年度の家庭の用途別エネルギー)/Eurostat「Energy consumption in households」(2024年)
・国土交通省 社会資本整備審議会 参考資料(住環境計画研究所作成の世帯あたりエネルギー消費の国際比較)
・社会資本整備審議会「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について(第二次答申)」(2019年1月)
・国土交通省「省エネルギー基準改正の概要」/同 資料6「我が国の住宅ストックをめぐる状況について」(2019年12月)/同 住宅局「最近の省エネ施策について」(2024年10月・既存住宅の断熱性能の推計)
・国土交通省「我が国の住生活をめぐる状況」(2015年・滅失住宅の平均築後年数の国際比較)
・国立国会図書館『レファレンス』2006年1月号(八木寿明「転換期にある住宅政策」)
・日本建材・住宅設備産業協会「住宅各部位における熱の出入り割合」(2025年12月)
・経済産業省 総合資源エネルギー調査会 建築材料等判断基準WG「サッシ及びガラスに関するとりまとめ」(2014年)/日本サッシ協会「住宅用建材使用状況調査」(2021年版・2025年3月版)
・国土交通省告示第266号(窓の熱貫流率の基準)/ドイツ 建物エネルギー法(GEG)別表1/経済産業省委託調査報告書(2023年2月・オランダ建築令)
・北海道防寒住宅建設等促進法(1953年)/道総研 北方建築総合研究所
・Fowler T, et al.「Excess Winter Deaths in Europe」European Journal of Public Health (2015)
・厚生労働省 人口動態統計(2024年・消費者庁の集計)
・宇野勇治「伝統民家における環境調整手法と現代への応用の可能性」日本生気象学会雑誌(2003)
・吉田兼好『徒然草』第55段
・大阪府 令和2年国勢調査 人口等基本集計結果(一般世帯数)
・Natural Earth 10m(地図・Public domain)
▼クレジット
音声:VOICEVOX:ずんだもん/VOICEVOX:春日部つむぎ/VOICEVOX:玄野武宏
BGM:DOVA-SYNDROME(https://dova-s.jp)
地図:NASA EOSDIS GIBS(Blue Marble)/Natural Earth 10m(Public domain)
映像:Pexels(Simo Herold「snowy torii gate in Tokyo」・Bobby Brown「traditional gassho-zukuri house in Shirakawa-go」)
▼画像クレジット(CC BY / CC BY-SA は表示義務)
2014年2月の雪の横浜市旭区・© Thirteen-fri / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)
福岡市博多区 旧三浦邸の障子と縁側・© LLAAYY / Wikimedia Commons (CC BY 4.0)
川崎市立日本民家園 鈴木家の室内・© Hu Totya / Wikimedia Commons (CC BY-SA 3.0)
縁側のある部屋のこたつ・© keiichiro shikano / Wikimedia Commons (CC BY 2.0)
1945年3月10日の空襲後の東京・米軍撮影 / Wikimedia Commons (Public domain)
窓の結露・Doggo19292 / Wikimedia Commons (Public domain)
断熱層の入った窓枠の断面・© Shixart1985 / Wikimedia Commons (CC BY 2.0)
三重ガラスの窓の断面・© High Contrast / Wikimedia Commons (CC BY 3.0 de)
北海道由仁町の雪の家・© Sgroey / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)