日本はなぜ旅客機のジェットエンジンを自分で作らないのか|IHIが選んだ「23%」の道
世界を動かす日本の技術ラボ
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日本はなぜ旅客機のジェットエンジンを自分で作らないのか|IHIが選んだ「23%」の道
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日本は戦闘機のジェットエンジンを自分で作りました。それなのに、旅客機のエンジンは自分の名前で売っていません。
アメリカに止められているからなのか、技術が足りないからなのか。7年の空白、試験場の外にある壁、お金と止まった時の責任の3つから見ていきます。
2025年に世界で648機の旅客機を止めたエンジンの問題と、そのエンジンの23%を受け持つ日本の会社の話も取り上げます。
▼チャプター
0:00 冒頭:飛べずに止まった648機
1:30 648機の行列と金属の粉
3:19 理由1 飛行機が消えた7年
4:22 7年遅れで追いかけた日本
5:04 1977年、イギリスの試験場
6:16 自分で売らず、組む道へ
7:25 理由2 お墨付きと実績の壁
8:59 理由3 お金と、止まった時の責任
10:27 売った後で稼ぐ、埼玉の修理工場
11:12 戦闘機のエンジンは、なぜ作れたのか
12:08 まだ設計を任されていない場所
13:22 23%は回り道ではなかった
14:34 作れないのではなく、売る壁が外にあった
▼動画で言えなかった注意書き
・648機は、P&W社のGTF(PW1000Gシリーズ)を積んだ機体のうち、エンジンの整備・予備のエンジン・部品を待って地上に止まっていた機数の最多時(2025年3月・IATA)。A320neoのほか、A220やエンブラエルE2も含まれます。
・不具合は、高圧タービンと高圧圧縮機の円盤に使う粉末金属の問題で、日本の会社の部品ではありません(RTX 2023-09-11・IHIの開示)。
・IHIの1,541億円は、2023年度に一括で計上した、補償費用や追加整備費用などのうちIHIの参画シェア(約15%)相当の額です。全体の負担は60億〜70億ドルと見積もられています(RTX 2023-09-11)。
・648機には、粉末冶金の検査以外の理由(耐久性の問題・予備エンジンや部品の不足)で止まっていた機体も含まれます。IHIの1,541億円は、粉末冶金の追加検査で平均350機の地上停止を見込んで計上したものです。
・23%は、PW1100G-JM(A320neo用)とV2500で、日本航空機エンジン協会(JAEC)を通じた日本側の受け持ちの割合です。IHI・川崎重工・三菱重工航空エンジンが参加しています。
・約6%は、世界の航空エンジンメーカーの売上に占める日本の3社の合計の割合です(文部科学省の資料)。
・開発費の数字は、GE90(1990年の見積)とV2500(1980〜1995年度の日本の担当分)の例です。
・型式証明は国ごとの航空当局が出します(日本は国土交通省航空局)。エンジンについては「型式承認」とも呼びます。
・ビジネスジェット「ホンダジェット」のエンジンHF120は、ホンダとGEの合弁会社(GE Honda Aero Engines)が型式証明を取得しています。動画の「日本の会社が自分だけの名前で売ったことがない」は、旅客機用のジェットエンジンについての説明です。
・鶴ヶ島工場の修理棟(約130億円)は2026年内の稼働予定です(IHI 2025-01-27。2026年10月3日時点)。
▼出典(企業・公的機関・学会の公式資料)
・日本航空機エンジン協会 PW1100G-JM 型式承認 http://www.jaec.or.jp/pw1100gjmtc.html
・IHI プレスリリース(2018-06-29 XF9-1/2025-01-27 鶴ヶ島工場の修理棟/2025-04-07 FJR710/2025-09-10 GCAP) https://www.ihi.co.jp/all_news/
・IHI 決算説明資料(2023年度第2四半期)・IHI Report 207・IHI技報「PW1100G-JMエンジンプログラムの概要」 https://www.ihi.co.jp/ir/
・SCAPIN-301(名古屋大学 SCAPIN-DB) https://jahis.law.nagoya-u.ac.jp/scap...
・日本航空宇宙学会 航空宇宙技術遺産「FJR710」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/...
・石澤和彦「国産エンジン開発を振り返って」日本航空宇宙学会誌 https://www.jstage.jst.go.jp/article/...
・日本機械学会誌 第97巻 第903号 https://www.jstage.jst.go.jp/article/...
・JAXA航空技術部門(2025-06-05) https://www.aero.jaxa.jp/about/exhibi...
・JAXA 資料61-4-3(2019-06) https://www.jaxa.jp/press/2019/06/fil...
・山崎文徳(立命館大学)「民間航空機エンジンメーカーにおける国際分業の構造」ほか https://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/ssr...
・文部科学省「コアエンジン技術の研究開発」事後評価補足資料(2024-12) https://www.mext.go.jp/content/202412...
・三菱重工 お知らせ(2023-02-07) https://www.mhi.com/jp/notice/notice_...
・IATA プレスリリース(2026-06-24)
▼出典(報道・調査)
・FlightGlobal「Are airlines entering the final stretch of GTF groundings pain?」2026-08-18
・Aviation Week「Pratt Cautiously Optimistic On GTF MRO Outlook」2025-10-22
・IBA「Engine MRO: Rising Demand, Limited Capacity」2026-07-17
・Aviation Wire「三菱重工、スペースジェット開発中止を正式発表」2023-02-07
・日本経済新聞(2025-12-17)
▼写真(Wikimedia Commons)
・FJR710(断面の模型):Kestrel/CC BY-SA 4.0
・FJR710(展示):Hunini/CC BY-SA 4.0
・T-1B練習機:Motokoka/CC BY-SA 4.0
・ホンダジェット:MarcelX42/CC BY-SA 4.0
・大型ビジネスジェット:Matti Blume/CC BY-SA 4.0
・ファンの羽根(かかみがはら航空宇宙博物館):tataquax/CC BY-SA 2.0
・ボーイング367-80:Eric Salard/CC BY-SA 2.0
・J3エンジン・オルフューズ・実験機「飛鳥」:先従隗始/CC0
・1945年の東京:米陸軍通信隊/パブリックドメイン
・エンジンの整備・試験の写真:米空軍・米海軍・米国防総省/パブリックドメイン
※図解と写真風の画像の一部は生成AIで作ったイメージです(画面右上に「イメージ(AI生成)」と表示)。冒頭の駐機場の空撮もAIで作ったイメージです。一部の映像はストック素材(Pexels・Pixabay)です。米軍の写真は整備の様子を示すイメージで、本編で話している旅客機のエンジンそのものではありません。BGM:OpenTracks
#ジェットエンジン #IHI #旅客機