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血を流さず、藩政を奪還――八月五日、御新政崩壊『ながい坂』第十九部|山本周五郎【睡眠用・作業用朗読】 七味春五郎 ‪@otobon-sub‬ ‪@sitiharu-tv‬

七味春五郎の音本 〜人情朗読 山本周五郎 他

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血を流さず、藩政を奪還――八月五日、御新政崩壊『ながい坂』第十九部|山本周五郎【睡眠用・作業用朗読】 七味春五郎 ‪@otobon-sub‬ ‪@sitiharu-tv‬

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七味春五郎の音本 〜人情朗読 山本周五郎 他
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□あらすじ 山本周五郎、最後の長編小説『ながい坂』第十九部。 八月五日。 江戸では、飛騨守昌治が青山大膳亮の屋敷を訪ねていた。長く病弱を装い、下屋敷に押し込められていた藩主が、ついに自ら動く。 青山家の家老・朝比奈十兵衛と十人の供を伴い、昌治は上屋敷へ帰還。六条図書ら御新政一派の前に、本物の藩主として姿を現す。 同じ時刻、国許では三浦主水正の計画が始まっていた。 城中では小林美樹太が上使として上意を読み上げ、主水正は波岡五郎太夫、安西左京ら重職を押さえる。岩上六郎兵衛は郡奉行・町奉行へ、佐佐義兵衛と津田大五は大目付役所へ向かう。河内千之助は卍屋・福屋の帳簿と身柄を確保する。 そして曲町の三浦邸では、つるが白装束に襷を掛け、長巻を脇に置いて襲撃に備えていた。 主水正が何度も命じたことはただ一つ。 一滴の血も流してはならない。 その言葉どおり、八月五日の改廃は抵抗も流血もなく終わった。 だが、主水正に安堵は訪れない。 長年張りつめていた気力が切れ、再び激しい苦悶の発作に襲われる。そして彼は問い始める。 御新政は悪政だった。 だが、自分たちのしたことだけが本当に「善」だったのか。 改廃を成し遂げても、仕事は終わらない。 卍屋・福屋の不正、銭札、上方へ流出した藩の富、年貢や運上、家中のお借上げ金――藩政を本当に立て直すには、さらに困難な「仕上げ」が待っていた。 病床の滝沢主殿は、主水正に涙を流して告げる。 かつて自分は、おまえを信じていなかった。 だが、それは間違いだった――。 さらに主水正の前には、実弟・小四郎、師・谷宗岳、滝沢兵部、五人衆、そして自分自身の疲労という、新たな問題が現れる。 そして飛騨守昌治は、ついに主水正へ重大な言葉を告げる。 「三浦主水正が城代家老にすわることだ」 平侍だった少年は、二十年以上の長い坂を登り、ついに藩政の頂点へ指名される。 だが主水正は、すぐには答えない。 『ながい坂』第十九部。 政変の成功は、終着点ではなかった。 それは、さらに重い坂の始まりだった。 📚登場人物一覧 三浦主水正/阿部小三郎 本作の中心人物。第十八部では、さらに改廃に向かって進むが、一筋縄には行かない。 波岡五郎太夫 御新政側の家老。阿波重で、材木盗伐疑獄が使えなくなったため、堰堤工事汚職へ筋書きを組み替える。主水正への警戒はあるが、若侍の反乱や家中の不満を軽く見ている。傲慢で、酒席でも高圧的。 安西左京 御新政側の重臣。阿波重で波岡とともに謀議に加わる。国目付の警告や主水正の反応から、慎重な姿勢を見せる。主水正が御新政の表裏を詳しく調査していると感じ、警戒している。 又野束兵衛 郡奉行。阿波重の密談に同席する御新政側の一人。御新政体制の実務官僚層を構成する人物。 吉川三太夫 町奉行。阿波重の密談に同席する。女中おつゆの無礼に怒鳴るなど、形式や威儀にこだわる人物として描かれる。 村井唯右衛門 大目付。阿波重の密談に同席する。御新政側の監察役的立場。 卍屋仁左衛門 御新政側の御用商人。阿波重で堰堤工事汚職の資料を預かる。主水正の家中人気を見抜き、安易に手を出す危険を説く。福屋とともに、主水正を御新政側へ引き入れようとし、金五十枚を渡す。 福屋金右衛門 卍屋とともに動く商人。御新政側の経済実務を担う。主水正を平野屋へ招待し、金子を渡す策を説明する。商人らしく慎重で、主水正を一度で判断せず、二度三度と確かめるべきだと考える。 水木満寿弥 鳥越の踊り師匠。阿波重の座敷に出ており、御新政側の密談を聞く。皮肉と機転を利かせながら座を観察し、後に主水正へ情報を届ける役割を持つ。 満寿次/ななえ かつて主水正と新畠で暮らした女性。現在は満寿次として阿波重の座敷に出ている。密談の場におり、御新政側の動向を知る立場にある。 おつゆ 阿波重の年増女中。密談ばかりの陰気な座敷にうんざりし、波岡たちの前で軽口を叩く。場面に皮肉な風通しを与える人物。 信田十兵衛 元材木奉行。御新政側が材木盗伐疑獄に利用しようとしていたが、前年暮れに病死していた。そのため、波岡たちは筋書きを堰堤工事汚職へ切り替える。 米村青淵 仁山村の豪農で、主水正の大恩人。五月七日に病死する。堰堤工事や主水正の活動を精神的・物質的に支えた人物であり、その死は主水正に大きな影響を与える。 清左衛門 米村青淵の家の人物。弔問に来た主水正たちを迎え、青淵の死因や晩年の様子を語る。波岡側近の目を警戒し、主水正とは距離を取って振る舞う。 津田大五 主水正の盟友。江戸から戻り、国目付三人が本物ではなく昌治側の仕立てた贋者だったと告げる。味方側と敵方の人名を記した「天」「地」の帳面を主水正に渡す。妻お咲を使った情報収集も進めている。新畠では農作にも力を入れている。 お咲 津田大五の妻。裏店育ちの芯の強い女性。畑のなり物を背負って歩くことで、各所に入り込み情報収集に役立つ。大五は彼女を高く評価している。 山根つる/三浦つる 主水正の妻。第十七部では、主水正との夫婦関係がさらに深まっている。夜、庭へ出た主水正を心配して提灯と蛇の目傘を持って探しに来る。主水正の心の奥へ入りたいと願うが、主水正は男女それぞれに入れない領域があると語る。 杉本大作 三浦家の家士。津田大五が漬菜を背負って厨口に現れた際、対応する。主水正の側近として家中の実務を支える。 岩上六郎兵衛 昌治側の人物。第十七部では、主水正がこれからまず会うべき人物として意識する。尚功館に入ったことも含め、今後の改廃に関わる重要人物。 河内千之助 若侍の一人。前回、斬奸を企てて主水正のもとへ来た。主水正は、今後の説得や調整において、まず会うべき人物として彼を考える。歯切れのよさと意気込みが印象に残っている。 立原次郎兵衛 斬奸を企てる若侍の一人。祖父の意志を継ごうとしていると主水正は見る。改廃前に暴発しないよう、注意すべき人物。 大造 山の森番。主水正が計画整理のため山へ入ると、森番小屋で迎える。杉や檜の種子を盗みに来た男を縛って懲らしめている。山の掟と自然の秩序を体現する人物。兵部友矩がかつて山へ来たことを主水正に語る。 種子採りの男 杉や檜の良い種子を無断で採りに来た渡り者。大造に石打ちで捕らえられ、三日間縛られていた。山の掟を破った者として描かれる。 弥六 森番小屋の中年の森番。大造の指示で、縛られていた種子採りの男の縄を解く。 平作 故人。かつての森番小屋頭。主水正は、飛騨守昌治とともに平作に会った記憶を持つ。大造ら森番たちに親のように慕われていた人物。 滝沢兵部友矩 第十五部の中心人物。第十七部では直接登場しないが、大造の回想に出る。かつて山へ来たとき、ひどく苦しんでおり、大造は「自分で自分を痛めつけている」と感じた。主水正はその話に強く反応する。 飛騨守昌治 本物の藩主。直接登場はしないが、贋国目付を仕立てて六条一味を揺さぶった人物として語られる。主水正は、その手が逆に一味を刺激したと見て、改廃時期を九月へ繰り上げる。 📚用語集 阿波重 鳥越の料理茶屋。御新政側の密談の舞台。波岡・安西・卍屋・福屋らが集まり、堰堤工事汚職の筋書きを練る。 御新政 六条一味が掲げた藩政改革。第十七部では、その改廃が目前に迫る。 改廃 御新政を改め、廃すること。主水正たちが進める中心目標。 材木盗伐 材木を不正に伐り出したという疑獄。信田十兵衛の死により、御新政側はこの筋書きを使いにくくなる。 堰堤工事汚職 御新政側が新たに作ろうとする疑獄。堰堤工事の資材・資金をめぐる不正として、主水正を追い込む計画。 袱紗包み 布で包んだ書類や金品。安西が堰堤工事の記録らしき包みを卍屋に渡す。 勘定方監査 藩の会計や支出を監査する役所。堰堤工事の記録が残っているとされる。 幼年試合 五月五日に行われる少年たちの試合。以前は主水正も関わっていたが、今回は招かれない。 仮名代 本人に代わって弔問や儀礼を務める代理役。主水正は藩の仮名代として米村家へ向かう。 仁山村 米村青淵の村。主水正が弔問に訪れる。 酒毒 長年の飲酒によって身体を害すること。青淵は酒毒で肝臓をやられたと語られる。 庭子 米村家に仕える農民・使用人層。御新政の重税で半数に減ったとされる。 因果関係 過去の騒動が現在の御新政を招いた、という見方。主水正はそれを観念的な付会と考え直す。 贋の国目付 昌治側が仕立てた偽の幕府国目付。川島、吉岡、内藤の三人。御新政側を揺さぶるための策だった。 国目付 本来は幕府から派遣され、藩政や領内状態を調査する役。作中では偽装される。 小普請 幕臣のうち、役職に就かず扶持を受ける立場。贋国目付の三人は貧乏な小普請の二、三男とされる。 小林美樹太 江戸屋敷側の人物。贋国目付の三人と飲み友達だった。 九月決行 主水正が御新政改廃の決行時期として定める時期。当初の来年二月から大幅に繰り上げられる。 天と地の帳面 津田大五が作った人名帳。「天」は主水正側、「地」は波岡一味側の名簿。 斬奸 悪人を斬って正義を行うという考え。主水正はこれを危険な暴発として否定する。 賜暇 藩から許された休暇。主水正は七日間の賜暇を届けて山へ入る。 森番小屋 山林を管理する森番たちの小屋。主水正が計画を練るために赴く。 西の出小屋 大造のいる森番小屋。以前、兵部もここへ連れて来られた。 種子採り 杉や檜の種を採る者。許可を得て行う場合もあるが、無断で採れば山の掟に反する。 石打ち 大造の技。石を投げて相手を仕留めたり動きを止めたりする。種子採りの男を捕えるのに使う。 山の掟 山には山の秩序があるという大造の考え。自然物は誰のものでもないが、無断で採り荒らすことは許されない。 種子倉 谷の斜面に掘られた、種子を保存する場所。大造は主水正の隠れ場所に使えると提案する。 隠密 人に知られないよう密かに行動すること。主水正は、最重要部分以外はむしろ隠さない方がよいと判断する。 #朗読 #山本周五郎 #ながい坂 #時代小説 #睡眠用 #作業用 #泣ける話 #朗読まとめ #字幕付き #全文テロップ #字幕朗読 #オーディオブック