Solitude (1941年版) - 1941 May 14 - Duke Ellington
Masaichi Higuchi
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Solitude (1941年版) - 1941 May 14 - Duke Ellington
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Masaichi Higuchi
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78 rpm Collections No.377
Solitude (1941年版)
DUKE ELLINGTON — PIANO SOLO
RCA Victor recording session - New York, New York, U.S.A.
May 14, 1941
Matrix No. : 065605-1 Solitude
Photo : HMV B-9285Original : Victor 27564
“SOLITUDE” とは
Solitude = 孤独、独りでいること、独居、静かな孤立です。ただし英語では “loneliness” と完全に同じではありません。loneliness は「寂しくてつらい孤独」という心理状態を強く示しますが、solitude は「ひとりでいる状態」そのものを指し、静けさ、内省、孤高といった意味も含みます。この作品の場合、後に付けられた歌詞によって「愛する人を失った孤独」という意味が強くなりました。Ellington のタイトルとしては非常に巧みで、単なる悲哀ではなく、静けさ+孤独+回想+都会的な憂鬱が一語に凝縮されています。
この曲のストーリー
“Solitude” は1934年の Ellington の代表的バラードです。
その後 September 12, 1934 に今回の B-15910-A が録音されました。曲には後に Eddie DeLange と Irving Mills による歌詞が加わり、失われた恋人を思いながら一人で過ごす人物の心情を描くスタンダードになりました。Ellington にとっても非常に成功した作品で、当時レコード、楽譜ともに大きな成功を収めた作品だったとされています。7年後、Ellington はこの曲を大編成で再演するのではなく、自分一人のピアノで録音しました。1934年には「Ellington Orchestra の色彩」を聴かせた作品が、1941年には「作曲者自身による内省的な独白」に変わっています。
演奏の背景 - 1934年版と1941年版
1934年版は、Ellington Orchestra が独自のサウンドを確立した時期の作品です。
華やかな Cotton Club 時代を経て、Ellington は単なるダンス・バンドのリーダーから、オーケストラそのものを作曲装置として扱う作曲家へと移行していました。
そのため “Solitude” は一見単純なポピュラー・バラードでありながら、実際には管楽器の配置、背景和音、メロディの受け渡し、音色の対照が重要です。
1941年版はまったく違います。1941年5月14日の RCA Victor Studio 2 セッションで、
Ellington はオーケストラを使わず、Duke Ellington (p) だけで 録音しました。
これは Ellington のピアニストとしての能力を理解するうえで非常に価値の高い録音です。
最大の聴きどころ
1934 B-15910-A
最大の魅力は音色の構築です。Ellington は “Solitude” の美しい旋律を単に一人のソリストに長く吹かせるのではなく、オーケストラ全体を一つの巨大な楽器のように扱います。リズム・セクションも前面に出ません。Wellman Braud と Sonny Greer は曲を「スウィングさせる」というより、旋律が漂うための時間軸を作っています。
そのため聴き手には、音が前へ進んでいるのに時間が止まっているような感覚があります。これが “Solitude” という題名と非常によく一致します。
1941 065605-1
こちらはむしろ和声を聴いてください。Ellington は単純に1934年のアレンジをピアノに置き換えていません。研究者 Bill Dobbins の分析でも、この1941年録音では Ellington が原曲を reharmonization(再和声付け) によって刷新していることが指摘されています。6小節のイントロ、半音進行、代理和音、circle of fourths、altered harmony など、後のモダン・ジャズを思わせる非常に洗練された処理が見られます。
ここは重要です。「Ellington はオーケストレーターとして偉大だっただけでなく、ピアニストとして非常に高度な和声感覚を持っていた」ことが、この3分半弱の演奏からよく分かります。
2枚を比較すると
1934年盤は、「オーケストラで描く孤独」です。
1941年盤は、「一人の人間が語る孤独」です。しかも7年間の Ellington の作曲・和声上の成長が加わっています。
主な参考資料
Brian Rust, Jazz and Ragtime Records (1897–1942), 6th Edition
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