「見逃されやすい発達障害(ADHD/ASD)の症状3つ」を精神科医が解説します。
こころ診療所チャンネル【精神科医が心療内科・精神科を解説】
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「見逃されやすい発達障害(ADHD/ASD)の症状3つ」を精神科医が解説します。
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「見逃されやすい発達障害(ASD/ADHD)の症状3つ」を精神科医が徹底解説。
#精神科 #発達障害 #症状
0:05 (1)はじめに
0:25 (2)発達障害とよく知られる症状
4:03 (3) 見逃されやすい発達障害の症状3つ
4:12 ①感覚過敏
6:27 ②疲れやすさ
9:40 ③落ち込み
12:09 (4)発達障害の発見から診断まで
14:07 (5)まとめ
発達障害(ADHD/ASD)は、近年認知度が大きく高まった結果、不注意(ミス)やこだわりなどの典型的な症状は多くの人が知るところとなりました。一方まだあまり知られていない症状もあります。
「見逃されやすい発達障害(ASD/ADHD)の症状3つ」について、精神科医が15分で回答しています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
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(1)はじめに
発達障害といえば、ミスの多さやこだわりの強さがよく知られています。しかし実際にはそれ以外にも様々な症状があり、周囲から気づかれにくいものも少なくありません。見逃されやすい症状には、見逃されやすいしんどさが伴います。今回はその代表を3つ取り上げていきます。
(2)発達障害とよく知られる症状
発達障害は、生まれながらの脳機能の偏りによるものとされています。ASDのこだわりやADHDの不注意といった特有の症状が長く続き、障害というレベルになると生活の様々な場面で大きな影響が出てきます。
代表的なものは、不注意・多動・衝動性を特徴とするADHDと、こだわりや人間関係の難しさを特徴とするASDです。ADHDは不注意によるミスで知られ、近年は認知度が上がって大人や女性で診断を受ける方が増えてきました。ASDも徐々に知られるようになっていますが、人間関係の苦手さから偏見を持たれたり誤解されたりすることも多いのが現状です。
認知度が上がるにつれ、特有の症状も知られるようになりました。ADHDでは、ケアレスミスや忘れ物の多さが代表的です。片付けが苦手なことも、不注意や空間認識の苦手さを背景によく知られています。また、衝動性から、その場の思いつきで行動してしまうこともあります。
ASDでは、場の雰囲気に合わないことを言って問題になる、一つのことに強くこだわり変化が苦手といった点が挙げられ、表情や声のトーンの不自然さを指摘されることもあります。
(3)見逃されやすい発達障害の症状3つ
①感覚過敏
1つ目は感覚過敏です。音などへの敏感さが本人には強く目立つ一方で、周りからは理解されにくい症状です。
音に過敏になる聴覚過敏、光のまぶしさで疲弊する光過敏、肌の感覚が過敏で服が着られない触覚過敏などがあります。背景にはまだ不明な点が多いのですが、特にASDでは多くの刺激から必要なものを選び分けることが苦手で、刺激にすぐ気を取られてしまう傾向が関係しているとも言われます。
同じ場面でも刺激を大きく感じるため疲れやすく、イライラしたり集中が難しくなったりします。音が苦手であれば音のありそうな場面を避けるようになり、活動範囲が狭まることもあります。
感覚過敏はまだ認知度が低く、普通の音を強く嫌がると「大げさだ」と誤解されることもあります。過敏さそのもののしんどさに、理解されないしんどさが重なるのです。
②疲れやすさ
2つ目は疲れやすさです。すぐに疲れて仕事を最後まで続けられない、休んでも疲れが取れない、だるさや体調不良が続くといった形で現れます。
背景は3つあります。1つ目は特性の影響です。感覚過敏などにより同じ刺激でも強く影響を受け、その状態が続くことで疲れがたまっていきます。
2つ目は擬態の影響です。うまくいきづらい場面が多いため、無意識のうちに無理をして周囲に合わせようとすることがあります。その結果トラブルは減り、表面的には適応しているように見えますが、無理が続くため疲弊していきます。
3つ目は回復の困難です。発達障害では眠りの問題を抱える方が少なくなく、普段から緊張が続きやすくリラックスしにくいこともあって、疲れていても回復できないまま疲労が蓄積していきます。
疲弊した状態が続けば、体もメンタルも不調になりやすくなります。できる活動が限られ、社会生活で不利になることもありますし、二次障害としてうつ病などを合併しやすくもなります。
この疲れやすさは間接的には発達障害由来ですが、典型的な症状とは見え方が違います。目に見えないため「怠けている」と誤解され、職場で立場が悪くなって追い詰められてしまうこともあります。
③落ち込み
3つ目は落ち込みです。不適応や擬態が続いて限界を迎えると、二次障害として落ち込みが目立つようになります。
沈んだ気分が続く、物事を否定的に考えたり嫌なことを繰り返し思い出したりする、そして会社に行けなくなる。こうした形で表に現れてきます。
背景にあるのはストレスの持続です。うまくいかないことが続く、あるいは過剰に適応しようとして疲れがたまる。こうした状態が長引くことが原因になります。
二次障害は落ち込みだけではありません。強い不安や緊張から人を避ける対人不安、気持ちが不安定になり衝動的に強い怒りが出る情動不安定、周囲を疑いやすくなるといった性格面の変化もあります。
特に注意したいのが大人の発達障害です。子どもでは行動面から見つかることが多いのに対し、大人では二次障害としてのうつから見つかることが非常に多くあります。そのため、うつの治療は行われても背景の発達障害は見逃されたまま、ということも起こります。二次障害が重くなるほど対策は難しくなりますので、早めに気づくことが大切です。
(4)発達障害の発見から診断まで
1つ目は「気づく」ことです。もしかしたら発達障害があるのではないかと気づくことが第一歩になります。典型的な症状だけでなく、今回見てきたような意外な症状もヒントになります。影響が軽ければ経過を見るので構いませんが、影響が強かったりうまくいかないことが続いたりするなら、受診も検討します。
2つ目は「調べる」ことです。まず受診して相談することが出発点になります。主観的なしんどさも大切ですが、子どもの頃の情報という客観的な材料も重要です。心理検査は診断基準そのものではないものの、主観に偏りがちな部分を客観的に見る視点として役立ちます。
3つ目は「診断と対策」です。自分のしんどさ、子どもの頃の情報、心理検査の結果など、様々な角度から情報を総合して診断します。診断を受けたら、まずはその診断と自分の特性を受け入れることが第一歩です。そのうえで、日々取り組めることはないか、合う環境を探す余地はないかを、できる範囲で続けていきます。
(5)まとめ
発達障害はよく知られるようになりましたが、今でも見逃されやすい症状があります。
1つ目は感覚過敏で、音や光などに過敏になり、疲れやすさをはじめ様々な影響が出ます。2つ目は疲れやすさで、特性そのものの影響に加え、無理をして適応しようとすることの影響が重なります。3つ目は落ち込みで、二次障害の一つとして大人の発達障害で特に目立ちます。
これらの影響があまりに強い場合は、一度受診し、様々な情報から診断を受けたうえで対策を始めていくことをおすすめします。
こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)
#asd #精神科医
【監修者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。