婚約破棄された悪役令嬢、十年分の投資損失を回収したら偽聖女も五人の権力者も跪きました
花咲リリカ
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婚約破棄された悪役令嬢、十年分の投資損失を回収したら偽聖女も五人の権力者も跪きました
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花咲リリカ
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婚約破棄されたその夜。
王太子は、私が泣くと思っていた。
聖女は、私が取り乱すと思っていた。
貴族たちは、悪女が断罪される瞬間を待っていた。
残念。
私は涙ではなく、帳簿を開いた。
十年分の支援補填。
名誉毀損賠償。
婚約違約金。
王家外交の尻拭い。
王室財務赤字の補填。
王太子の失態隠しに使った公爵家の資金。
全部、今夜中に一括で支払っていただきます。
私が王太子に尽くしたのは、愛ではない。
未来の国王への投資だった。
そして投資先が失敗だと分かった今、
私はただ損切りするだけ。
その瞬間、断罪の宴は終わった。
始まったのは、悪役令嬢クラリスによる回収劇だった。
私はもう、聖女と男の愛を奪い合わない。
泣いて同情を求めない。
可哀想な女にもならない。
誰かに拾われる気もない。
私が欲しいのは、愛ではなく価値。
だから私は、王都の片隅に黒薔薇サロンを作る。
婚約を奪われた令嬢。
功績を聖女に横取りされた女官。
商路を神殿に奪われた商人の娘。
戦功を利用された北境の未亡人。
彼女たちが奪われたのは、運ではない。
証明できない価値だった。
ならば私が教える。
帳簿の読み方。
契約書の危険な条項。
証言の残し方。
奪われた功績を、提出できる証拠に変える方法。
やがて、王国の五人の権力者たちも気づき始める。
冷血公爵ヴィクトルは、私の情報精度に。
商会継承者ノアは、私の利益設計に。
神殿騎士長アルベルトは、聖女信仰の歪みに。
魔法学院首席ルシアンは、好感度システムの崩壊に。
そして王太子レオンハルトは、私がいなければ何もできない自分に。
偽りの聖女エミリアは、
私の金と権力への欲望を全王都に暴こうとする。
けれど真実の水晶に映ったのは、
悪女の醜い欲望ではなかった。
女性の財産権を確立すること。
婚姻で令嬢の資産が奪われる制度を変えること。
神殿の価値独占を解体すること。
功績を本人の名で残すこと。
弱い立場の女性たちが、自分の席を持てる社会を作ること。
欲深い?
ええ、その通り。
私は金が欲しい。
地位が欲しい。
権力が欲しい。
でもその欲望で、奪われた者たちの未来を買い戻す。
これは、婚約破棄された悪役令嬢クラリスが、
十年分の投資損失を回収し、
黒薔薇サロンで女性たちの価値を証明し、
偽聖女制度と乙女ゲームの好感度システムを壊し、
王国初の契約大臣として、
愛ではなく価値で世界を書き換える物語。