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戻らなかった下足札が一枚 ― 誰も開けなかった二十七番の棚

霧の向こうの物語

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戻らなかった下足札が一枚 ― 誰も開けなかった二十七番の棚

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霧の向こうの物語
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#失踪 #ミステリー朗読 #未解決事件 #オーディオブック #作業用朗読 #睡眠朗読 #寝る前の朗読 #聞き流し #失踪事件 #ヒューマンミステリー 戻らなかった下足札が一枚 ― 誰も開けなかった二十七番の棚【失踪ミステリー朗読】 紀伊半島の、人口六千人ほどの海沿いの町に、最後まで残った銭湯がありました。♨️ 主人は父から継いで四十一年、朝十時に火を入れ、三時半に湯を立て、一人で焚き続けた人でした。 2001年10月31日、常連が十二人まで減った銭湯が、店を閉めます。🪵 その夜に暖簾を下ろし、翌朝、主人はいませんでした。戸は開いたまま、釜の火は消してあり、番台の金は袋に入れて机の上に置いてありました。 捜索は三日で終わりました。海がすぐそこにある町では、それ以上言う必要がなかったのです。🌊 息子は駅と港に紙を貼り、三年目にやめました。 相続がまとまらず、建物は十四年そのまま残りました。2015年、ようやく解体が決まります。🔨 脱衣所の木の下足箱は五十箱。四十九箱は空でした。 二十七番だけが開きません。札を挿せば閉まり、抜けば開く仕組みで、その札だけが戻っていなかったのです。🔑 常連は言いました――そこは壊れとる、と主人がずっと言うていた、と。 この物語はフィクションです。登場する人物・団体・地名はすべて架空のものです。 毎晩、深夜にゆっくり聞ける失踪ミステリーの朗読をお届けしています。眠れない夜、作業のお供に。チャンネル登録と高評価をお願いします。 ―― © 霧の向こうの物語 All Rights Reserved. ―― 本動画の音声・映像・脚本の無断転載、再アップロード、切り抜きを禁止します。 Unauthorized reproduction or re-upload of this audio and video is prohibited.