【密着】摂食障害の受刑者 罪を繰り返させないために 九州唯一の医療刑務所 特集【キャッチ】
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【密着】摂食障害の受刑者 罪を繰り返させないために 九州唯一の医療刑務所 特集【キャッチ】
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特集「キャッチ」です。精神疾患がある受刑者を受け入れる九州唯一の医療刑務所が、北九州市にあります。専門的に行われているのは摂食障害の治療です。その現場に密着しました。
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https://news.ntv.co.jp/n/fbs/category...
北九州市小倉南区の「北九州医療刑務所」。
全国に4か所ある医療刑務所の一つで、精神疾患のある受刑者およそ100人が収容されています。
今回、50代の佐藤受刑者(仮名)に話を聞くことができました。
■佐藤受刑者(仮名)
「私は摂食障害で、食べなかったり、食べても吐いたりしていました。どんどん体重が落ちて、ここに来ることになって治療するようになりました。」
摂食障害は大きく分けて、食事を制限する拒食症と、大量に食事をする過食症があり、体と心に様々な不調を引き起こす疾患です。
佐藤受刑者は20代の頃から、大量の食べ物を一気に食べては吐くという行為を繰り返すようになりました。
■佐藤受刑者(仮名)
「お金がもったいないから、吐くのにお金を出したくないという気持ちがあって、窃盗を何回か繰り返していたら、もうそれが当たり前というか。」
何度も盗みを繰り返す常習累犯窃盗などの罪で、現在5回目の服役です。
摂食障害になったきっかけは、幼い頃から受け続けた母親からの虐待でした。
■佐藤受刑者(仮名)
「母親が結構太っているんですよ。母親のようになりたくないという気持ちもあったし、自分の思うようにならないと吐いてスッキリするとか、吐いてストレス発散するみたいな感じ。摂食障害は裏切らないというか。」
受刑者は、一般の刑務所と同じように作業や運動を行うだけでなく、投薬などの治療も受けています。
中でも北九州医療刑務所は、摂食障害に力を入れています。
受刑者が入る部屋には、ある特徴があります。
■北九州医療刑務所・冨山看守長
「こちらの止水栓を使用して、居室内の水の使用について制限を行うことができます。」
症状の一つである吐くという行為を隠れてしないように、トイレや洗面台の水を止めるスイッチが設置されています。
さらに、摂食障害のある受刑者の食事は、医師の判断の下で量が決められます。
■看護師
「こちらが1食分になりますが、それを分割して段階的に確実に食べられることを確認しながら、量を増やしていくことになります。」
一番少ない場合、1食分の8分の1の量です。不足するカロリーは栄養剤で補います。
佐藤受刑者がここに来た時の体重は32キロ。最初は食事をまともにとることさえできませんでした。
■佐藤受刑者(仮名)
「ご飯を食べるのが怖かったんです。だから私の場合、1年くらい栄養ドリンクだけで。」
しかし、治療を受けたことで、今は少しずつ回復しています。
医師と看護師、刑務官が、佐藤受刑者のメンタル面や食事の量などについて情報共有し、治療を続けてきました。
■看護師
「体重も今ちょっと増えている。食事を全量(1食分)食べる日が多くて。」
なぜ、摂食障害に根気強く向き合うのか。
長年、摂食障害の受刑者を診てきた医師は、数年前から特に感じていることがあります。
■瀧井正人 医師
「(刑務所に入る)回数が上がっているような感じです。何年たとうが、何回、刑務所に入ろうが、本当にしっかりした治療をしないと治らない。(窃盗を)やり続けると、最後は刑務所しか居場所がなくなってしまう。」
現在、北九州医療刑務所にいる摂食障害の受刑者は40代から70代の9人。全員女性です。
そのうちの7人は入所が初めてではなく、2回以上、刑務所に入っています。
出所後に同じ罪を繰り返させないため、摂食障害と向き合う環境を整えた上での根本的な治療が重要とされています。
月に1度の診察では、受刑者が自分自身と向き合う時間を大切にしています。
■瀧井医師
「どうですか?」
■佐藤受刑者(仮名)
「私は今まで逃げてばっかりじゃないですか。ダメだダメだと思って逃げてばかりだから、これを逃げずに乗り越えていく力が大事というか、私には必要なんだなって。」
瀧井医師は、それぞれの受刑者が抱える生きづらさを把握し、適切に管理・治療していくことが、回復に向かう第一歩と考えています。
■佐藤受刑者(仮名)
「私がもう一度頑張ってみようかなって。家族のために頑張ってみようかなって。全部そう思えたのも、ここに来てドクターといろいろな話をした中で、そう考えることができた。」
■瀧井医師
「変わりたいと思えたのも、それはあなたにいいところがあるからね、だからそういうふうに思えたんだよね。」
治療を受ける中で、佐藤受刑者の心境にも変化がありました。
■佐藤受刑者(仮名)
「日に日に自分のことを考えるようになったし、ここに来なかったら自分が変わろうとか、摂食障害を治したいなという気持ちになっていないだろうなと。多分、また窃盗して刑務所に行く自分がいただろうなと思うし。摂食障害を治す、刑務所も来ないと決めている。」
再び罪を犯させないための医療刑務所の取り組み。受刑者の更生の道を探る日々が続いています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2026年9月16日午後5時すぎ放送
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