Heavy Metal is Dead 聖飢魔Ⅱ SEIKIMA II
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Heavy Metal is Dead 聖飢魔Ⅱ SEIKIMA II
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1999年。それは色々の節目を迎えた年。世は20世紀末のただ中であり、七の月に来るであろう終末に関心を示し、
例えその月が過ぎても無事世界が継続してる事にいちいち喜ぶ人の姿なんて見た憶えはありません。
それどころか皆「これで終わりの筈がない…」と、今度は来るべき2000年問題を筆頭に到来し得る何かしらの災害、
凶事に対し内心怯え身構えつつも何ら、具体的な策を講じる事が出来ずに「それまでの日常」を無為に繰り
返してた様に思えます(私個人、新しく就いた仕事にずっと苦労し気持ちがとても落ち込んでた
時期です)。
'95年の阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件。'97年の神戸連続児童殺傷事件:通称酒鬼薔薇事件と世間を
揺るがす規模の天災、事件が緊密に起こった後なのでどうしても’99年の「あの予言」は当たるのでは?
と人々の心中、胸中に黒い不安が生まれて久しい時期でした。
そしてそんな中、遂に”最終教典”を彼らが発表します。
豪いモノでメタルバンドを装いつつも「我々は宗教団体だブヒャヒャヒャ・・・」と繰り返し主張し続けただけあって
今回の発表には他のアーティストの新譜に対する印象とはかなり違う質のモノを感じました。
モノモノしい何か、もっとこう、姿勢を正し背筋をピッと伸ばし買い求め、畏まって拝聴傾聴する趣きを
有してました(尤もこちら勝手にそう感じてただけなのかも知れませんが)。
1999/10/21、地球デビューから15年に亙る、彼らの活動最後を飾る正に集大成"Living Legend"発布です。
爆速で近所のレコード店で購入し、様々な感慨を抱きつつCDラジカセに挿入し再生ボタンに手を掛けた当時の
記憶は未だ鮮明に残ってます。(最後・・・どんなサウンドで来るんよ??)と身構えながら、それこそ
傾聴と云う言葉が相応しい面持ちで以て鑑賞に及びました。
そして聴こえてくる1曲目。
"Heavy Metal is Dead"
「メタルは死んだ」と云う、実にセンセーショナルな題名でいきなりガツンと食らわせて来ました。
サウンドそのものは彼らとしては、久々に聴く分厚く攻撃的でドでかいギターサウンドとキックの利いたバスドラム。
まるで題名に背く様なバリバリのメタルサウンドでした。この半年前に発布されたベスト盤に相当する
"1999Black List 本家極悪集大成盤"に続く重厚なサウンドプロダクツで、非常に満足なクオリティです。
そして大進化した閣下迫真の超絶シャウト。
流石集大成。。"NEWS" "MOVE"で見せた「等身大の葛藤」や「赤裸々な気持ち」をカタチにする「禊」は済んだと云わんばかり、
従来の攻撃的で露悪的な彼らの音が堪能出来る様です。
最後の最後は初志貫徹、浜田先輩の提唱した「悪魔でヘヴィメタルなバンドの姿をした宗教団体」として活動を
全うする事を選んだ音です。最終アルバムに対するアティテュードを宣言したのがこのオープニングナンバー。
誰が聴いてもそれが伝わる音色です。
それにしても。です。
マッシヴなメタル路線を、最後の最後に選んでくれた事への喜びはいいとして。その歌詞ですよ。
前二作の経験を通して更に磨きが掛かった哀愁、嘆きと怒りの言葉選び、修辞の深みと説得力。
言論統制へのヘイト?コンプライアンスばかり矢鱈と気にする時代の潮流への皮肉?諷刺?それとも解散を
眼前に控え自暴自棄になったと解釈出来る詞?はたまたヘヴィメタルバンドとして世に浸透する事への諦観
(相変わらず白い顔の愉快な人達としか彼らを認識してない世間一般への怒り、諦めと云った旨。。
てかそもそも俺らヘビメタってそんな詳しくねえし?と云った交々の情感)?
・・・様々な解釈が出来てしまう深淵なレトリックの磨かれっぷりには凄味すら感じます。
この詞を乗せて伝える旋律も非常にストレートでアグレッシヴなリフ、耳を劈く(つんざく)攻撃的な
シャウトと情念の籠ったヴォーカル、そしてトリッキーで一癖ある長官によるリードギターがアクセントを
添えていて、曲により一層の厚みを付与してます。
このナンバーは聴かせた知人も度肝を抜いてて実に痛快でした。
作詞 デーモン小暮閣下
作曲 デーモン小暮閣下
最後の大教典の最初を飾るのに、これ以上ない位相応しい出来映えです。