【デリダ】西洋哲学史 現代哲学解説【ポスト構造主義】【脱構築】
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動画の書き起こし版です。
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ジャック・デリダは1930年、当時フランス領だったアルジェリアに生まれました。
少年時代に周囲と馴染めなかった彼は、そのころにニーチェやルソー、
アルベール・カミュなどを読み込んだと言います。
二浪で高等師範学校に入学すると、そこでフーコーと知り合います。
同時期にフッサールの研究に力を入れることを決意しています。
その後、アメリカのハーバード大学に留学、
フランスに戻ると高等師範学校の講師、後に同学校の哲学教授になります。
デリダはハイデガーやニーチェなどの哲学を批判的に継承して発展させました。
また、レヴィ=ストロースに対して厳しい批判をしたことから
ポスト構造主義(構造主義の次の思想)の代表的人物だと位置付けられています。
デリダと言えば【脱構築】です。
簡単にいうと、それまでの哲学的な考え方を徹底的に否定して、
それを享受していた世界に対しても大きな疑問を投げかけた考え方です。
その頃の世の中ではフランスの5月革命(May 68)をはじめ、
共産主義と保守思想との間に大きな戦いが起こっていました。
結果として共産主義はその勢いを弱めていくのですが、
マルクス主義をはじめとして、学生運動を喚起したサルトルの思想など
人々がそれまでの哲学に大きな疑問を感じている風潮があったのです。
そこにデリダの思想が受け入れられました。
デリダは脱構築の旗のもと、それまで哲学が積み上げてきたものを
いったん全部ぶっ壊そうとしました。
それまでの哲学では【二項対立】といって、
例えば『善と悪』『主観と客観』『男と女』のように
2つの要素によって物事を決め、それによって思想を構築してきました
その上で、対立した二つの要素には必ず優劣が存在している。と考えます。
善と悪なら善の方が優れたものだし、
男と女なら男の方が優れたものであるという具合ですね。
また、西洋哲学的な思想には
『オリジナルの方がコピーよりも優れている』
『より論理的な方が優秀である』
『目の前のものを優遇する』
『世界は何かの目的を持って前に進んでいる』
というような傾向があったとデリダは考えます。
例えば『男と女』という二項対立を考えるときに
西洋哲学的な思想から考えると男は女的な要素を持っていてはいけないしその逆も然りです。
しかし「男はギャンブルが好きだ」という結論には
「女はギャンブルが好きではない」という意味も内包されています。
実際はそんな簡単にお互いを二分できないですよね。
このように、二項対立には根本的な問題があると指摘したのです。
また、感情(精神)と言葉という二項対立を見てみると、
『表出する言葉』はオリジナルである感情(精神)のコピーだから。という理論のもと、
一般的には言葉よりも感情(精神)の方が優れていると考えられていました。
しかし、人間は言葉で思考しています。
つまり感情(精神)も、言葉で思考した結果の産物だとも言えるわけで、
その視点から考えると感情(精神)は言葉のコピーであると表現できます。
このようなことから、二項対立においての優劣はいとも簡単に逆転することがあります。
デリダはこのようにして物事を二項対立で考えることの危うさを提示しました。
そしてこうした西洋哲学的な考え方、言い換えると『絶対的なものに向かう思考の性質』
は権力に有利に働いてしまうと主張します。
例えば、ナチスのユダヤ人虐殺においては、
ドイツ人とユダヤ人という二項対立のもと、
ドイツ人が優れていてユダヤ人は劣っているという『絶対的な』考え方が
当時の権力と結びついて、悲惨な出来事を生み出しました。
つまり、西洋哲学的なそれまでの考え方は
『絶対的に正しいもの』と『そうではないもの』を二分するスキームを持っており、
この考え方は権力側がその権力をさらに大きくするのに便利なものではあるものの
必ず『そうでないもの』が現れてしまうことになり、
『絶対的に正しいもの』が力を持てば持つほど、『そうでないもの』が
迫害されることになってしまうと考えることができるのです。
そして、実際に当時の世の中はそのような状況が各国で起きていました。
そうした権力に対する不満を持っていた民衆に
デリダの考え方が強烈に浸透していったのです。
ポストモダン思想(近代の次の思想)においては
それまでの哲学の流れを大きな物語と表現します。
ヘーゲルやマルクスの思想はまさにこれにあたるもので、
みんなで大きな目標に向かって進むことを是とします。
しかし、デリダをはじめとしたポストモダン思想の哲学者は
近代文明の過ちが明確になったことにより、小さな物語を支持します。
これはたった一つの正解ではなくて、
無数にある価値観をお互いに認め合い、共存の道を模索する考え方です。
ここからは皆さんがご存知のとおり、
先進国は小さな物語を内包しつつ国家運営を行なっていきます。
そして、我々が生きている今の時代。
小さな物語同士の衝突において良く二項対立を目にすることが増えたのではないでしょうか。
ポストポストモダン(?)の思想は今の世の中において
まだはっきりと現れてはいません。
以上です。
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#ジャック・デリダ
#脱構築
#ポストモダン