《離婚成立から数週間後――初恋女と義実家をリフォームしようとした元夫。業者が登記簿を確認して一言「この家の所有者、元奥様のお母様ですよ?」姑の顔が引きつった》
かみぎれものがたり
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《離婚成立から数週間後――初恋女と義実家をリフォームしようとした元夫。業者が登記簿を確認して一言「この家の所有者、元奥様のお母様ですよ?」姑の顔が引きつった》
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離婚成立から三週間。
元夫・修司は、長年忘れられなかった初恋相手・美沙子を連れ、母の住む実家を大規模リフォームしようとしていた。
「せっかくなら壁も抜いて、全部きれいにしよう」
自分はいずれこの家を継ぐ――そう信じて疑わなかった修司。
ところが、工事前に登記簿を確認した業者が、思いがけない一言を告げる。
「この家の所有者、高瀬様ではありません。香坂紀代子様です」
それは、離婚したばかりの元妻・奈津美の母親の名前だった。
二十二年間、「高瀬家の実家」と呼ばれ続けてきた家。
なぜ元妻の母が所有しているのか。
なぜ義母はその事実を知りながら黙っていたのか。
そして、引き出しの奥から見つかった二十二年前の古い契約書には、修司が知らなかった家族の過去が残されていた。
「離婚したんだから、もううちの実家には関わるな」
そう言って奈津美を切り捨てた修司。
しかし彼が「自分の家」だと思っていた場所そのものが、長年誰かの善意によって守られていたと知った時――。
当たり前だと思っていた家族の立場が、静かに崩れ始める。