呪いの藁人形は千年以上前からあった?奈良の都で見つかった「釘を打たれた人形」の正体【都市伝説】 #きつねの禁書庫 #丑の刻参り #藁人形 #呪術廻戦 #釘崎野薔薇 #都市伝説 #歴史
きつねの禁書庫
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呪いの藁人形は千年以上前からあった?奈良の都で見つかった「釘を打たれた人形」の正体【都市伝説】 #きつねの禁書庫 #丑の刻参り #藁人形 #呪術廻戦 #釘崎野薔薇 #都市伝説 #歴史
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きつねの禁書庫
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白い着物に、頭のろうそく。真夜中の神木に、藁人形を五寸釘で打ちつける──丑の刻参りの姿は、誰もが知っています。
ところが、元祖とされる能『鉄輪』を開くと、人形を作っていたのは呪う女ではなく、呪いを止める陰陽師・安倍晴明でした。さらに古い平家物語「剣巻」の橋姫は、丑の刻にも参らず、姿は真っ赤です。
藁人形に釘の呪いが記録に現れるのは、江戸の1783年。今の姿を8つの部品に分け、一つずつ原典で確かめます。
▼目次
0:00 冒頭(真夜中の神木)
0:37 導入(呪術廻戦の芻霊呪法と、丑の刻参りの部品)
2:22 第一章 元祖とされる二つの物語
6:52 第二章 千三百年前の釘
10:56 第三章 藁人形が現れた日
15:49 第四章 きつねの推理
18:04 終章 打たれる木
▼参考文献(一次資料)
・『平家物語』剣巻(流布本)──赤堀又次郎校註『校訂標註 平家物語』上編(1907)
・謡曲『鉄輪』──芳賀矢一校『謡曲二十番』(1903)
・謡曲『橋弁慶』──『謡曲二百番』(1909)
・『日本書紀』神功皇后摂政5年条──伴信友校(1883)
・『続日本紀』神護景雲3年(769)5月条、藤原頼長『台記』久寿2年(1155)8月27日条、養老律 賊盗律──『古事類苑』方技部1(1914)
・藤原実資『小右記』治安4年(1024)4月条──『史料大成』第3(1935)
・『清凉寺縁起』──『大日本仏教全書』117(1922)
・狂言『弓矢太郎』──『和泉流狂言大成』4(1919)
・『世話尽』(明暦2年=1656年刊)
・其笑・瑞笑『彩色歌相撲』(延享4年=1747年刊)
・欣誉『小夜中山霊鐘記』(1748年刊・1917年刊本)
・鳥山石燕『今昔画図続百鬼』(1779)
・四方赤良編『万載狂歌集』(1783)──『狂歌狂文集』(国民文庫・1912)
・喜多村筠庭『嬉遊笑覧』(1830)
・小酒井不木『近代犯罪研究』(1925)
・『礼記』檀弓下
▼参考文献(研究・辞典・報道)
・鳴海あかり「いわゆる「丑の刻参り」の完成 ─妬婦・藁人形・呪釘─」『國學院雑誌』125-3(2024)
・西村俊範「江戸・明治時代の庶民風俗(3)」『人間文化研究』52(京都先端科学大学・2024)
・鈴木堅弘「浮世絵に描かれた「丑の刻参り」に関する一考察」『浮世絵芸術』165(2013)
・奈良国立文化財研究所『平城宮発掘調査報告 IV』(1966)、『昭和56年度 平城宮跡発掘調査部発掘調査概報』、奈良文化財研究所『平城京ビックリはくらんかい』(2014)
・小松和彦『日本の呪い』(1988)、『世界大百科事典』『日本大百科全書』「丑の時参り」「鉄輪」「橋姫」各項
・千葉日報(2022年6月16日)ほか報道
▼没エピソード:調べたけれど、動画に入れなかった話
◆「昭和29年、秋田で丑の刻参りをした女性が脅迫罪で逮捕された」
秋田県立図書館がレファレンス協同データベース(秋田-2758)で新聞・判例・年鑑を調べ、該当する事件は見つかっていません。ネットの話も年・被害者・結末が食い違います。
◆「丑の刻参りを相手に告げると脅迫罪になる、という判例がある」
丑の刻参りそのものを扱った判決は確認できませんでした。確認できた逮捕例は、2022年松戸の建造物侵入・器物損壊です。
◆「貴船神社は公式に、丑の刻参りはもともと心願成就の参拝だと説明している」
公式サイト(由緒・参拝案内・祈祷)に丑の刻参りへの言及はありませんでした。社記にあるのは「丑の年・丑の月・丑の日に神が降りた」という伝えです。
◆「宇治の橋姫や、能『鉄輪』の女が藁人形に五寸釘を打った」
剣巻にも『鉄輪』の詞章にも、人形・釘・金槌は出てきません。『鉄輪』の人形は晴明が作った茅の人形です。
◆「平安時代から藁人形に五寸釘で呪っていた」
平安以前の呪いの人形として確かめられたのは、平城宮の木の人形です。藁人形に釘の呪いの確かな初出は1783年、「藁人形に五寸釘」という決まり文句は刊行年の分かるもので1896年の芝居の台本でした。
◆「満願の夜に現れる黒い牛をまたげば、呪いが成就する」
石燕の絵(1779)には黒い牛が伏していますが、詞書は牛に触れていません。この作法を書いた江戸の文献は見つかりませんでした。
◆「鉄輪の井の水を飲ませると縁が切れる」
江戸の地誌(1711・1787)にあるのは「鉄輪塚」で、井戸も縁切りの水も出てきません。いつからの言い伝えかは確かめられませんでした。
◆「丑の刻参りを見られたら、見た者を殺さなければならない」
江戸の資料で確かめられたのは「見られたら願いがむなしくなる」(1747)だけでした。「見た者を殺す」は明治の押川春浪の怪談より古い例が見つかりませんでした。
◆入れなかった記録
屋代本『平家物語』剣巻の姿の違い、鈴木春信の錦絵(1765)、山東京伝の胸の鏡(1806)、曲亭馬琴の五寸釘(1809〜10)、歌川国芳の「見立十二支の内 丑」、平城宮の人形の釘が「木釘」か「鉄釘」か報告で分かれている件。
▼画像クレジット
◆資料(国立国会図書館デジタルコレクション・パブリックドメイン)— 切り抜き・赤い線と文字起こしを加筆
・『校訂標註 平家物語』上編 https://dl.ndl.go.jp/pid/877641
・『史料大成』第3(小右記) https://dl.ndl.go.jp/pid/1236617
・『謡曲二十番』 https://dl.ndl.go.jp/pid/876561
・『古事類苑』方技部1 https://dl.ndl.go.jp/pid/897742
・『謡曲二百番』 https://dl.ndl.go.jp/pid/876563
・『大日本仏教全書』117 https://dl.ndl.go.jp/pid/952821
・『和泉流狂言大成』4 https://dl.ndl.go.jp/pid/926646
・『世話尽』 https://dl.ndl.go.jp/pid/2554769
・『彩色歌相撲』 https://dl.ndl.go.jp/pid/2554485
・『小夜中山霊鐘記』 https://dl.ndl.go.jp/pid/907201
・『狂歌狂文集』 https://dl.ndl.go.jp/pid/1906665
・『近代犯罪研究』 https://dl.ndl.go.jp/pid/1021354
・『嬉遊笑覧』下 https://dl.ndl.go.jp/pid/992505
◆絵
・鳥山石燕『今昔画図続百鬼』「丑時参」九州大学附属図書館 松浦コレクション(パブリックドメイン)
・魚屋北渓「丑の刻参り図」メトロポリタン美術館(CC0)
・月岡耕漁『能楽百番』「鉄輪」シカゴ美術館(Public Domain)
◆写真(Wikimedia Commons)
・能面「鉄輪」: Photo: Kakidai / CC BY-SA 4.0(切り抜き)
・貴船神社の参道: Photo: Toomore Chiang / CC BY 2.0
・平城宮 第一次大極殿: Photo: Zairon / CC BY 4.0
◆そのほか
・標高データ: 国土地理院 標高タイル(立体の地図・墨の地図)
・書き順データ: KanjiVG(Ulrich Apel, CC BY-SA 3.0)
水墨画は、史料の記述をもとに AI(GPT Image)で作ったオリジナルです。平城宮の人形と天狗の像の画は、記述をもとにした「イメージ」です。
この動画は『呪術廻戦』の作者・出版社・アニメ制作会社とは関係ありません。作品の画像は使っていません。
呪いが効くかどうかではなく、記録に何が書かれているかを扱った動画です。神社の木に釘を打つことは、器物損壊などの罪に問われることがあります。
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