なぜ、学歴は親から子へ遺伝すると言われているのか【行動遺伝学×社会心理学】
しずかな合理
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なぜ、学歴は親から子へ遺伝すると言われているのか【行動遺伝学×社会心理学】
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しずかな合理
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ひとつ、認めなければならない事実がある。
親の学歴と子の学歴には相関がある。
大学を出た親の子は大学へ進みやすく、そうでない親の子は進みにくい。
これは世界中の統計で繰り返し確認されている。
この事実を前にすると、人は二つの結論のどちらかに傾きやすい。
遺伝か、それとも環境か。
だが今日話したいのは、そのどちらでもない。
ある実験では、同じ人間に同じ問題を解かせた。
変えたのは、テストの目的をどう説明するかだけ。
たったそれだけで、成績にはっきりとした差が現れた。
しかもその差は、特定の家庭に育った人にだけ現れた。
同じ問題。同じ制限時間。同じ教室。
違ったのは、問題を配る前の数秒間の説明だけだった。
なぜ、そんなことが起きるのか。
行動遺伝学と社会心理学のデータから、
学歴が受け継がれるように見える仕組みを解剖します。
〜チャプター〜
00:00 親の学歴と、子の学歴
01:20 遺伝の影響は、一定ではなかった
03:45 言葉の量と、教師の期待
06:03 説明の一言で、成績が変わった実験
07:32 不安が、頭の容量を奪う
09:11 「自分には関係ない」という防衛
10:28 選択肢が、視野に入らない
12:39 悪意ある人は、一人もいない
13:46 認識は、変えられる
16:24 受け継がれたのは、能力ではなかった
〜参考文献〜
ターケイマー ほか(2003)「貧困層の家庭では知能のばらつきに対する遺伝の寄与がほぼゼロとなり、共有環境が約6割を占めた。裕福な家庭ではほぼ正反対の結果となった」『Psychological Science』
クロワゼ & クレール(1998)「テストを『知的能力の測定』と説明した条件では低い社会経済的背景を持つ学生の成績が低下したが、『能力の測定ではない』と説明した条件では、その差は現れなかった」
ステレオタイプ脅威と低所得学生に関する研究「脅威にさらされた学生はテスト不安が高まり成績が低下したが、努力の量は変わらなかった。一方で、学業領域への自己同一化が低下した」『Social Psychology of Education』
しずかな合理
一人ひとりは正しく振る舞っているのに、なぜ全体だけが壊れていくのか。
身近な現象の底にある構造を、心理学・脳科学・行動経済学のデータから解剖しています。
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