甲賀三郎(こうがさぶろう)
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甲賀三郎(こうがさぶろう)
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甲賀三郎
甲賀三郎(こうがさぶろう)は、『神道集』の「諏訪縁起」や、後の『諏訪の本地』系の語り物に登場する伝説上の人物です。近江国甲賀郡に関わる武士として語られますが、頼方、兼家、望月三郎兼家など、名や系統には異同があります。
諸本では、妻・春日姫(かすがひめ)の救出、兄たちの策略、地底世界への転落と遍歴が語られます。三郎は地下の諸国を長くさまよった末に地上へ戻りますが、その身体は蛇の姿へ変わっていました。やがて法力や信仰の力によって人の姿を取り戻す、あるいは諏訪明神の由来へ結び付けられる形で語られます。
このため甲賀三郎伝説は、単なる武士の冒険譚ではありません。異界遍歴、蛇身変化、再生、そして諏訪明神の本地や由来を語る、中世の宗教的な英雄譚として発展しました。
一方で、甲賀三郎を実在の忍者や忍術の創始者とする確実な史料はありません。後世には、甲賀の望月氏が祖先として甲賀三郎兼家を伝えたことなどから、戦国期の甲賀衆と結び付けられ、「甲賀忍者の祖」という人物像が形成されたと考えられます。
甲賀三郎は、忍者そのものというより、甲賀の武士伝承、地底遍歴や蛇身変化の物語、諏訪信仰が重なって形成された中世説話の英雄です。後に忍者伝説へも取り込まれ、甲賀の名を神秘的に彩る存在となりました。
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