HDDの中はナノメートル単位の精密機械だった
技術の種明かし
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HDDの中はナノメートル単位の精密機械だった
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HDDの中で、データを読み書きするヘッドは、回るディスクのすぐ上を飛んでいます。すき間は読み書きする所でおよそ1〜2ナノメートル、データの列の間隔は約50ナノメートル。なぜここまで精密でないといけないのか、どうやって保っているのかを、3DCGで拡大して追いかけます。
空気でヘッドを浮かせる「空気のばね」、ヒーターでさらに近づける方法、位置の印を読んでトラックをたどる仕組み、止めるときに坂へ逃がす仕組み、そして最新の熱アシスト記録(HAMR)まで。
0:00 冒頭
0:36 1章 なぜナノメートルの精度が要るのか
2:54 2章 ヘッドはどうやって浮いているのか
4:38 3章 どうやって、さらに近づけるのか
6:07 4章 1本のトラックを、どうたどるのか
8:04 5章 何がヘッドをずらし、どう抑えるのか
9:35 6章 止めるとき、ヘッドはどうするのか
10:28 まとめ
※すき間の1〜2ナノメートルは、2015年の研究報告で、ヒーターで近づけた読み書きする所の値です。製品ごとの値は確認できませんでした。ヒーターを使わない浮く高さ(約10〜12ナノメートル)は、研究で紹介された設計の値です。
※トラックの間隔(2019年の約58ナノメートル、2026年の約50ナノメートル)は、東芝の製品資料の平均の密度から計算した目安です。時速130キロは、直径およそ10センチ(95〜97ミリ)のディスクを毎分7200回転で回したときの外側の速さの計算で、内側ほど遅くなります。
※「1ナノメートル離れると信号は4分の3ほど」は、上向きと下向きが20ナノメートルで一回りする並びで、離れるほど弱まる関係(スペーシング損失)から計算した例です。「ふくらんだ量の6割ほど」は、2010年の研究の計算の例です。
※「1秒に約3万回」は、研究の実機の印の配置(1周に256か所)と毎分7200回転からの計算です。いまの製品の印の数は確認できませんでした。
※圧電素子による細かい動き、回転に合わせて繰り返すずれの先回りの補正、揺れのセンサー、ヘリウム、電源が切れたときの発電は、一部の製品の工夫です。製品や世代によって、仕組みは異なります。
※坂(ランプ)を使わず、ディスクの内側の決まった帯に着地させる方式(CSS)の製品もありました。
※空気を使うHDDは、フィルターの付いた小さな穴で外と気圧を合わせるため、動かしてよい高さが製品ごとに決まっています(例:3,000m程度まで)。
※ヘッドとディスクのすき間はほこりよりはるかに狭いので、HDDのふたは開けないでください。強いクリック音が続くときは故障の疑いがあります。
※3Dは特許・論文の図と製品資料をもとにした模式で、特定の機種の再現ではありません(ヘッドの底の形は研究の設計の例)。すき間・ふくらみ・トラックの間隔は大きく描き、空気の流れ、圧力の色、磁気の矢印、位置の印の数も模式です。
※ナレーションはAIの合成音声です。
【参考資料】
・Marchon ほか「The Head-Disk Interface Roadmap to an Areal Density of 4 Tbit/in²」Advances in Tribology(2013)
・Matthes・Brunner・Knigge・Talke「Head Wear of Thermal Flying Height Control Sliders as a Function of Bonded Lubricant Ratio, Temperature, and Relative Humidity」Tribology Letters(2015)
・Liu・Zheng・Bogy(UC Berkeley CML)「Thermal Flying-Height Control Sliders in Hard Disk Drives」ほか技術報告(2010)
・Juang・Bogy・Bhatia「Air Bearing Surface Design for Flying Height Control Slider with Piezoelectric Nanoactuator」(2005)
・東芝レビュー 74巻6号(2019)・76巻6号(2021)・81巻5号(2026)の3.5型HDDの製品開発論文
・東芝 MG09SCA/SCP SAS Specification(2021)
・Seagate Exos X24 Product Manual(2023)、Seagate「HAMR」技術資料(2017)、Seagate報道発表「次世代Mozaic 4+を発表」(2026年3月3日)
・Western Digital「Explained: Helium Hard Drives」(2023)、技術資料(2020・2024)
・HGST「Rotational Vibration Safeguard」白書
・Nie・Sheh・Horowitz「Optimal H∞ Control For Hard Disk Drives With An Irregular Sampling Rate」ACC(2011)、Horowitz ほか「Dual-stage servo systems and vibration compensation in computer hard disk drives」Control Engineering Practice(2007)
・TDK Headway Technologies「Technologies」(2026年10月閲覧)
・特許:東芝 US20240062778A1・US12211529B1、Western Digital US11869541B1・US20240274153A1、Maxtor US7310194B1・US6961203B1、Hitachi GST US7274529B2、古河電気工業・UACJ WO2022107680A1
#技術の種明かし #HDD #ハードディスク #仕組み #3DCG