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【外国語を一度も習っていないのに、外国の訛りで話し始める】外国語アクセント症候群——変わったのは発音ではなく、聞いた側が付けた国の名前だけだった

真夜中の資料室

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【外国語を一度も習っていないのに、外国の訛りで話し始める】外国語アクセント症候群——変わったのは発音ではなく、聞いた側が付けた国の名前だけだった

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1941年、ドイツ占領下のオスロで、空襲の破片が頭に当たった30歳の女性がいました。回復して話せるようになった彼女に、周りの人はこう言いました。「ドイツ人みたいな喋り方をする」。 ■ 関連記録 ▶ 前の関連記録: 【名前の由来になった作家は、書いた当時の記録が無い】不思議の国のアリス症候群——    • 【名前の由来になった作家は、書いた当時の記録が無い】不思議の国のアリス症候群——目は...   ▶ 次の関連記録: 【十八パーセントが経験、診断は一パーセント】頭内爆発音症候群——痛みだけが無いせ    • Видео   ▶ 再生リスト「科学と人体の謎」    • 科学と人体の謎   ■ /関連記録 彼女は国外に住んだことがなく、ドイツ語を習ったことも話したこともありません。それでも占領下のノルウェーで、店に品物を売ってもらえなくなったと記録されています。 この症状は「外国語アクセント症候群」と名付けられました。ただし、その名前が正確だったことは一度もありません。最初の報告とされる1907年のフランスの例は、外国ですらなく同じ国の別の地方の訛りでした。 実際に変わっているのは、声の高さ・長さ・強さ——プロソディと呼ばれる節回しの部分です。母音がわずかに伸びる、子音の前にほんの少し間が入る、強弱の置き場所がひとつ横にずれる。いずれもミリ秒単位のずれで、特定の外国語の規則に沿ったものではありません。 そこが芯です。母語の規則から少し外れた音を聞いた人が、頭の中で近いものを探して国名を当てはめている。だから答えは聞く人によって違います。2006年に報じられた英国の例では、同じ一人の声がジャマイカ訛り、フランス系カナダ訛り、スロバキア訛りと、ばらばらに呼ばれました。 【この動画で扱ったこと】 ・1941年オスロの症例と、占領下で受けた扱い ・1907年フランスの最初期報告が「外国」ですらなかったこと ・1907年から2016年までで脳損傷によるもの112例という希少性 ・原因の内訳(脳卒中が約5割、頭部外傷が1割強、腫瘍が数パーセント) ・損傷部位が左右・脳幹・小脳とばらつき、点ではなく回路で考えられていること ・変化の実体がプロソディであり、ミリ秒単位のずれであること ・国名を割り当てているのは話者ではなく聞き手であること ・2006年英国の報道例で、挙がる国名が揃わなかったこと ・心理的要因による型が、損傷による型と区別して報告されていること ・回復例と長期化例の差、言語聴覚療法による訓練 ・患者の多くが訴える「自分の声ではない」という喪失 ※特定の患者を同定できる情報は扱っていません。心理的要因による型についても「演技」とは扱っていません。 主な参照: ・Monrad-Krohn (1947) によるノルウェーの症例報告 ・Pierre Marie (1907) の報告に関する後年の検証 ・外国語アクセント症候群の症例レビュー(1907-2016) ・Wikipedia "Foreign accent syndrome" および参照文献 音声: VOICEVOX(四国めたん / ずんだもん) 立ち絵: 坂本アヒル様 BGM: 甘茶の音楽工房 効果音: 効果音ラボ 背景動画: Pexels #脳科学 #外国語アクセント症候群 #医学 #言語 #ゆっくり解説