2026年ノーベル化学賞を解説|不斉自己触媒(ソアイ反応)とは?カガンの非線形効果と、鏡像体のかたよりが増える仕組み【硤合憲三】
大学院生が語る固体物理・材料科学の世界
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2026年ノーベル化学賞を解説|不斉自己触媒(ソアイ反応)とは?カガンの非線形効果と、鏡像体のかたよりが増える仕組み【硤合憲三】
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2026年のノーベル化学賞は、フランスのアンリ・カガンと、日本の硤合憲三(東京理科大学名誉教授)に授与されました。授賞理由は、不斉有機合成における、非線形効果と自己触媒作用の発見です。鏡に映すと重ならない分子(鏡像体)の片方だけを作ることは、薬や香料の合成で重要です。カガンは、触媒より生成物のかたよりが大きくなる非線形効果を、硤合憲三は、生成物自身が触媒となり、ほとんどかたよりのない状態から、ほぼ片方だけを増やす不斉自己触媒(ソアイ反応)を見つけました。キラリティーと鏡像体過剰率(ee)、フランクのモデル、触媒の三種類の組み合わせの割合の計算、リザーバー効果、2003年の増幅、反応機構の現状と限界までを、新しく作図した図で解説します。
▼目次
0:00 イントロ:2026年ノーベル化学賞
1:04 キラリティー・鏡像体・鏡像体過剰率(ee)
2:05 100年の謎と、フランクのモデル
3:11 カガンの発想:触媒の中身を考える
4:17 三種類の触媒の割合を計算する
5:26 正の非線形効果と、負の非線形効果
6:31 リザーバー効果と、実際の反応
7:34 自己触媒だけでは、かたよりは増えない
8:44 1995年:かたよりが増える自己触媒
9:41 2003年:ほとんど偏りのない状態から
10:44 偏りの向きは、偶然で決まる
11:50 反応機構:研究が続いている
12:54 限界と、応用
14:04 日本とのつながり
15:21 まとめ
▼この動画で分かること
・キラリティー・鏡像体・鏡像体過剰率(ee)と、生命のホモキラリティーの問い
・1953年のフランクのモデルと、かたよりが増えるための三つの条件(数値計算)
・カガンの非線形効果:触媒の三種類の組み合わせ(右右・左右・左左)の割合を計算し、プラスとマイナスの非線形効果を理解する
・リザーバー効果(野依良治らのダイブの研究)と、純度の低い原料から高い純度の生成物を得る設計
・硤合憲三の不斉自己触媒:1995年(約5%から約90%へ)と、2003年(0.00005%から99.5%超へ)
・偏りの向きは偶然で決まる(37回の実験で右18回・左19回)、反応機構の現状、限界(生命の起源が解明されたわけではない)
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▼主な出典
スウェーデン王立科学アカデミー 2026年ノーベル化学賞の公式の解説(Scientific Background、Popular Science Background)。Frank, Biochim. Biophys. Acta 11, 459 (1953)/ Puchot ら(Kagan), J. Am. Chem. Soc. 108, 2353 (1986)/ Soai ら, Nature 378, 767 (1995)/ Sato ら, Angew. Chem. Int. Ed. 42, 315 (2003)/ Singleton & Vo, J. Am. Chem. Soc. 124, 10010 (2002)。触媒の組み合わせの割合(右75%・左25%の例)や、コインを37回投げたときの分布は、動画の作成者の計算です。
※ この動画は、ノーベル賞の公式のものではありません。スウェーデン王立科学アカデミーの公式の解説と、論文、報道に基づいて、動画の作成者が独自に作成しました。授賞理由の日本語は、公式の英語の発表文を作成者が訳したものです。図は公式の図を使わず、新しく作図した模式図、または簡単な模型の計算で、実験データそのものではありません。数値は公式の資料の値を使い、概算・割合・模型の計算は作成者によるものです。誤りに気づいた場合はコメントでお知らせください。
対象: 科学に関心のある方、理系の学生・大学院生
音声:VOICEVOX:青山龍星
#ノーベル化学賞 #不斉合成 #ソアイ反応