最後の手紙(遺書)| 唄:桜あやの |特攻兵(穴澤利夫 大尉)が婚約者(伊達智恵子さん)へ遺した最後の手紙|実話を歌にした感動の演歌。|Japanese Enka
逸話の恋物語
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最後の手紙(遺書)| 唄:桜あやの |特攻兵(穴澤利夫 大尉)が婚約者(伊達智恵子さん)へ遺した最後の手紙|実話を歌にした感動の演歌。|Japanese Enka
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逸話の恋物語
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穴澤大尉には,大学時代に将来を約束した智恵子さんという婚約者がいました。
彼は出撃前に,智恵子さんからマフラーを贈られました。
「神聖な帽子や剣にはなりたくないが,替われるものならあの白いマフラーのように,いつも離れられない存在になりたい」という彼女の一途な思いに応え,彼はそのマフラーを彼女の身代わりとして,首に巻いて出撃しました。
婚約者の智恵子さんは,穴澤大尉が戦死された4日後(4月16日)にこの手紙を受け取りました。
手紙の内容
二人で力を合わせて努めて来たが,終(つい)に実を結ばずに終った。 希望を持ち乍(なが)らも,心の一隅(ひとすみ)であんなにも恐れていた“時期を失する”と言ふ(う)ことが実現して了(しま)ったのである。
去月(きょげつ)十日(とおか),楽しみの日を胸に描き乍(なが)ら,池袋の駅で別れてあったのだが,帰隊直後,我が隊を直接取り巻く状況は急転した。発信は当分禁止された。(勿論(もちろん)今は解除) 転々(てんてん)と処(ところ)を変へ(え)つつ多忙の毎日を送った。そして今,晴れの出撃の日を迎へ(え)たのである。便りを書き度(た)い。書くことはうんとある。
然(しか)しそのどれもが今までのあなたの厚情(こうじょう)にお礼を言ふ(う)言葉以外の何物でもないことを知る。あなたの御両親様,兄様,姉様,妹様,弟様,みんないい人でした。至らぬ自分にかけて下さった御親切,全く月並(つきなみ)のお礼の言葉では済みきれぬけれど「ありがたふ御座いました(ありがとうございました)」と,最後の純一(じゅんいつ)なる心底(しんそこ)から言って置きます。
今は徒(いたずら)に過去に於(お)ける長い交際のあとをたどり度(た)くない。問題は今後にあるのだから。常に正しい判断をあなたの頭脳は与へ(え)て進ませて呉(く)れることと信ずる。然(しか)し,それとは別個に婚約をしてあった男性として,散って行く男子として,女性であるあなたに少し言って征(ゆ)き度(た)い。
「あなたの幸せを希ふ(ねがう)以外に何物もない」
「徒(いたずら)に過去の小義(しょうぎ)に拘(こだわ)る勿(なか)れ。あなたは過去に生きるのではない」
「勇気を持って,過去を忘れ,将来に新活面(しんかつめん)を見出すこと」
「あなたは,今後の一時(いっとき)一時(いっとき)の現実の中に生きるのだ。穴澤は現実の世界には,もう存在しない」
極(きわ)めて抽象的(ちゅうしょうてき)に流れたかもしれぬが,将来生起(せいき)する具体的な場面々々(ばめんばめん)に
活(い)かして呉(く)れる様(よう),自分勝手な,一方的な言葉ではない積(つも)りである。
純客観的(じゅんきゃっかんてき)な立場に立って言ふ(う)のである。当地(とうち)は既(すで)に桜も散り果てた。
大好きな嫩葉(わかば)の候(こう)が此処(ここ)へは直(じき)きに訪れることだらふ(う)。
今更何を言ふ(う)か,と自分でも考へ(え)るが,ちょっぴり慾(よく)を言って見たい。
●読み度い本(よみたいほん)
「万葉(まんよう)」「句集(くしゅう)」「道程(どうてい)」「一点鐘(いってんしょう)」「故郷(ふるさと)」
●観たい画(みたいが)
ラファエル「聖母子像(せいぼしぞう)」 芳崖(ほうがい)「悲母観音(ひぼかんのん)」
●智恵子(ちえこ) 会ひ度い(あいたい),話し度い(はなしたい),無性に(むしょうに)。
今後は明るく朗(ほが)らかに。自分も負けずに,朗(ほが)らかに笑って征(ゆ)く。
利夫(としお)
智恵子様(ちえこさま)
出典:知覧特攻平和会館 所蔵資料
穴澤利夫大尉「智恵子への手紙」より
【最後の手紙】
[Verse1]
池袋駅で 別れた日
楽しみ胸に 描きながら
二人で力 合わせても
実を結ばずに 終わったね
[Verse2]
転々とした 忙しさ
便りも書けぬ 日々の中
晴れの出撃 迎えれば
言葉はすべて ありがとう
[Chorus]
あなたの幸せ 希うだけ
過去の小義に 拘るな
勇気を持って 生きてゆけ
最後の手紙を 抱きしめて
[Verse1]
桜は散って しまったが
若葉の季節が 来るだろう
御両親様も 兄姉も
皆んな優しい 人でした
[Verse2]
万葉 句集に 道程と
一点鐘や 故郷まで
読みたい本は あるけれど
もう手に取れぬ 空の上
[Chorus]
あなたは今を 生きるのだ
穴澤はもう 居はしない
現実の中で 幸せを
見つけてほしいと 願うだけ
[bridge]
ラファエルの 聖母子像
悲母観音 見たかった
智恵子 会いたい 話したい
無性に恋しい その名前
[Chorus]
白いマフラー 首に巻き
あなたの温もり 抱きながら
朗らかに笑い 征きますと
最後の手紙に 記したよ
[Chorus]
若葉の風が 吹くたびに
あなたをそっと 思い出す
過去を越えても 消えはせぬ
最後の手紙の 愛ひとつ
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