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再生ボタンの向こう / NAGI

NAGI Official

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再生ボタンの向こう / NAGI

47 просмотров · 3 дн. назад
NAGI Official
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47 просмотров · 3 дн. назад
小さなステージの袖で、 名前を呼ばれるのを待っていた。 ライトの向こうには、 いくつかの知らない顔。 歌い終われば拍手があって、 「よかったよ」と言ってもらえる。 嬉しいはずなのに、 帰り道には、 なぜか小さな何かが残っていた。 来られた人にしか、 届かない夜がある。 時間を合わせられた人にしか、 聴いてもらえない歌がある。 そのことを、 まだうまく言葉にできなかった頃のNAGI。 『再生ボタンの向こう』は、 NAGIが「誰かに歌を届ける」ということの意味を、 もう一度見つめ直していく物語です。 会えることには、 会えることだけの幸せがある。 好きな人に会いに行く日。 ライブを楽しみに一週間を頑張ること。 同じ場所で、同じ時間を共有すること。 それは、 『推しがいる日』で描いたように、 音楽がくれる大切な喜びのひとつです。 でも、 すべての人が会いに行けるわけではない。 仕事をしている人。 夜勤を終えた人。 遠くに住んでいる人。 眠れない夜を過ごしている人。 同じ時間に、 同じ場所へ集まれなくても、 歌を必要とする瞬間はある。 ある夜、 ひとつの曲を画面の向こうへ置いた。 誰が聴くのかも知らないまま。 そして数日後、 そこに残されていた、たった一行の言葉。 「眠れない午前二時に この歌を見つけました」 その言葉を、 NAGIは何度も読み返します。 もしあの夜、 ステージの上だけで歌っていたら。 もし同じ時間に、 同じ場所へ来てもらうことだけが 「会う」ということだったなら。 きっと、 この人とは出会えなかった。 午後三時に聴く人。 午前零時に聴く人。 満員電車の中で聴く人。 夜勤を終えた朝に聴く人。 雨の日の車の中で聴く人。 眠れないベッドの上で聴く人。 同じ歌なのに、 聴いている人は みんな違う時間を生きている。 だったら私は、 私の時間ではなく、 あなたの時間に 歌いたい。 会いに来なくていい。 時間を合わせなくていい。 元気じゃなくてもいい。 名前を知らなくてもいい。 言葉を交わせなくてもいい。 あなたが歌を必要としたその瞬間に、 再生ボタンを押したら、 そこから歌が始まればいい。 『再生ボタンの向こう』。 この曲は、 「会えること」の喜びを否定する歌ではありません。 会える時間には、 会える時間の温かさがある。 でもNAGIは、 会えない時間にも 歌が届くことを大切にしたい。 その方法を選んだ、 という一曲です。 16thアルバムで描いてきた いくつもの人生。 朝の満員電車。 ライブへ向かう休日。 夜勤を終えた帰り道。 海沿いを走るひとりの時間。 何でもない夜の食卓。 予定になかった街。 そして、 午前二時の小さな部屋。 NAGIには、 その人たちの顔は見えません。 名前も、 住んでいる場所も、 今日何があったのかも分からない。 それでも、 再生ボタンの向こうには、 確かに誰かの時間がある。 このアルバムで描いてきたのは、 「NAGIが誰かを救う物語」ではありません。 それぞれの人には、 それぞれの生活があって、 悩みがあって、 楽しみがあって、 ちゃんと自分の人生を生きている。 NAGIの歌は、 その人生の主役になるのではなく、 ほんの数分だけ、 その人の隣にいられたらいい。 会える日もある。 会えない日もある。 でも歌なら、 そのどちらにも届くかもしれない。 ステージの灯りより、 小さな画面の向こうで。 拍手が聞こえなくても、 顔が見えなくても。 あなたの時間に 歌が届くこと。 それが、 NAGIが歌い続けたい理由です。 再生ボタンを押したら、 いつでも、 ここにいる。 ―― NAGI 『再生ボタンの向こう』