近江ARS|松岡正剛と「本楼問答・旅考大津・還生の会」
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もうひとつの日本、近江から——近江ARS(おうみ・あるす)プロジェクト動画。「日本を考える思考の拠点を近江にうつしてみる」そう語った松岡正剛のもと、各界の視点がこの地に集う。歩き、見て、聴き、語り合うなかで、近江の風景や歴史、記憶にふれていくと、見慣れたはずの土地が、少しずつ別の輪郭を帯びていく。いま立ち上がりつつある「もうひとつの日本」をたどる記録。2024年夏、松岡正剛が他界したあとも、その輪郭は、近江ARSによって更新されつづけている。
●本楼問答|松岡正剛「もうひとつの日本」を編集する
「近江には、どこにもないものがある。それが何かわからなかった」と松岡正剛は語る。
語り尽くされてきた古都・京都の外側に、なお言葉にならない何かがある。その気配を近江に見出したとき、この場に自分のすべてを注ぎたいと思ったという。やがて松岡の思考の拠点は近江へと移り、近江ARSが動き出した。21世紀に手渡すべきものは、既存の形式ではなく、現実そのものを編み替える「Another Real Style」というあり方なのかもしれない。
●旅考大津|忘れられた日本をめぐる
旅とは、ただ移動することではない。その土地の「奥」に入っていくことであり、その背後にある記憶や時間にふれていくプロセスである。近江ARSでは、こうした思考を持ち帰り、熟成させ、ふたたび立ち上げるための方法を「旅考」と名付けた。田中優子、小堀宗実、森村泰昌らとともに、近江という境界の地において、「別所」という場から現実を見つめ直していく。そこには、「Another Real Style」という、もうひとつの世界が、ゆっくりと立ち現れてくる。
●還生の会|フクザツな仏教をときほぐす
日本仏教を問い直す「還生の会」に向けて、近江ARSは入念な準備を重ねる。松岡正剛と末木文美士(仏教学者)と福家俊彦(三井寺長吏)が組み立てる大胆な仮説と、それを支える場のなかで、室礼や茶菓、巡りの体験を通して、見えにくいものを少しずつひらいていく。感じ、味わい、浮かんだ言葉を交わす。近江ARSは、「わからなさ」を持ち帰り、問いを育てていく。その問いは、まだ答えを急がない。