神謡(かみうた)再章 -光の契り-
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神謡 再章 ― 風・水・光 三連作に寄せて ―
願うことは、ただひとつ。
私たちの子どもたちが、そのまた子どもたちが、戦争を知らず、憎しみに心を奪われず、自らの国と文化を大切にしながら、同時に、他者の命も尊ぶことのできる世界で生きてほしい。
美しい山河を見て、風の声を聞き、水の恵みに感謝し、朝の光に手を合わせられる日本であってほしい。
先人たちが、幾度の苦難の中でも命を繋いできたように、私たちもまた、この時代を次の世代へ渡してゆかなければなりません。
恐れではなく、希望を。
憎しみではなく、祈りを。
断絶ではなく、結びを。
そして争いではなく、平和を。
いつの日か、世界のどこからも戦火が消え、人が人の命を奪うことのない時代が来ることを願って。
その日まで、風は祈りを運び、水は命を繋ぎ、光は私たちの傍らで、静かに灯り続けるでしょう。
私たち日本人は、古くから、
神は遠い天の彼方だけに坐すものではなく、
山に、森に、海に、川に、風に、水に、光に、
そして人の命、その営みの中にも宿るものとして、畏れ、敬い、共に生きてきました。
目には見えなくとも、風は頬を撫で、水は命を潤し、光は闇の中に道を示す。
神は、人を支配するためにあるのではなく、いつも私たちの傍らに在り、ただ静かに見守っている。
それが、この「神謡 再章」に込めた祈りです。
第一章――「風の祈り」。
風は、姿を持ちません。
けれど、確かにそこに在ります。
遠い祖先の祈りを運び、故郷の記憶を運び、まだ見ぬ未来へ、私たちの願いを運んでゆく。
風とは、過去と現在、そして未来を結ぶもの。
私たちは決して、今日だけを生きているのではありません。
数えきれぬ命から受け継いだものを胸に、次の命へ何を残すのかを問われながら、今を生きています。
第二章――「水の調べ」。
水は、すべての命を分け隔てなく潤します。
山から生まれ、川となり、大地を巡り、海へ還り、やがてまた天へ昇る。
その絶えることのない巡りは、命が決して独りではないことを教えてくれます。
人も、自然も、国も、世代も、本来は切り離されたものではない。
受け継ぎ、支え合い、次へと命を渡してゆく。
水の調べとは、その大きな命の循環への祈りです。
そして、
第三章――「光の契り」。
世界には今も、戦火の中で失われてゆく命があります。
憎しみが新たな憎しみを生み、争いが、また次の争いを生んでいます。
そして日本もまた、銃声の聞こえない場所で、私たちが大切にしてきた言葉、文化、歴史、故郷、人と人との結びつきが、気づかぬうちに薄れてゆくような、静かな侵食の時代に立っています。
恐ろしいのは、失うことだけではありません。
失いつつあることに、私たち自身が気づかなくなることです。
けれど――
闇があるからこそ、光は見える。
影があるからこそ、光の尊さを知ることができる。
この歌でいう光とは、誰かが与えてくれる救いではありません。
神が遠くから差し伸べる手でもありません。
神は、すでに私たちの傍らに在る。
そして光もまた、私たち一人ひとりの胸の内にある。
だから、この歌ではこう謡います。
「畏るるなかれ 汝もまた光なり」
希望とは、遠くにある奇跡ではない。
苦境のただ中にあっても、なお誰かを想う心。
守るべきものを守ろうとする意志。
明日を諦めない心。
それこそが、すぐ傍らにある光なのだと思います。
風が祈りを運び、水が命を繋ぎ、そして光が、そのすべてを照らす。
風、水、光。
三つの調べは、別々の物語ではありません。
それは、私たちがどこから来て、何を受け継ぎ、そして何を未来へ渡してゆくのかを問いかける、ひとつの祈りです。
願うことは、ただひとつ。
私たちの子どもたちが、そのまた子どもたちが、戦争を知らず、憎しみに心を奪われず、自らの国と文化を大切にしながら、同時に、他者の命も尊ぶことのできる世界で生きてほしい。
美しい山河を見て、風の声を聞き、水の恵みに感謝し、朝の光に手を合わせられる日本であってほしい。
先人たちが、幾度の苦難の中でも命を繋いできたように、私たちもまた、この時代を次の世代へ渡してゆかなければなりません。
恐れではなく、希望を。
憎しみではなく、祈りを。
断絶ではなく、結びを。
そして争いではなく、平和を。
いつの日か、世界のどこからも戦火が消え、人が人の命を奪うことのない時代が来ることを願って。
その日まで、風は祈りを運び、水は命を繋ぎ、光は私たちの傍らで、静かに灯り続けるでしょう。
神は遠きに坐さず。
私たちの生きる、この世界に。
そして、一人ひとりの心の中に。
どうか、この光が、次の世代へ、そのまた次の世代へと受け継がれてゆきますように。
「神謡 再章 ― 光の契り」
これは、
未来へ託す、私たちの祈りです。
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