「私らのことは、いいから。まず、お食べ」雪の夜、残り少ない粥を分けた一家。助けた娘は、国の姫だった【江戸人情 心結び】
江戸人情 心結び
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「私らのことは、いいから。まず、お食べ」雪の夜、残り少ない粥を分けた一家。助けた娘は、国の姫だった【江戸人情 心結び】
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江戸人情 心結び
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「私らのことは、いいから。まず、お食べ」
雪の降りしきる夜、庄屋の弥兵衛の家に、一人の娘がたどり着きました。
濡れた着物。冷えきった手。そして、そのまま崩れ落ちる体。
釜に残っていたのは、明日の朝まで、家族で分けて食べる粥でした。
おせきは、そこへ水を足し、火に掛けます。
差し出された椀を両手で持った娘は、ひと口すすり、涙を落としました。
けれど、翌朝。
一家のもとへやって来た役人は、思いもよらぬことを言います。
「その娘を渡せ。さすれば、この村の年貢を軽くしてやる」
村を救うために、助けた命を引き渡すのか。
弥兵衛は、役人の前に立ちはだかりました。
一家が守った娘の名は、さよ。
この国の殿様の娘でした。
城の帳面では、用水は直り、年貢も納まっている。
それなのに、村では、明日の食事にさえ困る人々がいる。
届くはずだった訴えは、どこへ消えたのか――。
村の一冊と、城の一冊。
二冊の帳面を開いた時、隠されていた国の姿が見えてきます。
けれど、不正を正すだけでは、人々の腹は満たせません。
姫は、自らの婚礼の品を手放し、村人たちとともに、暮らしを立て直す道を探し始めます。
田を塞ぐ石。
山から運び出せない炭。
古い帳面に使われていた、丈夫な紙。
見過ごされていたものと、人々が持つ腕が、どのように仕事へ、商いへと変わっていくのか。
売れた喜びの先にも、越えなければならない壁が待っていました。
苦しい暮らしの中で差し出された、一椀の粥。
その親切を受け取った姫が、今度は、誰もが食べて暮らせる国を目指して歩き出します。
『一椀の粥が、一国を救う』
恩返しと商い、人々の工夫がつながっていく、全十五章の物語です。
どうぞ最後まで、さよと村人たちの歩みを見届けてください。
心に残った場面や言葉がありましたら、ぜひコメントで教えてください。
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「江戸人情 心結び」では、江戸時代を舞台に、家族の絆や恩返し、人の温かさを描いた創作物語をお届けします。
【音声】
VOICEVOX:青山龍星
【制作】
創作物語・AIイラスト・動画編集
※この物語は江戸時代を舞台にしたフィクションです。登場する人物・藩・商家・出来事はすべて創作です。
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