37年走り続けたノロッコ号が10月10日ラストラン 車窓からの雄大な情景も庶民派から高級路線へ 沿線からは心配の声 JR北海道・釧網線
HBCニュース 北海道放送
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37年走り続けたノロッコ号が10月10日ラストラン 車窓からの雄大な情景も庶民派から高級路線へ 沿線からは心配の声 JR北海道・釧網線
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37年の歴史に幕を閉じる「釧路湿原ノロッコ号」の魅力
JR北海道の黄色線区のひとつである釧網線を37年走り続けた「釧路湿原ノロッコ号」が、10月10日にラストランを迎えます。
自家用車では見ることができない手付かずの大自然を、のんびりと楽しむことができます。
釧路湿原ノロッコ号が誕生したのは、JR発足2年後の1989年でした。観光列車の先駆け的な存在として運行されてきました。
片山侑樹記者
「窓を開けて、風を感じながら、湿原の景色を楽しめるのが特徴です」
魅力は、北海道らしい雄大な自然を五感で味わう開放感です。座席は、窓の方を向き、目の前には釧路湿原が広がります。
乗客
「最高です。川と湿原の感じがいいですね。シカを見たりできて良かったですし、この列車も長い間あったのだなと思って感動しながら乗っていました。」
老朽化限界の中で迎える引退と新たな観光列車「赤い星」
この日、釧路の車両基地ではラストランに向けた整備が行われました。
JR北海道 釧路運輸車両所 和田真澄さん
「当たり前のように日頃の検査をしていたので、実感がまだ湧かないのが正直なところです。機関車は製造から50年を超えていて、客車も45年が経っています。老朽化は否めません。車両を安全に本線を走らせるという意味では限界に近いのかなと感じています」
一見、まだ走れそうなノロッコ号ですが、進む老朽化には抗えません。
ノロッコ号が走る釧網線には、2027年4月から新たな観光列車「赤い星」が走りますが、ノロッコ号の引退を不安に思う声も聞こえてきます。
庶民派から高級志向へ 沿線店舗や地域の不安と期待
塘路駅前で手作りクレヨンなどを販売する岩城朋子さんです。
手作りクレヨン工房 Tuna-kai 岩城朋子代表
「ノロッコ号が走らないときはかなり閑散としているので、人が来ないときは寂しいなと。2027年からこのお店をどうしようかなという心配はあります」
年間6万人が乗車するノロッコ号。折り返し駅の「塘路」では、列車は30分前後停車するため、駅前の店に立ち寄る人も少なくありません。
しかし、新しい観光列車では途中駅になり、停車時間も半分になります。
10月で任期を終える北海道標茶町の佐藤𠮷彦町長も、ノロッコ号にこだわりを持つ一人です。
北海道標茶町 佐藤𠮷彦町長
「沿線というよりも、釧路湿原の観光を牽引していたのがノロッコ号だと思いますね。『赤い星』は高級路線で、金額も食事がつくと3万円前後になります。どれだけの方が継続して利用していただけるかは心配しているところです」
ノロッコ号の片道の料金は1680円。
一方、赤い星は1万4350円で、高級志向に様変わりです。
鉄道アナリストの鐵坊主さんは、高級路線への移行は時代の流れと話します。
鉄道アナリスト系ユーチューバー 鐵坊主さん
「日本全体の人口が減っていて、マーケットが縮小しています。薄利多売よりも、少人数高単価というのが、人口動態や市場的に見ても仕方がないところがあります」
10月10日のラストランを前に、沿線には多くのファンが訪れていますが、写真を撮るためなのか、通信ケーブル用の柱が切られる事案も起きています。
日本で一番遅い列車として親しまれたノロッコ号。
観光の振興と鉄路の維持のために走り抜けた37年でした。