【精神科医解説】うつ病で処方される薬3種を徹底解説(抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬)
こころ診療所チャンネル【精神科医が心療内科・精神科を解説】
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【精神科医解説】うつ病で処方される薬3種を徹底解説(抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬)
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うつ病治療での「主に使う薬3種」を精神科医が徹底解説。
#精神科 #うつ病 #抗うつ薬
0:05 (1)はじめに
0:24 (2)うつ病と薬物療法
5:30 (3)うつ病で使う薬3種
5:34 ①抗うつ薬
10:23 ②抗不安薬
12:18 ③睡眠薬
15:05 (4)まとめ
うつ病は脳の不調のため、休養などと並んで薬での「薬物療法」が大事になります。主には「抗うつ薬」を続けていき、必要時に「抗不安薬」や「睡眠薬」を併用します。
「うつ病で使う薬3種」について、精神科医が16分で解説しています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
こころ診療所吉祥寺駅前 https://kokoro-kichijoji.com
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(1)はじめに
うつ病は脳の不調により起こる精神疾患で、治療には抗うつ薬をメインに使用します。不安で休めない場合などには、補助的に使う薬もあります。今回は、うつ病治療でよく使われる精神科の薬について詳しく解説します。
(2)うつ病と薬物療法
うつ病とは
うつ病は気分障害の一つで、落ち込みが代表的な症状ですが、実際には体の症状など様々な症状を示します。持続的な気分の落ち込みが長期間続き、意欲や興味が薄れるのが特徴的です。治療には時間がかかりますが、適切な治療により改善が見込める回復可能な病気です。
主な症状
*こころの症状*
抑うつ気分:悲しい、絶望的な気持ち
興味や喜びの喪失:好きだったことへの関心が薄れる、楽しめなくなる
思考力や集中力の低下:決断が困難、考えをまとめることが難しい
*からだの症状*
睡眠障害:寝付けない、眠りが浅い(人によっては過眠)
食欲の変化:食欲減退と体重減少(人によっては過食)
易疲労感:だるさ、体の重さ、疲れやすさ
*行動の変化*
表情の変化:表情が暗くなる、話のトーンが弱くなる、涙もろくなる
活動性の変化:落ち着けない焦燥感、または活動性の低下
能率の低下:仕事や学業でのミスの増加、作業が進まない
治療の基本方針
うつ病の治療は、その人の状態に合わせた多角的なアプローチが重要です。精神療法、薬物療法、環境調整を組み合わせて行い、十分な休養を土台とします。
主な治療法は以下の3つです:
1. **休養と環境調整**:十分な睡眠、ストレス要因の軽減、安心できる環境づくり
2. **精神療法**:状態のモニタリング、認知行動療法、内省と振り返り
3. **薬物療法**:脳機能のバランス調整、神経伝達物質の働きの調整
(3)うつ病で使う薬3種
①抗うつ薬
抗うつ薬は、うつ病治療の中核となるメインの薬剤です。脳に働きかけることで気分や意欲の改善を期待し、セロトニンなどの脳内物質のバランスを正常化することを目的とします。ただし、効果の発現には2〜4週間、それ以上かかる場合もあります。
*主な種類と特徴*
*SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)*
セロトニンを選択的に増やす薬で、不安に特に効果的
第一選択薬として使用されることが多い
副作用が比較的少ない
代表薬:セルトラリン、エスシタロプラムなど
副作用:吐き気、頭痛など(数日で慣れることが多い)
*SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)*
セロトニンとノルアドレナリン両方に作用
意欲や活力の向上、痛みへの効果も期待
代表薬:デュロキセチン(サインバルタ)、ベンラファキシン(イフェクサー)など
副作用:血圧上昇、動悸、排尿障害、便秘など
*NaSSA*
異なるメカニズムで効く薬
代表薬:ミルタザピン(リフレックス、レメロン)
特徴:強い眠気、比較的早い効果、眠れないうつ病に効果的
副作用:体重増加、口の渇き
*治療の注意点*
副作用は初期に出やすい
効果には数週間かかるため継続が重要
自己判断での中止は避け、医師と相談すること
維持療法として安定後もしばらく継続が必要
②抗不安薬
抗不安薬は即効性のある不安軽減の薬で、主に補助的な役割を果たします。特に抗うつ薬が効くまでの期間に使用されることが多く、主にベンゾジアゼピン系が使用されます。
*ベンゾジアゼピン系抗不安薬*
GABA受容体に作用して不安を和らげる
鎮静・眠気、筋弛緩の作用もある
代表薬:ロラゼパム、ジアゼパムなど
*副作用と注意点*
眠気、ふらつき・転倒リスク(特に高齢者)
長期使用による依存性
集中力の低下
*使用上の注意*
なるべく短期間の使用が望ましい
定期的使用時は効果の長いものを選択
減薬時は徐々に行い、離脱症状に注意
*非ベンゾジアゼピン系の薬*
タンドスピロン(セディール):依存性が少ないが効果は弱め
ヒドロキシジン(アタラックス):アレルギー薬としても使用
③睡眠薬
うつ病では高頻度で不眠症状が見られ、不眠が続くとうつ病が悪化する悪循環を防ぐために使用します。睡眠の質の改善はうつ病治療において非常に重要です。
*主な種類*
*メラトニン受容体作動薬*
体内時計に作用し、睡眠リズムを整える
安全性が高く、依存性がない
代表薬:ラメルテオン(ロゼレム)
*オレキシン受容体拮抗薬*
覚醒物質の作用を抑制し、自然な眠りをサポート
中途覚醒の改善効果
代表薬:スボレキサント(ベルソムラ)、レンボレキサント(デエビゴ)
副作用:頭痛、悪夢、日中の眠気
*ベンゾジアゼピン受容体作動薬*
即効性があるが依存性に注意が必要
代表薬:エスゾピクロン(ルネスタ)、ゾルピデム(マイスリー)など
副作用:翌朝への持ち越し、健忘、依存性・耐性
*使用の基本原則*
睡眠衛生指導を基本とし、薬は補助的に使用
最小限の使用(量・期間)
定期的な効果と副作用の評価
減薬時は医師との相談が必要
(4)まとめ
うつ病治療では、休養と精神療法と並んで薬物療法が重要な治療法となります。主に使用される薬は以下の3種類です。
1. **抗うつ薬**:治療のメインとなる薬で、効果が出るまで時間がかかるため根気よく続けることが大切
2. **抗不安薬**:不安を取る補助薬で即効性があるが、依存性に注意が必要
3. **睡眠薬**:睡眠を改善する補助薬で、依存性のないタイプもある
これらの薬は、患者さんの症状や状態に合わせて適切に選択・使用されます。治療効果を最大限に引き出すためには、医師との十分な相談のもと、指示に従って服薬を続けることが重要です。
こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-3ニューセンタービル6階、☎0422-26-5695)
#抗不安薬 #精神科医
【監修者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。