「今度の日曜日、会わない?」電話一本かけるだけで緊張した昭和の青春
昭和の帰り道
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「今度の日曜日、会わない?」電話一本かけるだけで緊張した昭和の青春
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昭和の帰り道
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「今度の日曜日、会わない?」――たった一本の電話をかけるだけなのに、胸が高鳴って仕方がなかった昭和の青春。家族みんなが使う黒電話の前で、何度も受話器を持ち上げては戻す若者・まさおの、ささやかな恋の記憶をたどります。
高校を卒業し、小さな工場で働き始めて二年目。毎朝の電車で顔を合わせるようになった洋服店勤務のけいこと、少しずつ言葉を交わすようになったまさお。しかし、今のように気軽に連絡できる時代ではありません。電話は茶の間に一台だけ。相手の家にかければ、父や母が先に出ることもありました。
電話帳にはさんだ番号を何度も確認し、家族の気配を背中に感じながら回すダイヤル。「けいこさんはいらっしゃいますか」と名乗るだけでも緊張したあの頃。やがて受話器の向こうから聞こえた彼女の声に、まさおは勇気を出して日曜日の約束を切り出します。
駅前の時計、映画館、喫茶店、商店街。そして、会えない時間をつないでくれた黒電話。便利ではなかったからこそ、一回の電話や一度の約束が、今より少し大きな出来事に感じられたのかもしれません。