指導教員と学生 同じ関係を見て、三つの場所が違う答えを出した【早稲田大 セクハラ訴訟】
密室の証明
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指導教員と学生 同じ関係を見て、三つの場所が違う答えを出した【早稲田大 セクハラ訴訟】
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密室の証明
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早稲田大学の、ある研究室での話です。
指導教員は、女性の准教授。学生は、男性。大学院に進んだばかりでした。
二人は国内外の出張に一緒に行き、同じ部屋に泊まったこともあります。
その関係が終わったあと、男性は大学にハラスメントを訴えました。
ここから、手続きが枝分かれしていきます。
大学のハラスメント防止委員会と第三者委員会 → ハラスメント行為は認められない
大学(2022年6月)→ アカデミックハラスメントを認定。停職6か月
元准教授が大学を訴えた裁判 → 処分の公表は名誉毀損。大学に約90万円
大学と元学生の和解(2024年5月17日)→ 大学は性交渉とハラスメントを認めて謝罪。解決金100万円
元学生が元准教授を訴えた裁判 → 性交渉は認定。強要は認められず、請求棄却
同じ二人の、同じ関係の話です。それなのに、答えが揃いません。
──
理由は、それぞれの手続きで**誰が何を証明する義務を負うか**が違うところにありました。
大学の懲戒処分で要るのは、就業規則に反する行為があったかどうかの判断です。
刑事裁判ほど厳しい基準ではなく、同室宿泊という外形の事実だけで処分に踏み切れます。
元准教授が大学を訴えた裁判で問われたのは、処分を公表した大学の側です。
公表した内容が本当だったと、大学が証明しなければなりません。それができませんでした。
元学生が元准教授を訴えた裁判で証明する義務を負うのは、訴えた男性の側です。
強要された、という事実を、男性が証明しなければならない。
証明されなかった、は「なかったと証明された」ではありません。この二つは違います。
──
2025年6月12日、東京地方裁判所(鈴木昭洋裁判長)は、男性の請求を棄却しました。
判決が認めたのは、次のことです。
男性と女性との間に継続的に性交渉があった事実を認めることができる。
元准教授は性交渉そのものを否定していましたが、その主張は通りませんでした。
一方で、判決はこうも書いています。
その意思に反して性交渉等を強要された事実を認めることはできない。
理由として挙げられたのは二つ。男性が積極的に好意を寄せていたと認められること。
そして、この裁判でいちばん重い一文です。
指導教員と学生との間における性的関係が、公私を混同するものとして
適切ではないことは当然であるが、そうであるからといって、
学生の真意に基づかないなどというべき根拠に結びつくものではない。
よくないことと、望んでいなかったことは、別だ。
立場の差だけでは足りない、と裁判所は言いました。
2026年4月28日、東京高等裁判所(市原義孝裁判長)も控訴を棄却しています。
男性側は上告したと報じられており、この件はまだ終わっていません。
──
このチャンネル「密室の証明」は、目撃者のいない場所で起きた事件を、
裁判所が何を認定し、何を退けたのかという角度から扱います。
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チャプター
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0:00 同じ関係を見て、三つの答えが出た
1:18 第一章 二人
3:26 第二章 訴え
5:11 第三章 大学は何をしたか
7:29 第四章 誰が、何を証明するのか
9:40 第五章 法廷での二人
11:37 第六章 判決
13:59 第七章 その後
15:22 残された問い
15:59 エピローグ