残像のパレット
Memorable_Songs
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残像のパレット
76 просмотров · 12 дней назад
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部屋の片付け中、現像し忘れていた古いインスタントカメラが見つかる。
現像に出してみると、そこには何気ない日常の笑顔や、ブレた夕焼け、そして相手の屈託のない表情が写っていた。
憎み合って別れたわけではないからこそ、過去の幸福感が胸を締め付ける。
あの頃の約束や二人だけの秘密を愛おしく思い返しながらも、今の自分たちはそれぞれの場所で歩み始めている現実を受け止める。
後悔ではなく「あなたに出会えてよかった」という静かな感謝と、戻らない季節へのやさしい諦念を描いた物語です。
【残像のパレット】
段ボールの隅で眠っていた
プラスチックの小さなカメラ
ダイヤルを回す乾いた音に
置き去りの時間が息を吹き返す
町の角の写真屋へ預けて
待つあいだの胸騒ぎ
今さら何を見たいのだろう
手渡された紙の袋から
こぼれ落ちたあの日の夕焼け
ブレた輪郭の向こうで
無防備に笑う君がいた
痛むほど眩しい光の粒
泣きたいくらい綺麗だった
揃いで買ったマグカップの柄も
二人しか知らない抜け道も
ちゃんと全部覚えているよ
ただの日常が奇跡だった頃
誰も悪くなかったからこそ
しまい込んだ引き出しの奥
鍵をかけ直すみたいに
指先に残るざらついた質感
戻らない日々の輪郭
違う道をえらんだこと
責める言葉はどこにもない
ただ あの季節を駆け抜けた
二人が愛おしいだけ
叶わなかった約束も
果たせなかった未来も
二人でまっすぐ生きていた
消えない証拠だから
もう一度だけ写真を伏せて
ゆっくりと息を吐き出す
巻き戻せない日々の果てで
それぞれの今日を歩いていく
君に出会えてよかったよ
夕暮れの街へ踏み出していく