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「マルチパスウェイ」という言葉に毒された、自動車工業会の思考停止|Japan Mobility Show Bizweek 2026

Andy Kondo - Innovation Analyst

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「マルチパスウェイ」という言葉に毒された、自動車工業会の思考停止|Japan Mobility Show Bizweek 2026

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Andy Kondo - Innovation Analyst
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「個社のロジックの積み上げでは立ち行かない。トップダウンで決める」。そう掲げた日本自動車工業会のテーマ展示は、マルチパスウェイの名の下に、各社の技術を並べた寄せ集めでした。 幕張のJapan Mobility Show Bizweek 2026で、自工会の展示と、会場で配られた新聞を読み比べます。 無料メルマガ Andy's Weekly(週1・欧州と日本のモビリティの見立て):https://andykondo.substack.com 講演・企業向け勉強会のご相談(商用車・物流・電動化):https://andykondo.jp/speaking.html 会場で配られていた日刊自動車新聞の特別号には、自工会の「新7つの課題」と、会長・副会長・理事のインタビューが並んでいました。課題の意義は「個社最適の集合体では、米中の国家戦略に構造的に不利」。会長の佐藤恒治さんは「ある種のトップダウン的な決め方でないと、個社のロジックの積み上げでは多分、立ち行かない」と話しています。 その自工会のテーマ展示の真ん中にあったのが、マルチパスウェイの大きな幕です。ハイブリッドから水素エンジンまで6つの選択肢を並べ、実際に取り組むと書いてあったのは、カーボンニュートラル燃料、幹線輸送の水素トラック、走行中無線給電の3つ。電気自動車を広げる取り組みは、そこに入っていませんでした。 同じ高速道路を走る大型トラックに、道路のコイル、水素、ディーゼルの自動運転と、ブースごとに別々の未来が描かれ、大型の電気トラックは会場のどこにもありませんでした。サーキュラーエコノミーの展示では、電池は「もう一度使う」まで。電池の材料を取り戻すリサイクルは、別の業界団体のブースにありました。 マルチパスウェイは、本来は「場所ごとに理由がある選択」のはずです。それが、答えを決めないことの言い換えになっていないか。各社のブースの中身は、メンバー限定の動画で一社ずつ解説しています。 ■ チャプター 00:00 マルチパスウェイという言葉に毒された自工会? 00:22 会場で配られていた日刊自動車新聞 01:26 自工会の「新7つの課題」 02:28 「個社最適の集合体では不利」「個社のロジックの積み上げでは立ち行かない」 04:06 言ってることと、やってることが違う 05:15 マルチパスウェイの幕:6つの選択肢 06:25 取り組みテーマは3つだけ(CN燃料・水素トラック・走行中給電) 08:45 電気自動車を広げる取り組みがない 09:36 スズキのCBG車と、ダイハツのアンモニアエンジン 10:45 マルチパスウェイは本来「場所ごとの最適解」 12:59 水素大動脈:10年で燃料電池トラック1,500台 14:01 水素が1,000円になっても、水素エンジンは割高 16:08 道路のコイルと、ホンダ三部副会長の「経済合理性を見極める」 17:11 同じ幹線トラックに、三つの未来 19:14 大型の電気トラックは、どこにもなかった 19:55 新聞の商用車の3人が語ったのは、水素 21:00 自動運転:バスは電気、幹線トラックは別々 23:51 サーキュラーエコノミー:電池は「もう一度使う」まで 25:30 電池の材料を取り戻す話がない 27:14 電池リサイクルは、別の業界団体のブースに 28:49 新7つの課題の一番目は「重要資源・部品の安全保障」 29:47 まとめ:個社のロジックを並べた展示 32:20 自工会の入口の言葉と、がっかりしたこと 35:56 次回は自動運転 ■ 関連する動画 ▼ 第1弾:「今さら何やってんの?」走行中ワイヤレス給電なんて無駄すぎる。Japan Mobility Show Bizweek 2026    • 「今さら何やってんの?」走行中ワイヤレス給電なんて無駄すぎる。Japan Mobil...   ▼ IAA Transportation 2026 現地レポート(大型トラックは電気で決まっていた)    • なぜ欧州は40トンのトラックを電気で走らせるのか?もうディーゼルやめます。|IAA ...   ▼ スウェーデンの大型EVトラック充電ステーションは、未来の自動運転ターミナルだった(Einride × NVIDIA)    • スウェーデンの大型EVトラック充電ステーションは、未来の自動運転ターミナルだった|E...   ■ 補足と訂正 事実と僕の見立ては分けて話しているつもりですが、勢いで言い過ぎたところを補足します。 ・14:42 水素エンジンの燃料費:「ディーゼルの2倍ぐらい」と言いましたが、試算では水素1kg1,000円で、ディーゼルの約1.2〜1.8倍です(三菱ふそうの公表値・圧縮水素58kgで700km[社内基準]、大型ディーゼル3.0〜3.5km/L、軽油は2026年10月の全国平均。補助金の有無で幅があります)。軽油に換算すると、1Lあたり約300円の燃料です ・15:51 NOx:水素を燃やしてもCO2は出ませんが、NOxは出ます。大型の水素エンジンは、ディーゼルと同じ尿素水(AdBlue)の後処理で開発される例が多い、という意味です。三菱ふそうのH2ICの後処理方式は確認できていません ・18:38 欧州:EUは大型トラックの新車CO2を2030年に45%、2040年に90%減らす規制を決めていて、メーカー各社は電気トラックを主力に据えています。ディーゼル車の販売がもう終わった、という意味ではありません ・26:11 バッテリーパスポート:EUの電池規則で、EV用電池のデジタル・バッテリーパスポートが義務になるのは2027年2月18日からです(まだ始まってはいません) ・27:14 「BAC」は BASC(一般社団法人 電池サプライチェーン協議会)です ・31:10 新聞の言葉は「米中の国家戦略に構造的に不利」です ・35:03 日野と三菱ふそうは、2026年4月に発足したARCHION(東証プライム上場の持株会社)の傘下です。ダイムラー・トラックとトヨタ自動車が、それぞれ約25%を持つ大株主です ・35:13 三菱ふそうは鴻海(ホンハイ)グループと組み、鴻海側が開発した電気バスを起点に、FUSOブランドのEVバスを展開する方針です ■ 主な出典 ・展示の内容:Japan Mobility Show Bizweek 2026(2026-10-16)の会場パネル(筆者撮影) ・自工会「新7つの課題」と会長・副会長・理事の発言:日刊自動車新聞 Japan Mobility Show Bizweek 2026 特別号(会場配布) ・電池リサイクルの展示:BASC(電池サプライチェーン協議会)のブース(筆者撮影) ・水素エンジンの燃料費の試算:三菱ふそうH2ICの展示パネル(社内評価基準)、全日本トラック協会(大型トラックの燃費の目安)、資源エネルギー庁(軽油の全国平均価格・2026-10-13) ・EUの電池パスポート:Regulation (EU) 2023/1542 ・EUの大型トラックCO2規制:Regulation (EU) 2024/1610 ■ Andy近藤|イノベーションアナリスト 世界の展示会や企業の現場を継続取材し、技術と産業の変化をお伝えしています。 公式サイト:https://www.andykondo.jp note:https://note.com/andykondo 無料メルマガ Andy's Weekly:https://andykondo.substack.com モビリティ産業ニュースレター Andy's Mobility Signals:https://andykondo.jp/briefing.html #マルチパスウェイ #自工会 #JapanMobilityShow #EVトラック #水素 #電池リサイクル #サーキュラーエコノミー #自動運転