【眠れる朗読】せつない恋の昔話「忘れ物屋の恋文」
心ゆるっと眠り図書館【看護師の朗読】
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【眠れる朗読】せつない恋の昔話「忘れ物屋の恋文」
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こんばんは。今日も1日、本当にお疲れ様でした。
心ゆるっと眠り図書館です。
今日は看護師の私が、眠る前の皆さんの心をそっとほぐしながら、静かな昔話をお届けします。
今夜の物語は――
『忘れ物屋の恋文』
山あいを抜ける街道沿いの、小さな宿場町。
そこには、町の人々から「忘れ物屋」と呼ばれる、一軒の古道具屋がありました。
店の名は、時雨堂。
店を守る青年・慎之介は、亡き父から教えられた言葉を大切にしながら、旅人の荷物や、町の人々が落とした品々を預かって暮らしていました。
「預かった物だけではない。その人の想いも預かっていると思え」
そして、もう一つ。
「持ち主の許しなく、中を開けるな」
そんなある春の日、慎之介のもとへ、呉服屋の娘・お糸が忘れ物を探しにやってきます。
最初は、一枚の手ぬぐい。
それから、藍色の巾着、扇子、髪紐、香袋――。
何度も忘れ物をしては、時雨堂を訪れるお糸。
けれど、いつしかその忘れ物は、偶然ではなくなっていきました。
慎之介に会いたい。
もう一度、あの人と話したい。
ただそれだけのために、お糸は小さな忘れ物を残すようになります。
慎之介は忘れ物を預かり、お糸は言えない気持ちを預けていました。
けれど、その想いを伝えられないまま、お糸のもとへ一つの縁談が持ち込まれます。
このまま何も伝えずに、別の人のもとへ嫁ぐのか。
それとも、一度だけ勇気を出すのか。
悩んだ末、お糸は一晩かけて、一通の恋文を書き上げます。
そして翌朝。
どうしても直接渡すことのできなかったその恋文を、お糸は時雨堂の帳面のそばへ、まるで「忘れ物」のようにそっと置いて帰りました。
返事が来たら、縁談を断ろう。
返事が来なければ、それが慎之介の答えなのだと思おう。
そう心に決めて。
けれど、一日待っても。
二日待っても。
慎之介から返事が届くことはありませんでした。
なぜなら慎之介は、その白い封を大切に預かりながらも、亡き父との約束を守り、一度も開いてはいなかったのです。
返事を待つ、お糸。
持ち主が取りに来るのを待つ、慎之介。
互いに相手を想いながら、ほんの少しのすれ違いによって届かなくなってしまった気持ち。
そして、縁談の返事をしなければならない日が、静かに近づいてきます。
これは、「忘れ物」から始まった二人が、一通の恋文を通して本当の想いにたどり着く、やさしく切ない恋の昔話です。
眠る前に、古い宿場町の提灯の明かりや、時雨堂の暖簾が風に揺れる景色を思い浮かべながら、ゆっくりと聴いていただけたら嬉しいです。
▼こんな方におすすめです
・泣ける恋の昔話が好きな方
・すれ違う二人の物語が好きな方
・静かな朗読で眠りたい方
・心を落ち着かせて眠りたい方
・やさしい余韻の残る物語が好きな方
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