十二歳の菜売り娘が、素性も知らぬ男を見習いにした。まさか塀の向こうで、皆が彼を若君と呼んでいたとは… |民話|江戸時代|江戸朗読|昔話
民話夜語り
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十二歳の菜売り娘が、素性も知らぬ男を見習いにした。まさか塀の向こうで、皆が彼を若君と呼んでいたとは… |民話|江戸時代|江戸朗読|昔話
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民話夜語り
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十二歳の菜売り娘・おさよは、母とともに江戸の外れの市で、毎朝なずなを売って暮らしておりました。
幼いころから母の手ほどきを受け、葉の色や根の様子を見ただけで、菜の良し悪しを見分けられるほどの腕前を身につけていたのでございます。
ある朝、そんなおさよの前に、菜の値段すら知らない白い手の若者が現れます。
昨日の売れ残りを高値で買おうとする彼を見たおさよは、黙っていられませんでした。正しいなずなの選び方を教え、ついにはその若者を「見習い」にして、根の洗い方から売り声、銭の勘定まで次々と叩き込んでいきます。
ところが、その若者にはおさよの知らない大きな秘密がございました。
彼は毎朝、市へ遊びに来ていたのではありません。塀の向こうの下屋敷で病に伏す大御前様のため、幼いころに食べたという懐かしいなずなの味を探していたのでございます。
おさよに叱られながら、泥に手を入れ、菜を売り、料理まで覚えていく若者。
そしてついに、おさよ自身が塀の向こうの屋敷へ招かれ、一膳のなずな粥を大御前様の前へ運ぶことになります。そこで彼女は、これまで「見習い」と呼んでいた男の本当の身分を知るのでございました。
なぜ身分ある若者は、毎朝ひとりで市へ通っていたのか。
大御前様が本当に求めていた“味”とは何だったのか。
そして、十二歳の菜売り娘が教えたものは、ただの菜の売り方だけだったのでしょうか――。
民話・江戸時代・江戸朗読・昔話がお好きな方は、ぜひ最後までお楽しみください。
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