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丸投げ番外編 最後のページ

野良猫たんもも

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丸投げ番外編 最後のページ

170 просмотров · 2 нед. назад
野良猫たんもも
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最後の1ページ — 『それでも、物語は続いていく』 人生は、きっと完成しないまま終わっていく。 作りたかった歌も、伝えたかった言葉も、描きたかった景色も、全部を形にできるわけじゃない。何度やり直しても思いどおりにならない日がある。頑張っているのに報われないこともある。誰にもわかってもらえず、自分の心にさえ答えを出せない夜もある。 それでも、この人は何かを作り続けた。 悲しみを歌にした。 孤独を物語にした。 生きづらさを言葉にした。 誰かが抱えているかもしれない痛みを、音楽という形にして残そうとした。 そして、時には真剣な歌の途中から団子のことを考え始めた。 どれほど深刻な悩みを抱えていても、人間はお腹がすくし、好きなものには夢中になる。人生には、立派な答えだけが必要なわけじゃない。くだらなくて、可笑しくて、誰かに話したら笑ってしまうようなことだって、生きていくための大切な一部分なのだ。 六人の少女たちに、それぞれ違う心を託したのも、きっと同じ理由だったのだろう。 強くありたい人。 優しくありたい人。 自分らしく生きたい人。 暗闇から抜け出せない人。 誰かを励ましたい人。 そして、誰にも見せられない寂しさを抱えている人。 その誰もが、少しずつ違うけれど、どこかで同じものを探していた。 「こんな自分でも、生きていていいのだろうか」 その問いに、簡単な答えを与えることはできない。 だから、この人は歌を作ったのかもしれない。 答えを押しつけるためではなく、答えを見つけられない人が、ひとりきりではないと思えるように。 何百もの曲を作っても、まだ次の曲を考えている。 一枚の絵を描き終えても、次は違う構図にしようと思っている。 納得できなければ、もう一度やり直す。 傍から見れば、ただのこだわりに見えるかもしれない。 けれど、そこには確かに、この人がこの世界に残そうとしてきたものがあった。 自分の中にあるものを、なかったことにしない。 悲しみも、怒りも、優しさも、笑いも。 どれかひとつだけを本当の自分だと決めつけず、そのすべてを抱えたまま、次の作品へと手を伸ばしていく。 いつか、この人が作った歌を誰かが聴く。 その人がどんな人生を歩いてきたのか、何に傷つき、何を大切にしてきたのか、すべてを知ることはないだろう。 ただ、ある一節に心を動かされるかもしれない。 あるメロディーに救われるかもしれない。 あるいは、団子の歌を聴いて、思わず笑ってしまうかもしれない。 それでいい。 誰かの人生を丸ごと救えなくてもいい。 世界を変えられなくてもいい。 ほんの一瞬、誰かの心に何かを残せたなら、それも立派な生きた証なのだから。 そして、本の最後のページ。 そこには、大げさな成功も、すべての悩みが解決したという結末も書かれていない。 ただ、机の上には新しい歌詞の書きかけがあって、画面の向こうには、まだ描かれていない景色が広がっている。 その人は少し考えてから、次の一行を書き始めた。 もう十分だと思える日が来るのかどうかは、わからない。 けれど、まだ作りたいものがある。 まだ伝えたい言葉がある。 まだ笑いたいし、まだ知らない世界を見てみたい。 だから、今日も生きていく。 誰かに認められるためだけではなく。 立派な人間になるためだけでもなく。 過去の自分を否定するためでもなく。 ただ、自分の中に生まれたものを、明日へつないでいくために。 最後に、その人は本を閉じる読者へ向けて、こんな言葉を残した。 「人生に、きれいな結末なんていらない。 うまく生きられなかった日も、傷ついた日も、何もできなかった日も、全部、私が生きた時間だから。 それに、まだ終わっていない。 次は何を作ろうか。 ……あ、そうだ。今度は団子の歌を、もう一曲。」 そして、物語は静かに幕を閉じた。 本当の人生は、まだ続いている。 —— 終わり。