クワイエットマン?【Dead by Daylight】ver.22
オプカCH
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クワイエットマン?【Dead by Daylight】ver.22
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二章十話『旧交を温め』
人物紹介
怪異対策特異対応課(通称:特課)
課長:さくら 〈傾向と対策〉
副課長:しおん 〈模倣と知覚〉
飴玉野郎:あめ 〈魂と精神〉
眼帯娘:???(自称さくら)〈時間と空間〉
新入り:成長(なりおさ)伝火郎(でんかろう)〈炎〉
救護係:ピクシー
怪異対策捜査一課(通称:一課)
課長:佐藤 〈不可能と布石〉
副課長:塩見 〈怪雨〉
部下:大須 〈予知夢〉
部下:紫 〈共時性〉
部下:こうじ 〈反重力〉
ーーーー
僕は街を歩いている。
目的地はーーカフェテリア。
何だか優雅な休日を想起しそうになる。
しかし、連れているーーいや、連れられている面々を見れば、
おそらくそんな考えは吹っ飛んでしまうだろう。
スーツ姿の男が五人。
怪異局でも尊敬の眼差しで見られる存在。
一課の方々が勢揃い。
そして、そんな彼らの先頭を、僕が歩いている。
、、、。
どうしてこうなった???
いやいや、おかしい。
絶対におかしい。
せめて後ろの方にちょこんとお供させてもらうくらいじゃないと、
釣り合わない。
僕が、一課には釣り合わない。
そんな僕の様子を察したのか、塩見さんが言う。
「成長(なりおさ)くん、大丈夫だよ。案内してもらうだけでいいから。その後のことは、任せてくれて大丈夫だからね。」
そう言われても疑問が残るので、聞いてみる。
「え、えっと、質問いいですか?」
すかさず、こうじさんが割って入る。
「塩見さんは誰にでも優しいからって、あんまり調子に乗るなよ?」
それを聞き、すかさず大須さんが言う。
「うっわぁ〜、いつにも増して今日はご機嫌斜めだねぇ〜。」
「角度は90度くらいかな?」
「っふふ、それじゃあ落下になっちゃうね。あ、でも。つまりは気分が落ちてるってことだから問題ないか!」
一課は全員真面目だと思っていたのに、
何だか意外だなぁと思っていると、
紫さんが大須さんの頭を叩きながら言う。
「火に油を注ぐな。お前はもっと自重しろ。」
「なんでいつもそうなんだ。」
「ふざけないと死んでしまう病気にでもかかってるのか?」
その様子を見て、塩見さんが言う。
「まあまあ、皆落ち着いて。ごめんね、成長くん。
それで、質問ってなんだい?」
何だか居た堪れない気持ちになりながらも言う。
「えっと、僕がその場所に案内するのは百歩譲って分かるんですけど、何で僕が先頭で、皆さん堂々と歩いて一緒に行く形になってるんでしょうか。」
「僕が言うのも変ですけど、サクラ課長の油断を誘うために、僕一人で表向き行かせて、皆さんは陰から隙を狙う形の方が良かったのではないでしょうか。」
その言葉に、塩見さんは言う。
「そうだね。普通ならそうするか、もっと別の手を使う所なんだけど、課長が今のようにして行った方がいいって言うんだ。」
「課長、そうですよね?」
ずっと静観の構えだった佐藤課長が口を開く。
「ああ。」
少しの沈黙。
そして、塩見さんが言う。
「あの、課長。成長くんにも、その理由を言ってあげてください。」
「ああ、そうした方が良いのか。分かった。」
その様子を見て感じる。
やっぱり、塩見さんの気苦労を思うと気の毒だ。
佐藤課長は続ける。
「特課の新人くん。君はおそらく勘違いしている。」
「アイツーーサクラが本気を出せば、そもそも君は今も好きに動けているだろう。」
「もっと言えば、私は未だに分かっていない。なぜアイツが今こういうやり方をとっているのか。」
「これはアイツの悪い癖だ。同じ師についていた兄弟子として思うが、アイツはいつも一人で全てを解決しようとしている。何もかもな。」
「つまりはだ。アイツがわざわざ証拠を残して君を捕えさせ、自分の所へと来るように誘導しているのは、何かアイツなりの理由があるということだ。」
「私は、アイツ自身がそうする事を望んでいると思っている。」
「だから堂々と私達が行こうが、アイツは決して逃げないだろう。」
そして、少し難しい顔をして、低い声で言う。
「だからこそ、私は問いたい。」
「なぜ、こんな事をしでかしているのか。」
「お前なら、もっといくらでも選択肢があったはずだろ。」
それを聞き、何とも言えない気持ちになる。
確かに。
課長の考えは、ずっと分からない。
佐藤課長の話を聞いて、より分からなくなった。
思えば、僕は課長のことを全く知らない。
課長は、特課に入る時から僕のことをずっと気にかけてくれている。
だけど、僕は自分のことに精一杯で、今も、全く課長の役には立てていないーー。
そんなことを考えていると、目的地が見えてきた。
鼓動が激しくなる。
緊張してしまう。
うっすらと、人影が見える。
サクラさんだ。
そしてーー対峙する。
一番に口を開いたのは、佐藤課長だった。
「サクラ。どういうつもりだ。」
いつもの調子で課長は答える。
「おお、これはこれは。先輩じゃないですか。どうも。ご無沙汰です。」
なんだか、とても余裕を感じる。
今、僕たちは追い込まれているはずではないのだろうか。
「儀礼的な挨拶はいい。そんなことより、今回の件、どう説明をつけるつもりだ。」
「落ち着いてください、先輩。説明も何も、事の顛末ならキンキーのやつに聞いたのではないですか?」
「それはあくまで事実確認としてだけだ。私が聞きたいのは、お前自身の考えだ。」
「そうですね。考え、ですか。」
少しの沈黙。
そして、サクラさんはいつもの調子で答える。
「私は、ずっと変わりませんよ。先輩。」
「そうか。」
佐藤課長は、少しだけ目を伏せる。
「もういい。分かった。」
刹那。
二人は怪能を行使する。
怪能〈不可能と布石〉。
怪能〈傾向と対策〉。
二人の間で、激しい攻防が始まる。
けれど、その余波が街へ及ぶことはない。
佐藤課長は、飛んでくる攻撃に合わせて〈不可能〉をぶつけ、
その威力を相殺している。
一方、サクラさんもまた、
あらかじめ幾重にも〈対策〉を施していた。
街への被害を防ぐため。
そして、僕たちが戦いに干渉しないために。
二人は、互いの力を知り尽くしている。
だからこそ、街は静かなままだった。
最も、例え間に入れたとしても、
とてもついていくことなどできないが。
様子を見て、塩見さんは言う。
「皆さん、とりあえずこうなった以上、少し様子を見ましょう。最悪、私が佐藤課長に加勢します。」
「皆さんは万が一のために待機です。決して街に被害がないようにーー。」
塩見さんが言い終わる前に、異変が起きる。
怪力の乱れ。
そして、現れる。
大型怪異。
サクラさんと佐藤課長は、戦闘をやめる。
少し、周りの様子を窺う。
大型怪異は動かない。
ただ、そこにいる。
そして再び、怪力の起こりを感じる。
佐藤課長が怪力を行使しようとした、その刹那ーー。
崩れた。
大型怪異は、まるで最初から何もなかったかのように、
霧散して消えていった。
「、、、?」
しかし、また大型怪異が現れる。
けれど、また少しして消えた。
一同は完全に困惑する。
何が起こっている?
なぜ現れて、なぜ消える?
ただ一人。
サクラさんだけを除いて。
彼女は、まるでこの瞬間を待っていたかのように、
ゆっくりと前へ出る。
そして、言い放つ。
「ようやく、蹴りがつけられる。」
「この事件にはーー」
少しだけ、笑う。
「“私から”ピリオドを打ってあげようじゃないか。」