動機づけ面接 サマライズ
精神科医 橋本望の依存症精神医学チャンネル
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動機づけ面接 サマライズ
56 просмотров · 7 дней назад
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動機づけ面接(MI)におけるサマライズを、約20分で解説します。テーマは「チェンジトークの花束を作る」。相手の話をただ短くするのではなく、本人が語った変化への願い・理由・力を丁寧に集め、本人に返す方法を考えます。
面接で話をまとめて返したとき、「そうなんです。それで……」と、相手の言葉がさらに広がることがあります。一方、内容は正確なはずなのに、会話が止まってしまうこともあります。その違いを考える鍵は、何を選び、どの順番で、どのような問いとともに返すかです。要約の後に相手が何を語るかまで含めて、サマライズを一つの応答として捉えてみましょう。
はじめに、MIを支える「協働・受容・思いやり・エンパワメント」の姿勢と、開かれた質問・是認・聞き返し・要約からなるOARSを確認します。サマライズは複数の聞き返しを束ねる技能です。支援者が結論を示すためではなく、クライエントが自分の言葉をもう一度聞き、考えを整理できるようにするために用います。相手は自分が話したとき、聞き返されたとき、要約されたときに、自分の言葉を異なる形で聞くことになります。「ここまでの話を大切に聴いていました」というメッセージにもなり、関係を深める働きがあります。
次に、「関わる・フォーカスする・引き出す・計画する」というMIの四つの課題を、丘を越える旅にたとえて見ていきます。上り坂で耳を傾けるのは、DARNと呼ばれる変化への願望、能力、理由、必要性です。頂上付近では、それらを総要約に束ねて鍵の質問を置きます。行動への決意、準備、すでに始めた一歩が語られたら、計画を考える下り坂へ進みます。相手がまだ迷っているときは、計画を急がず、必要な課題に戻ります。面接は決まった順序を一方通行で進むものではなく、相手の現在地を確かめながら進めます。
サマライズには、主に三つの機能があります。
①「集めるサマライズ」:関連する発言をいくつか集め、短く返して、さらに話せるようにする。
②「つなぎのサマライズ」:今の発言と以前の発言を並べ、考えのつながりや両価性を見えるようにする。
③「転換のサマライズ」:話題を変える、次の課題へ進む、面接を締めくくる際の橋渡しをする。
たとえば、「体調をよくしたい」「家族との時間を大切にしたい」「飲酒量を減らせるかもしれない」という本人の発言を集めて返すと、それぞれが孤立した言葉ではなく、本人にとって意味のあるまとまりになります。要約の途中や最後に「ほかにはありますか」と尋ねれば、新たな言葉が続くかもしれません。
両価性を扱うときの接続詞と語順にも注目します。「でも」「しかし」は前半を打ち消すように聞こえやすいため、「そして」「一方で」「同時に」などを使い、双方を尊重して返します。維持したい気持ちを先に、変化へ向かう言葉を後に置くと、本人がその言葉についてさらに話しやすくなる場合があります。どちらの言葉も本人のものとして正確に受け止めることが前提です。たとえば「今の楽しみも失いたくない。一方で、健康のために変えたい気持ちもあるのですね」といった返し方です。
実践のために、総要約を組み立てる四つの手順も紹介します。まず要約してよいか許可を得る。次に、続けてきたことの利点やためらいを短く受け止める。そのうえで、本人が語ったチェンジトークを中心に束ねる。最後に、「付け加えることはありますか」「これからどうしていきたいですか」と開かれた質問を置きます。この手順は固定された台本ではなく、相手との協働を保ちながら要約するための目安です。
パチンコの問題を抱える人の事例では、遊ぶことの魅力を受け止めてから、借金や家族への影響を心配し、「やめたい」と語る言葉を束ねます。電話相談の事例では、苦痛を十分に受け止めたうえで、電話をかけたという行動にも目を向けます。事例を通して、言葉の選び方、順番、最後の確認の問いを具体的に見ていきます。なお、自傷の危険がある場面では、要約の練習よりも安全の確認と必要な緊急対応が優先です。
この動画は、MIを学び始めた方はもちろん、OARSは知っているけれどサマライズが単なる「話の整理」になりやすい方、チェンジトークから計画へのつなぎ方を練習したい方にも向けています。視聴後には、ご自身の面接で「相手が語った変化への言葉」を二つか三つ拾い、短い要約にして返すことから試してみてください。
要約は、支援者が新しい理由を相手に与える作業ではありません。相手が差し出した小さな「花」を覚えておき、本人に確かめながら束ねて手渡す技能です。日々の診療や相談、支援の場で、次にどのような言葉が返ってくるかに耳を澄ませてみてください。
#動機づけ面接 #MI #サマライズ #チェンジトーク#oars
※動機づけ面接関連動画
①動機づけ面接における是認とは?|褒めることとどう違うのか
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※プロフィール
精神科医、医学博士。動機づけ面接国際トレーナーネットワーク(MINT)メンバー。
キングス・カレッジ・ロンドン精神医学・心理学・神経科学研究所にて依存症学修士課程を修了。英国立ギャンブルクリニックで名誉医師として勤務した経験をもつ。
現職は岡山県精神科医療センター臨床研究部長。
依存症に関する臨床・研究・教育・啓発活動に従事している。
NPO法人リカバリーポイント(岡山ダルク・鳥取ダルク)理事。アルコール関連問題学会雑誌編集委員、日本アルコール・アディクション医学会学術評議員。
訳書に『アディクションのメカニズム』(金剛出版)、共訳書に、『最後の一杯』(青土社)、監訳に『マッピングを用いた依存症支援マニュアル』(星和書店)などがある。2022年、依存症の薬物療法に関する論文発表により「小杉好弘記念賞」「岡山医学会脳神経研究奨励賞(新見賞)」「臨床精神神経薬理学会奨励賞」を受賞。
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