月給23万円減額と知り、私はその日のうちに退職しました。地下駐車場で社長「あれは見せしめだ、本気にするな」私「もう辞めましたけど?」――2週間後、うちの主力製品が、作れなくなった
灯り物語
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月給23万円減額と知り、私はその日のうちに退職しました。地下駐車場で社長「あれは見せしめだ、本気にするな」私「もう辞めましたけど?」――2週間後、うちの主力製品が、作れなくなった
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月給23万円減額と知り、私はその日のうちに退職しました。
地下駐車場で社長「あれは見せしめだ、本気にするな」私「もう辞めましたけど?」
――2週間後、うちの主力製品が、作れなくなった
「久我の手当を切る。あれは、見せしめだ。」
課長会議で社長が発したその一言を、私は同僚から聞かされました。
その2時間前、総務部長が私の机の上に置いた一枚の通知。月額二十三万円の職務手当が、来月からゼロになる――しかも四月にさかのぼって、十二月の賞与から差し引くという内容でした。
工業用接着剤メーカーに29年。開発課の主任技師として、会社の売上の七割を支える主力製品「七号」を、私はこの手で作り上げてきました。
けれど、その手当が何の金なのか、社内で正確に知る人間はほとんどいませんでした。若手たちは「久我さんは古株だから」と思っていただけです。
そのわずか9分後、私は退職届を書き上げていました。
理由は、腹いせではありません。二週間前、品質保証課が作成したある報告書に、私は承認印を押しませんでした。データを偽り、まだ取っていない二十四ヶ月の安定性試験結果を「実測」のように見せかけた文書――それに、正直に「推定値である」と書くよう求めたことへの、報復人事でした。
地下駐車場で社長に呼び止められた私に、社長は言います。「あれは見せしめだ。本気にするな。」
私は、答えました。「もう辞めましたけど?」
そして2週間後――主力製品の生産ラインが、突然止まることになります。
一人の技術者が黙ってきた11年間、その沈黙が会社を支えていたことに、誰も気づいていませんでした。
金では買えない「名前」を取り戻す、静かな逆転劇です。
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【本編について】
・全編、音声ドラマ形式の朗読小説です
・ナレーションはAI音声合成ソフト「VOICEVOX」を使用しています
・VOICEVOX:青山龍星
・実在の人物・団体・企業とは一切関係ございません。フィクションです
【こんな方におすすめ】
・理不尽な職場に涙し、スカッとする逆転劇がお好きな方
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