古代ローマの人々は一日中、実際に何をしていたのか?
太古の記憶
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古代ローマの人々は一日中、実際に何をしていたのか?
紀元後100年ごろのローマ。夜明け前の暗がりで、一人の男がトーガの端を押さえ直し、ぬかるんだ道を1キロほど歩いていく。仕事は、屋敷の玄関で主人に頭を下げること。それだけだ。
ローマ人は、遊んでいたのでも、ただ働いていたのでもない。「顔を出すこと」まで、一日の仕事に組み込んでいた。
情報源となった史料
・マルティアリス『エピグラム』4巻8 — https://en.wikipedia.org/wiki/Martial
一日を第一時から第十時まで割った短い詩。挨拶回りで人がすり減る時間から始まる。
・ローマの時間の数え方 — https://en.wikipedia.org/wiki/Roman_t...
日の出から日没を12に分けるので、一時間の長さは夏に約75分、冬に約45分だった。
・ユウェナリス『風刺詩』(朝の挨拶と施し) — https://en.wikipedia.org/wiki/Salutatio
依頼人は朝の挨拶で施しを受けた。ただし風刺詩なので、誇張は割り引いて読む必要がある。
・小プリニウス『書簡集』2巻11 — https://romanletters.org/letters/plin...
紀元後100年、元老院での審理。弁論の持ち時間は水時計で測られた。
・ヴィパスカの青銅板(2世紀、現ポルトガル) — https://journals.ub.uni-heidelberg.de...
鉱山町の浴場の料金や入浴時間の規則。ただし、ローマ市ではなく属州の決まりだ。
・ウィギレス(夜警と消防の部隊) — https://en.wikipedia.org/wiki/Vigiles
朝の行列は、夜通し町を守り、荷を運んだ人々の上に成り立っていた。
・穀物の配給 — https://en.wikipedia.org/wiki/Cura_an...
アウグストゥスの時代、市民の男性およそ20万人が無料の穀物を受け取ったと伝えられる。
ご注意
冒頭の男は、実在の特定の人物ではなく、史料に残る無数の依頼人の姿を一人にまとめた再現です。史料の書き手は都市の上層に偏っていて、奴隷や女性の一日は、ほとんど残っていません。
最後に
朝の玄関の行列は、無駄だったのか。それとも、目に見えない信用を買う仕事だったのか。
あなたの毎日にも、「顔を出すだけの時間」はありますか? ぜひコメント欄で教えてください。