夫婦で歩いた50年、言えなかった「ありがとう」|こころの演歌堂「あなたの台所」
こころの演歌堂
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夫婦で歩いた50年、言えなかった「ありがとう」|こころの演歌堂「あなたの台所」
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長い年月を一緒に歩いていると、
「ありがとう」という一言ほど、
かえって言えなくなることがあるのかもしれません。
毎日の食事も、
台所から聞こえる包丁の音も、
湯気の向こうにいるその人の姿も。
ずっとそこにあるのが当たり前だと思っていたものが、
ある日突然、とても大切なものだったと気づくことがあります。
『あなたの台所』は、
長年連れ添った大切な人のために、
これまで任せきりだった台所へ初めて立つ人の物語です。
包丁を持つ手はぎこちなく、
玉葱ひとつさえ転がしてしまう。
それでも、
上手に作ることよりも大切なのは、
「今度は私が」
という、小さな決心でした。
好きだと言えなかった五十年。
してもらうことに慣れてしまって、
どれほど支えてもらっていたのか、
その時には気づけなかった。
そんな思いをお持ちの方も
いらっしゃるのではないでしょうか。
この歌は、
「もっと早く気づけばよかった」
という後悔だけを歌うものではありません。
遅くても、
不器用でも、
今日できることを一つしてあげる。
そして、
今日という一日を大切な人と一緒に過ごす。
そんな夫婦の静かな愛を歌った演歌です。
長い人生をともに歩いてこられた皆さまへ。
言えなかった「ありがとう」も、
照れくさくて口にできなかった気持ちも、
一緒に過ごしてきた年月の中に
きっと残っているのだと思います。
この歌を聴きながら、
長くそばにいてくれた大切な方を
そっと思い浮かべていただけましたら幸いです。
――――――――――
『あなたの台所』
――――――――――
あなたがいつも 立っていた
小さな台所 今日は私
病院帰りの 背を見れば
何か作ろうと 思ったの
包丁持つ手 ぎこちなく
玉葱ひとつ 転がした
あなたの台所 借ります
上手じゃなくても 作ります
好きだと言えない 五十年
食べることだけ 任せてた
今度は私が 湯気の向こう
あなたの顔を 待つ番ね
味噌は少なめ だったよね
思い出しつつ 味をみる
「焦げてるよ」と 笑う声
久しぶりだね その笑顔
看病なんて 大げさな
言葉はいらない 一皿で
あなたの台所 今日からは
私も少し 覚えます
治る約束 なくたって
今日を一緒に 食べましょう
形の悪い 煮物でも
あなたの前へ そっと置く
二人で箸を 手に取れば
湯気がゆっくり 上がってく
こころの演歌堂では、
人生を長く歩んでこられた方の記憶やお気持ちに
そっと寄り添うオリジナル演歌をお届けしています。
夫婦の歳月。
家族への想い。
言えなかった「ありがとう」。
過ぎた日々への懐かしさ。
そして、今日を一緒に生きること。
言葉ではなかなか伝えられないお気持ちを、
一曲の演歌が代わりに歌うことができましたら幸いです。
もし今、
長くそばにいてくださった方へ
伝えたい「ありがとう」がございましたら、
どうぞそのお気持ちを大切になさってください。
皆さまの大切な思い出とともに、
ゆっくりお聴きいただけましたら嬉しく思います。
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