[御祓姬]Mystery ─ 女神降臨 ― 卑弥呼
Liu Julian
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[御祓姬]Mystery ─ 女神降臨 ― 卑弥呼
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Liu Julian
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Image collaboration with ChatGPT
Music in collaboration with Suno AI
原作の内容(日本語訳):
「見事な月だ……。今宵もまた、満月か。」
蔵助は櫓の上から夜空を仰ぎ、円く冴えわたる月をしばし見つめた。
その月影は、かつて隠岐島へ渡海した折に仰いだ月と、寸分違わぬほどによく似ていた。潮風に吹かれながら見上げたあの夜の光景が、ふと胸の奥によみがえる。
やがて月から目を離すと、蔵助は城内外へ視線を巡らせた。
内郭も外郭も、どこにも異変はない。兵らの交代も滞りなく、夜は静まり返っている。
――今宵もまた、何事もなく夜が明けるのであろう。
そう思った矢先であった。
雲ひとつない西北の夜空に、突如として白く輝く光の塊が現れた。
その光は、流星のように落ちるでもなく、鳥のように羽ばたくでもない。ただ一定の速さを保ちながら、まっすぐ白鳥城へ向かって飛来してくる。
蔵助の表情が引き締まった。
素早く箙から鏑矢を一本抜き取り、弓につがえる。
その白光から片時も目を離さぬまま、もし少しでも様子がおかしければ、即座に鏑矢を放ち、城中へ危急を知らせるつもりであった。
光はみるみる近づいてくる。
やがて、その中に包まれた姿まで肉眼ではっきりと見て取れる距離となった。
そこにいたのは、一柱の女神であった。
端然たる容貌に慈愛を湛えた眼差し。
両の鬢には長く編まれた髪を垂らし、その装束は古墳の昔を思わせる古雅な姿である。
全身は淡い神光に包まれ、まるで夜空そのものを渡るかのように城へ向かって飛んでくる。
さらにその背には、幾筋もの狐の尾を思わせる白銀の毛並みが長く曳かれ、風を受けるたびに、尾花の穂のように柔らかく揺れていた。
蔵助は一瞬、息を呑んだ。
矢を放つ間もない。
女神は光をまとったまま本丸御殿へ一直線に飛び込み、そのまま開かれた窓をすり抜けるようにして、音もなく姿を消した。
「曲者だ! 曲者が本丸へ侵入したぞ! 総員、急ぎ城へ戻れ!」
蔵助は声の限りに叫ぶと、ためらうことなく鏑矢を天へ放った。
ヒューッ――。
鋭い響きが夜気を裂き、鏑矢は月明かりの彼方へ吸い込まれるように飛び去っていった。