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箱を開けるまで、決まっていない──それは本当か シュレディンガーの猫

情報哲学チャンネル〜思考の枠を外す

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箱を開けるまで、決まっていない──それは本当か シュレディンガーの猫

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箱の中に、一匹の猫がいます。 仕掛けによって、猫は毒ガスで死ぬかもしれないし、死なないかもしれない。 そして、こう言われます。 箱を開けて観測するまで、猫は「生きている状態」と「死んでいる状態」の、 重ね合わせにある——。 量子力学の不思議さの象徴として、あまりにも有名な話です。 Tシャツになり、マグカップになり、映画やアニメにも登場します。 けれども、今日は最初に、結論を言ってしまいます。 猫が、生と死の重ね合わせになるわけが、ありません。 そしてこのことを誰よりもよく知っていたのは、 ほかならぬ、この思考実験を作った本人でした。 ────────────────── 00:00 誰もが知っている、あの猫 00:42 今日は最初に、結論を言ってしまいます 01:05 一九三五年、春、オックスフォード 01:13 なぜ彼はドイツを去ったのか 01:40 アインシュタインからの、一通の手紙 02:21 その応答として、彼は思考実験を考え出した 02:54 標準的な解釈に、厳密に従うなら 03:23 「こんなにも馬鹿げた結論になるじゃないか」 03:31 猫は、マスコットではなく、抗議だった 03:47 「誰よりも明確な定式化だ」 03:55 「重ね合わせ」とは、何か 04:21 「どちらか分からない」という意味ではない 04:27 握った手の中のコインとは、違う 04:54 ここまでは、何も神秘的ではありません 04:57 問題は、ここからです 05:07 では、猫とは何か 05:32 無数の分子の運動を捨てて、「三十八度」と呼ぶ 05:42 ボルツマンが見抜いていたこと 06:03 猫を作る原子は、およそ十の二十八乗個 06:39 「生きている」も「死んでいる」も、粗いラベル 06:54 この二つは、別の階層に属する、別の言語 07:05 ハンマーは重い。では、その音楽は重いか 07:21 カテゴリーミステイク 07:47 問いの形が間違っていたのだから、答えは出ない 08:07 そして九十年、論争が続いた 08:14 それでも、問いは残る——実際には何が起きているのか 08:56 デコヒーレンス 09:04 重要なのは、そのタイミングです 09:29 人間の視線が猫の運命を決める、という絵は消える 09:51 ただし、誠実に、言い添えておきます 10:08 物理学はまだ、最終的な答えを出していません 10:24 偽の謎を溶かすと、本物の謎の輪郭が鮮明になる 10:32 不気味だったのは、世界ではない 11:29 九十年間、猫が背負わされてきた看板 11:40 猫に、罪はありません ────────────────── ■ この回で触れた人と文献 ・シュレーディンガーの原論文  E. Schrödinger, "Die gegenwärtige Situation in der Quantenmechanik,"  Naturwissenschaften 23 (1935)。  猫が登場するのは、この論文のごく一部です。  量子力学の解釈が抱える問題を並べた論文の中の、一つの例として出てきます。 ・アインシュタインとの往復書簡  K. Przibram (ed.), Briefe zur Wellenmechanik (1963)。  邦訳『波動力学形成史』(みすず書房)。 ・シュレーディンガーの亡命  1933年、ナチス政権下のドイツを離れています。  彼自身はユダヤ系ではなく、地位を保とうと思えば保てました。  新しい政権の方針に同意できないという理由での、自発的な離職です。 ・デコヒーレンス  H. D. Zeh, Foundations of Physics 1 (1970)  E. Joos & H. D. Zeh, Z. Phys. B 59 (1985)  W. H. Zurek, Phys. Rev. D 24 (1981); Rev. Mod. Phys. 75 (2003)  量子的な干渉が、環境との相互作用によって  事実上回収不能になる過程。実験でも確認されています。 ・カテゴリーミステイク  G. ライル『心の概念』(1949)で導入された言い方です。 ■ この回で、どこまでが通説か 「重ね合わせ」がミクロの対象について実験で確かめられていること、 デコヒーレンスが人間の観測よりはるかに手前で完了することは、 いずれも物理学の通説です。 一方、「では、なぜ他ならぬこの結果が現れたのか」という問いには、 物理学はまだ最終的な答えを出していません。 解釈をめぐる議論は、いまも続いています。 動画でも、そう述べています。 「猫のパラドックスはカテゴリーミステイクである」という整理は、 私自