「今年はAI活用を進める」で止まる会社へ|手段が目的になっていませんか【第7回】
金沢機工のITコーディネータ
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「今年はAI活用を進める」で止まる会社へ|手段が目的になっていませんか【第7回】
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社長、DX推進やAI活用に振り回されるのは、もうやめませんか!【第7回】社長、御社はどこへ行きたいのでしょうか|DXでもAIでもなく、「会社の姿」を考える
ある会社では、「今年はAI活用を進める」が重点方針になりました。ところが社員から、「AIを使った結果、会社はどうなれば成功なんですか」と聞かれ、答えが止まってしまいました。AIを使うこと自体が、いつの間にか目的になっていたのです。
手段が目的になると、社員は「何のためにやるのか」を見失います。そして、経営側も、その取り組みが本当にうまくいったのかどうか、投資効果を判断できなくなります。
■本パートの内容
・そこまでして、会社を変える理由
今までの仕組みを変える。社員にも新しい仕事を覚えてもらう。一時的には現場の負荷も増えるかもしれない。そこまでして会社を変えるのであれば、当然「何のために変えるのか」が必要になります。ここで、変革推進体制の3本柱――方向・共通理解・実行――のうち、一つ目「方向」(どこへ行きたいのか)の話になります。
・DX、生成AI、ペーパーレスは「目的地」ではなく「手段」
社長が「今年はDXを進める」「生成AIも積極的に使おう」「ペーパーレスも進めよう」と言います。一つ一つは、間違っていません。でも、社員が本当に聞きたいのは、「それで、会社はどうなりたいんですか」という問いです。DX・AI・ペーパーレスは、多くの場合、会社の目的地ではありません。決めるべきなのは、その先にある「会社の姿」という目的地の方です。
・「会社の姿(方向)」とは、例えばこういうこと
・ベテランに頼らなくても、若手が一定品質の仕事をできる会社
・営業が、社内資料より、お客様への提案に時間を使える会社
・人が今ほど採れなくても、今のサービスを維持できる会社
・価格だけでなく、提案力や対応力でお客様から選ばれる会社
これが、方向です。
・同じ施策でも、「方向」の有無で意味が変わる
例えば「営業資料の作成を、AIで速くする」という施策。これは、正しいのでしょうか、それとも正しくないのでしょうか。答えは、方向によって変わります。会社の方向が「営業がお客様と話す時間を増やしたい」であれば、AIによる資料作成の効率化はそのための手段になります。一方、方向がないまま「とにかく資料作りを速くしよう」と進めると、なぜ速くするのかが曖昧なままになります。施策は同じでも、投資判断はまったく違うものになるのです。
・目的地が決まれば、手段は複数ある
例えば「ベテランの知識を、若手も使えるようにしたい」という目的地が決まれば、生成AI、社内検索、動画マニュアル、仕事の標準化など、複数の手段が見えてきます。そもそも、ITを使わないという選択肢もあります。どれが最適かは、目的地が決めます。逆に「生成AIで、何かやりましょう」から始めると、この順番が逆になり、社内で使える仕事を無理やり探すことになります。
・技術が、経営の可能性を広げることもある
ただし、順番が逆になることが悪いわけではありません。新しい技術を知ったことで、「こんなことができるなら、こういうサービスもできるかもしれない」という発想が生まれることもあります。だからこそ、経営とITは、一方通行だけでなく、往復していいのです。会社の将来を考える、新しい技術を見る、また経営へ戻る——この往復です。ただし、最後は必ず「それで、我々はどんな会社になりたいのか」という問いへ戻ります。
・決めるのは、経営です
IT担当者にも、外部のコンサルタントにも、生成AIにも、最終的には決められません。ただし、これは社長一人ですべて決めるという意味ではありません。現場に聞く、管理職に聞く、お客様の声も聞く、外部の視点をもらう——それでよいのです。ただし、「我々はこちらへ行く」と決める責任は、経営側にあります。
・方向を考える、2つの問いから始める
・3年後、5年後、お客様へどんな価値を出したいのか
・社員には、どんな仕事へもっと時間を使ってほしいのか
理想だけでなく、現実の制約も踏まえながら、少しずつ言葉にしていきます。
■この動画を見るメリット
・DXや生成AIの導入を検討する前に、「何のために変えるのか」という会社の方向を確認する重要性を理解できます
・「AIを使うこと」自体が目的化してしまう失敗パターンから抜け出すための考え方を得られます
・「営業資料をAIで速くする」といった同じ施策でも、会社の方向の有無によって投資判断がまったく変わることを具体例で理解できます
・目的地が決まれば、生成AI以外にも社内検索・動画マニュアル・業務標準化など複数の手段を比較できるという考え方を持ち帰れます
・「経営とITは往復していい」という柔軟な考え方から、技術起点の発想と経営起点の発想、両方の活かし方が分かります
・「会社の方向」を考えるための、3年後・5年後を見据えた具体的な2つの問いを、自社に当てはめて整理できます
■こんな方におすすめです
・「今年はDX・AIを進める」と方針を掲げたが、社員から「それで会社はどうなりたいのか」と聞かれて答えに詰まった経営者の方
・生成AI導入や業務効率化の施策が、目的が曖昧なまま進んでしまっていると感じる方
・DXやAIといった手段が、いつの間にか目的になってしまっていると感じている方
・ツールありき(生成AIで何ができるか)でDXを進めてしまい、社内での活用が広がらないとお悩みのDX担当者・管理職の方
・新しい技術から発想を広げつつも、最終的には経営としての方向性をきちんと持ちたい方
・「会社の方向」や「あるべき姿」を、抽象的なスローガンではなく具体的な言葉にしたい中小企業の経営者の方
■話者プロフィール
吉田 序彦(よしだ じょひこ)
金沢機工株式会社
・経済産業省推進資格 ITコーディネータ(石川県情報化支援協会会員/ITコーディネータ富山会員)
・ITストラテジスト(日本ITストラテジスト協会会員)
中小企業のDX推進・生成AI活用の現場に携わる中で見えてきた「なぜ、いろいろ取り組んでいるのに会社は変わらないのか」という共通の課題を、経営者の皆様に向けて分かりやすく発信しています。
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【「社長、DX推進やAI活用に振り回されるのは、もうやめませんか!」全25パート構成】
パート1 本当に考えたいのは、DXでもAIでもありません~このシリーズで経営者の皆さんと一緒に考えたいこと~
パート2 いろいろ取り組んでいるのに、なぜ会社は変わらないのか~4つのケースから考えてみる~
パート3 「変革推進体制」とは何なのか~特別なDX部門を作ることとは少し違います~
パート4 会社は、なぜ「変わらない」ようにできているのか~会社を支えてきた「継続する力」~
パート5 会社を守るために、会社を変える~「継続する力」と「変える力」がぶつかるとき~
パート6 現場は本当に「抵抗勢力」なのでしょうか~「変えたくない人」ではなく、「守らなければならない人」かもしれません~
パート7 社長、御社はどこへ行きたいのでしょうか~DXでもAIでもなく、「会社の姿」を考える~(本動画)
パート8 「会社のあるべき姿」を、どう考えればいいのでしょう~経営者に考えていただきたい5つの問い~
パート9 社長は「結論」だけを話していないでしょうか~社長には必然、社員には突然~
パート10 社員全員の「腹落ち」を待つ必要はありません~共通理解と全員一致は、同じではありません~
パート11 経営方針を「自分の仕事」まで下ろせていますか~管理職は、変革の翻訳者です~
パート12 「みんなでやりましょう」では、なぜ進まないのでしょう~変革を前へ動かす「実務責任者」~
パート13 責任者を決めても、それだけでは進みません~時間・予算・権限、そして「何をやめるか」~
パート14 AI利用率が上がれば、会社は良くなったのでしょうか~KPI・評価・データ・セキュリティを考える~
パート15 御社は今、どの状態に近いでしょうか~8つの「不完全な変革推進体制」~
パート16 社長には明確。でも、現場が動かない~トップ先行型の会社をどう立て直すか~
パート17 みんな賛成なのに、なぜ何も進まないのでしょう~実行責任不在型の会社~
パート18 社長と責任者だけで、改革を進めていないでしょうか~現場から「押し付け」に見える改革~
パート19 現場は動きたい。でもトップの方向がまだ明確ではない~ボトムアップ型から経営へつなぐ~
パート20 できる人一人に、全部集めていないでしょうか~「孤独なDX担当者」をつくらない~
パート21 管理職が真面目に仕事を守るほど、改革が止まる?~日常業務と変革の板挟みをどう解くか~
パート22 「また改革ですか」と言われる会社~変革疲労から、どう信頼を取り戻すか~
パート23 体制はあるのに、なぜ進まないのでしょう~名目上の体制と、実際に動ける体制は違います~
パート24 全部そろっていなくても、変革は始められます~一つの困り事から「変えられる会社」を育てる~
パート25 最後に会社へ残すべきものは、「変える力」です~DXの前に、AIの前に、「会社を変えられる会社」をつくる~
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■関連キーワード
会社の方向とは/DX 目的化/生成AI 目的が曖昧/手段の目的化/AI活用 目的/AI導入 経営戦略/DX戦略 立て方/経営方針 具体化/会社のあるべき姿/経営とIT 往復/目的地から逆算する経営/業務標準化/IT投資判断 基準/中小企業DX戦略/変革推進体制 方向/経営理念 具体化/DXが進まない理由/生成AI 経営判断/組織変革/経営改革/ITコーディネータ/ITストラテジスト/よしだ じょひこ/吉田序彦/金沢機工
■次回予告
次回パート8「『会社のあるべき姿』を、どう考えればいいのでしょう」では、「あるべき姿と言われても簡単には出てこない」という経営者の方に向けて、方向を具体化するための5つの問いをご紹介します。続きが気になる方は、ぜひチャンネル登録をお願いいたします。
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