ロシアの学校で手榴弾投げコンテスト 撮影担当の教員が記録 「プーチンの愛国教室」本編映像
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2026年10月3日より劇場公開される、本年度アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した「プーチンの愛国教室」から、ロシアの学校で行われている手榴弾(しゅりゅうだん)投げコンテストや射撃の体験授業を記録した、本編映像が公開された。
本編映像は、共同監督のパヴェル・タランキンが、勤め先の学校で自ら撮影したもの。最初に映し出されるのは、上級生を対象とした手榴弾投げコンテストの様子。校庭の端では、そんな先輩たちをまねる下級生の子どもたちの姿も捉えられている。続いて映されるのは、軍人による射撃の体験授業。旧ソ連時代の“大祖国戦争”(旧ソ連が第2次世界大戦中に行った対ドイツ戦を指す、ロシアでの呼称)で使われたさまざまな武器が並べられ、使い方を教わった幼い生徒たちが、興味津々にそれを手に取る。カメラを構えるタランキンに、無邪気に銃口を向ける子どもの姿も収められた映像となっている。
本作に登場する学校の様子は、タランキンに加え、共同監督のデヴィッド・ボレンスタインが手配した撮影クルーも撮影しているが、実際に本編に採用されたのはタランキンの映像が多かったという。その理由についてボレンスタイン監督は、「私たちの撮影チームのほうが良いカメラを使っていますし、画質も画面構成も、映像の単純なクオリティという意味では高いと言えるでしょう。でも、映画に使いたくなるのはいつもパーシャ(タランキン)の映像でした。なぜかというと、彼だけの個性があるからです」と語る。さらに、「パーシャは何年も学校に勤め、子どもたちと楽しい時間を過ごしてきました。彼がその場にいることやカメラを回していることがごく自然で、子どもたちは彼の前でありのままのリラックスした姿を見せているんですよね。彼が作り上げた“パーシャの教室”は愛と自由にあふれていて、あの温かい空気感は彼にしか捉えることができません」と明かしている。
「プーチンの愛国教室」は、ウクライナ侵攻後からロシアの教育現場で行われている愛国教育の全貌を暴き出したドキュメンタリー映画。ロシア・ウラル山脈の麓の小さな田舎町にあるカラバシュ初等・中等学校。タランキンは、母校でもあるここで、イベントを企画し記録する撮影担当教員として勤務していた。子どもたちの何気ない日常や成長の瞬間をビデオカメラに収め、よき話し相手として彼らを支える自身の職業を、タランキンは心から誇りに思っていた。しかし2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったことで、彼らの日常は一変する。プーチン大統領の教育令により、学校は子どもたちに戦争参加を使命として教え込み、訓練する「愛国教育」の場へと変貌していく。
プーチン大統領は、学校でこうした愛国教育を進める意図について、「国が転換点を迎える時、教師の役割こそがカギを握る。勝利に導くのは指揮官ではなく教師たちだ」とインタビューで語っている。国家が市民を扇動し、急速的に戦時下へと突き進んでいくなか、教育現場を侵食していく愛国プロパガンダの実態が、当事者の視点からかつてないほど鮮明に映し出されていく。タランキンは、ロシア学校教育の現状を世界に告発するため、国外のアメリカ人ドキュメンタリー作家のデヴィッド・ボレンスタインと共同で本作を極秘裏に制作。ロシア国内で数多くの戦争批判者が投獄され、厳しい監視体制が敷かれている極めて危険な状況のなか、約2年間をかけて完成に至った。
【作品情報】
プーチンの愛国教室
2026年10月3日(土)シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
配給:トランスフォーマー
© 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.