やる気が出ない…「うつ病で何もしたくなくなる理由3つ」を精神科医が解説します。
こころ診療所チャンネル【精神科医が心療内科・精神科を解説】
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やる気が出ない…「うつ病で何もしたくなくなる理由3つ」を精神科医が解説します。
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やる気(意欲)が出ない等「うつ病で何もしたくなくなる理由3つ」を精神科医が徹底解説。
#精神科 #うつ病 #何もしたくない
0:05 (1)はじめに
0:27 (2)うつ病で何もしたくなくない
3:35 (3) うつ病で何もしたくなくなる理由3つ
3:43 ①意欲の減退
5:28 ②疲労・倦怠感
7:22 ③失敗の先読み
9:16 (4)うつ病で何もしたくない時の対策
11:16 (5)まとめ
うつ病ではしばしば「何もしたくない」状態が続き、慢性化につながるなど大きく影響が出ます。直接的な症状(「やる気が出ない」意欲の減退)をはじめ、いくつかの理由が複合します。
「うつ病で何もしたくなくなる理由3つ」について、精神科医が11分で回答しています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)
こころ診療所吉祥寺駅前 https://kokoro-kichijoji.com
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↓詳しい内容はこちらです。
(1)はじめに
うつ病では、さまざまな症状から「何もしたくない」という状態が続くことがあります。今回はその主な理由を3つに整理してみます。
まず前提として、うつ病は落ち込みが目立つ脳の不調です。単なるストレス反応ではなく、セロトニンが不足するなど脳のレベルで起きている不調と考えられています。
症状は落ち込みが有名ですが、実際にはさまざまな形で現れます。こころの症状としては不安ややる気の低下、からだの症状としては不眠やだるさ、めまいなどの自律神経症状。さらに思考力や判断力が本調子でなくなる脳機能の不調も生じます。これらが重なり、生活にも幅広く影響が及びます。
またうつ病には3つの病期があります。症状が強く休養が最優先の「急性期」、安定はしてくるもののやる気が戻りにくい「回復期」、活動が増え再発を防ぎながら社会復帰する「再発予防期」です。
(2)うつ病で何もしたくない
「何もしたくない」という状態は、うつ病でしばしば経験されます。特徴的なのは長期化しやすいこと、そして治療経過にも影響することです。この状態が長く続くと活動が増えず、慢性化しやすくなります。
現れ方は時期によって違います。急性期では、人によっては「何もしたくない」がもっとも強く目立ちます。よくあるのは、休職するなど休養に専念し始めた直後に強まるケースです。これは反応として出るものなので、過度に心配する必要はありません。疲れが出ているところでもあり、治療としてしっかり休養を続けることが対策になります。
一方、回復期の「何もしたくない」は多くの方が経験します。こちらは待ってもなかなか改善せず、長引きやすいのが特徴です。急性期では休むことが対策でしたが、長期化している場合は、やる気が出るのを待つよりも動くことが対策になりやすくなります。
(3)うつ病で何もしたくなくなる理由3つ
①意欲の減退
1つ目は意欲の減退です。うつ病の症状として意欲が大きく減り、何もしたくない状態になります。
たとえば、ちょっとしたことでも段取りを組む気が起きない。メールやSNSの返信を出す気がせず、人間関係にも影響が出る。外に出るにも準備が必要ですが、それ自体が億劫で、いわゆる引きこもりに至る場合もあります。
関係する症状は、まず意欲の低下。これは何もしたくないことに直結します。似たものに興味の減退があり、物事への関心が失われる結果、何かをする気も失われます。さらに物事を楽しめなくなるアンヘドニアもあり、楽しめないためやろうという気持ちも減ってしまいます。
注意したいのは、待つと慢性化しやすい点です。やる気が出るまで待とうと動かないでいると、刺激が入らないまま1日が過ぎます。刺激がないのでやる気も出ず、また待つ。これが繰り返されて膠着状態になり、慢性化しやすくなります。
②疲労・倦怠感
2つ目は疲労と倦怠感です。うつ病では疲れやすくだるさが目立ち、動きにくくなって何かをする気力も削がれてしまいます。
だるさから布団を出ることさえ億劫になる。朝、体が重くて起きる気がせず、そのまま時間が過ぎる。少し動いてもすぐエネルギーが切れ、そのきつさを覚えているため、また動きたくなくなる。こうした形で現れます。
関係するのは、鉛のように体が重い倦怠感、少し動いただけで疲れる疲れやすさ、そして疲労の持続です。疲れ切ったあとにしっかり休んでも疲れが取れず、人によっては長期化します。
ここでも対策は時期で変わります。急性期なら休養が最優先。長期化している場合は休んでも意欲が出てこないため、逆に動いて刺激を入れることが大事です。ただし動ける時に動きすぎると反動が出て長引くので、少しずつ積み重ねます。
③失敗の先読み
3つ目は失敗の先読みです。うつ病からくる不安や自己否定によって失敗を予測し、行動したくなくなります。
「やっても無駄だ」と始める前からやる気を失う。何かやろうとすると失敗の可能性ばかりが浮かび、それを恐れてやめてしまう。周りに迷惑をかけているという罪悪感から、それならやめておこうとなる。こうした例が挙げられます。
関係する症状は、不安、自己否定、罪悪感です。不安は行動しようとすることにブレーキをかけます。自己否定があると、やってもうまくいかないだろうと思い行動が止まります。罪悪感も、自分が動くときに強く出て行動をやめさせます。
これと関連するのが学習性無力感です。失敗が続くと無力感が生まれ、繰り返されるうちに「どうせ無駄だろう」とやる前から思うことを学習してしまいます。その結果、初めから何もする気がしなくなります。うつ病の症状から生じることもあれば、経験から生じて合併し、さらに慢性化することもあります。
(4)うつ病で何もしたくない時の対策
1つ目は、急性期なら休養することです。急性期は休養そのものが治療ですので、しっかり休みます。何もしたくないことで動揺し考えすぎると悪循環になるため、症状の一つと捉えて休養に専念します。疲れが関係して動けない状態であれば、休むことで回復することも多くあります。
2つ目は、長期化しているなら動くことです。長引いた場合、休んだだけでは良くならないこともあります。あえて少し動いてみて、それを刺激に流れを変えていきます。ただし一気にやりすぎると反動が出るため、少しずつ進めます。
3つ目は、考えの置き換えです。「どうせうまくいかない」という考えの癖が影響している場合は、そこへの介入が必要です。だめだろうと考えたときに、別の見方はないかを意識的に探してみる。そして考えるより実際に動いてみて、その経験で考え方のパターンを上書きしていくことも大切です。
(5)まとめ
うつ病ではしばしば「何もしたくない」状態になり、これは病状にも影響します。主な理由は次の3つです。
1つ目は意欲の減退。意欲が減るという症状そのものから何もしたくなくなります。2つ目は疲労や倦怠感。体が重く疲れやすいことから動けなくなります。3つ目は失敗の先読み。自己否定や不安から、やる前に否定して何もしたくなくなります。
急性期の状態であれば、しっかり休むことが大事です。一方で長引いてしまっている場合は、あえて動くことから打開を図っていくことになります。
こころ診療所グループ(医療法人社団Heart Station)
府中こころ診療所(東京都府中市宮西町1-1-3三和ビル2階、☎042-319-7887)
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#理由 #精神科医
【監修者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。