1人で組んだ核の球は、なぜ6日間止まらなかったのか【サロフ臨界事故】
事故の断面図
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1人で組んだ核の球は、なぜ6日間止まらなかったのか【サロフ臨界事故】
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事故の断面図
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1997年6月17日の午前10時50分、ロシアのサロフ(旧アルザマス16)にある核兵器の研究所で、1人の技術者が濃縮ウランの芯を銅の殻で包む臨界集合体を組んでいました。上側の銅の半球殻が手から滑り落ちた瞬間、球は臨界を超え、閃光と熱の波が起きました。技術者は自分で歩いてホールを出て通報しましたが、球はそのまま6日半のあいだ、自分で出力を調節しながら核反応を続けました。人は誰も部屋に入れず、ロボットと真空吸着器で遠隔で外すまで止まりませんでした。技術者は被ばくから66時間半後に亡くなりました。
IAEA(国際原子力機関)の事故報告書と、ロスアラモス国立研究所の臨界事故の記録をもとに、組み立て機と球の断面図、出力の時間変化の図で、なぜベテランが1人で組んでいたのか、なぜ球は6日半も止まらなかったのか、人が入れない部屋からどう外したのかを順番に解説します。
00:00 冒頭
01:11 舞台
02:32 核の球とは何か
05:39 技術者と当日
08:26 一瞬で何が起きたか
10:46 止まらない球
13:40 ロボットと真空吸着
15:20 66時間
18:34 調査の結論
20:17 1枚の図
20:56 締め
■ 出典
・IAEA「The Criticality Accident in Sarov」(STI/PUB/1106・2001年)。事故の経過(§4・表I)、解体(§5)、線量(§6)、治療の経過と死因(§7・§9.2)、教訓(§9)はこの報告書の記述によります。https://www-pub.iaea.org/MTCD/Publica...
・ロスアラモス国立研究所「A Review of Criticality Accidents, 2000 Revision」(LA-13638・2000年)§「Sarov (Arzamas-16), 17 June 1997」。組み立て機FKBN-2Mの仕組み、反射材の寸法の書き間違い、落ちた部品、出力と温度の計算、解体の手順はこの記録によります(米政府刊行物)。
・当時の報道(Bellona 1997年6月19日・23日)=事故直後の当局の発表に使用。
■ 制作について
・亡くなった技術者の方とご家族、対応と治療に当たった方々への敬意を第一に、手の症状、手術、写真の描写はしていません。亡くなった経緯は、報告書の医学的な記述の範囲で言葉だけで伝えています。技術者の名前は報告書に載っていないため出していません。
・報告書は技術者を責める書き方をしておらず、「規則と設備があるだけでは事故は防げない」「手順の違反をゼロにはできないから工学的な歯止めと自動化が要る」としています。この動画もそれに従っています。
・時刻はIAEA報告書の値です。ロスアラモスの記録と10分程度ずれる時刻は、IAEAの値を使っています。
・組み立て機・球・建物の形は公開資料をもとにした概略で、実寸の再現ではありません。冒頭の実写風の映像2本(「イメージ」の札)はAIで生成したイメージで、事故の記録映像ではありません。
ナレーション:VOICEVOX:青山龍星
BGM:OpenTracks(旧DOVA-SYNDROME)かずち「Flutter」「残滓念」「コールドフィッシュ」「クリスタルコア」
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